教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

2/5 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「標準体重でも油断大敵!肝臓トラブルの意外な落とし穴」

肝硬変に至る危険な脂肪肝

 コロナ禍での生活習慣の変化で急増しているのが非アルコール性の脂肪肝だという。これは放置すると最悪は肝硬変につながる危険もあり、動脈硬化や心筋梗塞の原因ともなり得る。肝臓に脂肪が溜まっている状態だが、日本人の2000万人が患っているが、自覚症状がないために放置されている例も多いという。

 肝腎要のまさに重要臓器である肝臓だが、その機能は解毒や栄養の輸送などトータルで500種類以上あるという。人体の化学工場とも言われているのが肝臓である。この肝細胞が繊維化して肝機能が低下するのが肝硬変である。しかし実際に肝硬変を発症した患者が番組に登場しているが、彼女は肝硬変を発症しているのに特に自覚症状はなかったという。しかし4年後、脳梗塞を発症して後遺症が残ってしまったという。

 

 

太っていなくても要注意

 肝硬変を招く原因として脂肪肝が挙げられるが、太ってもいない酒も飲まないのに脂肪肝という事例があるという。番組に登場した人物は重度の脂肪肝だったが、原因はコロナによる運動不足だった。脂肪肝に良い運動は有酸素運動と筋トレだという。筋肉量が多い男性は有酸素運動、筋肉量が少ない女性は筋トレが効果があるという。

 二人目のやはり重度の脂肪肝だった女性は既に肝臓が硬くなり始めており、このままだと肝硬変になる可能性があった。原因として考えられるのはテレワークによる食生活の乱れではとのこと。三人目の女性は明らかにやせているのだが、それでも軽度の脂肪肝だった。彼女は運動などもして食生活も気にしていたらしいが、問題となったのはフルーツの食べ過ぎだった(ミカンを1回で10個なんて無茶をしていたらしい)。フルーツに含まれる果糖はほとんどが肝臓で処理されるので肝臓に脂肪が溜まりやすくなるのだという。1日のフルーツの摂取量は200グラムぐらい(ミカンなら2個)にとのこと。

 また2020年に新たな疾患としてMAFLDというものが提唱された。これは糖尿病、肥満、代謝疾患を併せ持った脂肪肝で、肝硬変のリスクが高く、脳梗塞や心筋梗塞の確率も上昇するという。なおγGTPなどには現れない隠れ脂肪肝があるので要注意とのこと。

 

 

新潟に学ぶ肝臓に良い食材

 では脂肪肝を防ぐ生活を肝疾患の少ない新潟県に学ぶ。まず新潟県民がよく食べるのは豚肉だという。豚肉に含まれるポークペプチドが肝機能を高める効果があるという。さらに二つめは枝豆。枝豆は脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、脂肪を分解するコリンや余分な脂肪を燃やすレシチンなどが含まれているという。またアルコールの分解も促すという。そして3つめがだが、これは粒で消化がゆっくりなので肝臓の負担が少ない上に腹持ちが良いのだという。和食は健康的だとしている。


 以上、肝腎要の肝臓についての話。脂肪肝が2000万人という話ですが、物心ついて以来自分がスリムであったという記憶がない私の場合、脂肪肝の診断を受けてからかれこれ30年ぐらい経っており、正直なところ長い付き合いとなってしまってます。幸いにしてまだ肝硬変には至ってませんが、年齢上昇と共に他の病気も出て来てますので、いつ致命的にならないとも限らないという不穏な状況です。

 運動が良いというのは十二分に分かっておりますが、私もコロナ以降お籠もりが増えたせいで覿面に運動不足が祟っており、おかげて最近は心身共に最低の状態になっています。

   
昔から肝臓の薬と言えばウルソ、いわゆる熊の胆です

 

 

忙しい方のための今回の要点

・日本人の内の2000万人が患っていると言われる脂肪肝。放置すると肝硬変などを発症する危険がある。
・脂肪肝は自覚症状がなく、肝硬変になっても特に自覚症状が現れない例も多い。しかしこれらは脳梗塞や心筋梗塞などにつながる危険が非常に大きい。
・脂肪肝を発症する原因は生活習慣や食習慣。運動不足から脂肪肝になる例はあるし、食生活が偏っていたりすると、太ってはいないのに脂肪肝を発症する例もある。
・フルーツ類の果糖は分解時に肝臓に負荷をかけるので食べ過ぎに注意。
・2020年に糖尿病、肥満、代謝疾患を併せ持った脂肪肝は新たにMAFLDという疾患と呼ぶことが提唱された。これを放置すると肝硬変になって脳梗塞や心筋梗塞になる可能性が上昇する。
・脂肪肝を防ぐ食材として、肝機能を高めるポークペプチドを含む豚肉、脂肪の蓄積を防いだり分解を促すコリンやレシチンを含む枝豆、さらに腹持ちが良くて消化がゆっくりな米などが挙げられている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・新潟って、酒所のイメージがあったので肝臓疾患は多いと思っていたのですが、少ないというのは驚きましたね。豚肉や枝豆をよく食べることが挙げられてましたが、それだけとも思いにくいのですが・・・生活習慣に何か鍵がありそうな。

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