ダイエットの鍵を握る代謝
今回は肥満対策というキャッチーな内容。かつての「あるある大事典」なんかだったら「この食材を食べ続けるだけで減量に成功」なんていうインチキ情報が飛び出すところだろうが、まあこの番組ではそういうのはなしで、手堅い情報(それ故に楽してダイエットしたいと横着な考えを持つ者には面白くない情報)を放送することと思われる。
まずメタボなどというが、このメタボとは代謝のこと。つまりは代謝に異常があるからこそメタボリックシンドロームになって太るということである。では代謝とは何かであるが、一言でいえば熱産生になる。すると熱が必要でないこれからの夏の時期はより太りやすいシーズンになるということである。
一日の総エネルギー消費量を見ると、まず生きていくのに必要な基礎代謝が60%と一番大きい。つまりは代謝改善はこの基礎代謝を上げることが鍵となる。そこで基礎代謝を上げるための生活のポイントは何かということで、今回の被験者は体重が気になっている女芸人2人。まずはこの2人の基礎代謝を精密に測定するが、2人とも基準値以下で基礎代謝が低く太りやすい体質。これは骨格筋が少ないことが原因と考えられる。
代謝を下げる悪習慣
ではなぜそうなったかということで、2人の生活を観察するが、正直なところ「こりゃ太るわ」というダメダメ生活である。1人は朝からベッドから起き上がれずに布団の中でグダグダ。代謝が低いと体温が上がらず目覚めが悪くなるのだという。しかもこれで時間が無いものだから、朝食は抜き。これがまた「最悪」だという。朝食を摂るのは代謝のリズムを作って回すキッカケとして重要であるという。また食事誘発性熱産生も先の一日の総エネルギー消費の10%を占めている。ゆっくりよくかんで食べることで、1年で体脂肪1.5キロ分のエネルギーを多く消費できるという。また空腹状態で昼食をガッツリ食べることで、脂肪を溜め込みやすくなるという。またながら食事はかむ回数が減る原因になるとか。
さて先ほどのエネルギー消費だが、残りの30%を占めるのが身体活動量である。ここには運動なども含むが、家事などで身体を動かすのもここに入る。ここで2人の生活は、座りっぱなしとか、甚だしきはベッドでゴロゴロしているだけとこれもまた非常に悪い。同じ座るならバランスボールなどに座ると体幹の筋肉を鍛えられるので良いという。せめて時々背筋を伸ばして身体を緊張状態にしろとのこと。また家事などによる非運動性身体活動も馬鹿に出来ないとのこと。座ってばかりの人は貧乏揺すりでも運動になると言っていたが、さすがにこれは・・・。
代謝改善のための方法
なお基礎代謝が低下した場合に起こりやすい不調がまず不眠。睡眠時の熱放散がスムーズにいかないことで寝付きにくくなるのだという。また代謝が悪いことで熱産生が悪くなって冷え性にもなるし、外気に接触する部分の血流が悪くなることで免疫力低下も起こるという。
また運動以外で代謝を上げる方法として褐色脂肪組織を使用する方法があるという。褐色脂肪組織は脂肪を溜めるのでなくて燃料にして熱産生する組織だという。これを活性化するには交感神経を刺激する必要があり、寒さの刺激などが影響するが、食品で刺激するとなるとショウガ、緑茶、唐辛子だという。ジンゲロール、カテキン、カプサイシンなどが交感神経を刺激して代謝アップに貢献するという。
で、番組の最後では先の2人が代謝アップ生活を一ヶ月実践したところ、代謝も増えて体重も微減して目出度し目出度しという結論である。
以上、予想通りであるが極めて妥当なコテコテの正攻法を提案してきた。おかげで安心して見ていられるが、正攻法過ぎてすべて当たり前だったという感がある(笑)。
忙しい方のための今回の要点
・人の一日のエネルギー消費で一番多いのは生きていくための基礎代謝。
・基礎代謝が低下すると、朝の体温上昇がうまく出来ないので目覚めが悪くなる傾向がある。また朝食抜きは代謝改善の点で最悪。
・さらに30%を占める身体活動量の点では運動だが、せめて座っているのでもバランスボールを使うなどすれば少しは筋肉が鍛えられる。また家事なども馬鹿には出来ない。
・脂肪を燃焼する褐色脂肪細胞を活性化するには交感神経を刺激する。食品ではショウガ、緑茶、唐辛子などが効果がある。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・本当に正攻法中の正攻法ばかりでした。だけどダイエットに簡単な方法があるっていうのは、インチキ美容番組とインチキ健康食品だけですから。
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