教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

2/12 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「イチから学ぶ"栄養素"の役割」

身体の代謝に働くビタミンB群

 今回のテーマはビタミンの働き。ビタミンは13種類あると言うが、その働きについてはよく知らない人も多いだろうということで、今回はその意味の紹介。まずビタミンという言葉だが、そもそもが造語で生命を表す「Vita」に化学構造である「Amine」を合わせて「Vitamin」となっている。体内では様々な調整などに使われている。

 まず最初に登場するのはビタミンB群。なぜBでなくてB群なのかと言えば、8種類が含まれているから。B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種が存在する。ビタミンB群の効果としては疲労回復効果と言われている。それはビタミンB群がエネルギーの生産に関与しているからである。これを豊富に含む食材としては、うなぎ、ブロッコリー、鶏肉、アボカド、バナナ、枝豆などがある。また中でもビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのに働くので、不足すると糖が脂肪になってしまってメタボの原因となる。実際に不足しがちのビタミンなのだという。そこで豚肉、玄米、大豆、かつお節、アーモンドなどのビタミンB1の多い食材がお勧め、さらにはニンニクに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収を促進するから、ブタの生姜焼きに加えることなどがお勧めとか。

     
どうしても不足なら、こういうもので補う手はありますが・・・

 

 

コラーゲン合成と活性酸素抑制に働くビタミンC

 次はビタミンCだが、一般的に「肌に良いビタミン」というイメージがあるが、それはコラーゲンの合成に欠かせないからだという。不足すると皮膚の張りがなくなることになる。どころか、極端に不足するとコラーゲンが皮膚を支えられなくなって出血するなんてことになるという(いわゆる壊血病)。またビタミンCが有するのが抗酸化作用。過剰になった活性酸素を打ち消す能力を持っている。番組ではヨウ素の着色した液にビタミンCを加えるとあっという間に脱色するという実験を見せているが、これはあくまでイメージであって、体内で全く同じことが起こっているわけではないのは、画面に表示されている小さい文字の通り(こういうのはいわゆる「アリバイ」という)。過剰な活性酸素を抑制することで老化防止にも効果が期待できるビタミンCだが、ストレスがかかると消費してしまうのだという(活性酸素が増えるから)。目を酷使することなどでも消費されるとのこと。なおビタミンCと言えばレモンがイメージされるが、レモンで必要量を摂るのはほぼ不可能なので、ピーマン、ブロッコリー、ジャガイモ、芽キャベツなどの野菜を摂るのが賢明とのこと。

 

 

それ以外の多彩なビタミン

 これ以外のビタミンではレバー・バターなどに含まれるビタミンA、ナッツ類に含まれるビタミンEなどが存在するがこれらも抗酸化作用を有するので合わせて摂ればさらに効果的であるという。

 なお最近注目されいるのがビタミンDだという。ビタミンDはカルシウムを骨へ運ぶ作用があるので、これが不足すると骨がスカスカになってしまう。さらにビタミンDは免疫細胞を活性化する機能を有しているといい、それ以外も様々な効果が見つかっているとか。ビタミンDは魚類やキノコ類に含まれるが、特にお勧めは鮭だという。

 さらに健康維持にはビタミン以外にもミネラル類も重要であるという。これらは1つでも不足すると健康を損ねる危険があるが、ただし摂りすぎも良くないので注意とのこと。要はバランスの取れた食生活という原点に帰るわけである。

 

 

 今回はビタミンの働きというかなり基礎的なお話。なお最初にビタミンは13種と言っておきながら、今回12種しか登場していないが、後の1つは調べたところビタミンKの模様。血液の凝固や組織の石灰化に関わっているので、不足すると出血しやすくなるとか。また骨粗鬆症や動脈硬化に関連しているとのこと。食事から摂取するなら、小松菜・ほうれん草、納豆などが良いらしい。

 ビタミンの働きについては栄養学の基礎なので、把握しておいて損はない。学校でも家庭科などで習うはずである。ただあまりビタミンの効果を強調しすぎるとすぐにサプリなどを大量に買い込んでとなりがちだが、これらは食事で摂取するのが原則で、何らかの理由で極端に不足が見られる場合にサプリを使用するというのが基本。滅茶苦茶な食生活しながらサプリを使ったら健康になるというものではない。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・ビタミンは13種が存在し、バランス良く摂取する必要がある。
・ビタミンB群は8種のビタミンを含み、エネルギー産生に関わるので疲労回復の効果を持っている。
・ビタミンB1は糖の代謝に関わるので、不足すると脂肪が付きやすくなる。豚肉などに多く含まれ、またニンニクのアリシンは吸収を高める効果がある。
・ビタミンCはコラーゲンの合成に不可欠なので、不足すると肌の艶がなくなったり、甚だしきは血管が破れて出血することもある(壊血病)。
・またビタミンCの作用としては抗酸化作用が知られている。さらにストレスなどがかかると消耗する。
・ビタミンCを摂取するにはレモンよりも、ピーマン、ブロッコリーなどの野菜類が有効である。
・ビタミンDは骨の生成や免疫の強化に働く。摂取には魚類やキノコ類で、鮭がお勧め。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・ビタミンは体内で合成できないので外から摂る必要があるなんてことをサプリの宣伝ではやたらに強調するが、そもそもなぜ合成できないかと言えば、「普通に食事をしていたら外部から摂取できるから」なんです。ビタミンが不足するというのはそもそも食生活に問題があるということでもあります。

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