教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/30 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「名医が答える!認知症の知りたい疑問 認知症経験者が語る違和感と初期症状!」

認知症Q&A

 今回は認知症に関する様々な疑問に答えようという内容。巷には認知症を気にしている人は多いが、その割には分からないことも多い。そこで40歳以上の男女100人にアンケート調査したとのこと。その疑問に専門の医師が答えるとしている

 例えば「物忘れしたときに思い出すまで考えるのと、すぐ調べるのとどちらが良いか」という質問に対する回答は、認知症は思い出す能力が落ちていくので、すぐに調べると思い出す能力が落ちていくから、まずは思い出す努力をした方が良いとのこと。まあ確かに年を食ってくると、知っているはずのことが咄嗟に出てこないのは良くある。私も毎日仕事で一緒にしている同僚の名前が咄嗟に出ず「君」で誤魔化したことはある。なお芸能人などの「どうでもいい人」の場合は、何度聞いても覚えられない人物がいる。

 

 

認知症の原因と症状、なりやすい人

 まず認知症だが、アルツハイマー認知症についてはアミロイドβが脳内に蓄積することで脳の萎縮が起こる症状であり、認知症の7割を占める。で、疑問の第3位は認知症になりやすい人の特徴だが、それは治療力障害と睡眠不足だという。聴力障害はコミュニケーション不足によって脳の刺激が減ること、睡眠不足はアミロイドβが睡眠中により多く排出されるからとのこと。理想の睡眠時間は6~7時間とのこと。

 第2位の質問は認知症の兆候。ここで実際の患者の体験談が登場するが、やはり症状は物忘れが最初だったという。鍵の置き場所が分からなくなるなどの症状が出たという。しかもど忘れとかでなく、記憶が丸ごと欠落しているような状況が特徴という。脳検査をすると海馬の萎縮が見られたという。見分け方として、物忘れをしたことに対して振り向き現象や取り繕い現象が現れたときだという。これは他の人に答えを求めたり振ってしまう傾向だという。もう1つは物忘れに対してヒントを出せば思い出す場合は問題ないが、ヒントを出しても思い出せない場合は認知症の疑いがあるという。例えば昨日の夕食を忘れたときに「お父さんの好きな辛いやつ」「ああ、カレーか」となったら問題ないらしい。海馬が完全に萎縮してしまうと治療法はないが、萎縮の始まりの時は薬で遅らせることが出来るので、様子を見ようと半年や1年放置するのが一番まずいという。

 

 

認知症予防と治療の可能な認知症

 質問の第1位は予防法。これに対してマインド食というのが勧められるという。が、その内容は要は偏りのないバランスの良い食事である。糖質・脂質・塩分の過剰摂取は控えるようにとのことで、認知症云々に関係ない健康的な食生活である。後は脳トレ。ここで登場したのはいわゆるアナグラム。頭を使うパズルとのこと。さらに塗り絵など。後は軽い運動で血流を良くするなんてことが効果的。

 なお認知症の中の3.9%には原因が脳神経以外にあって、それを治療したら改善する例があるという。ここで登場したのは72歳の会社経営の女性の事例だが、物忘れの症状などが出て受診したらところ、認知症の症状が出ていたがその原因は糖尿病にあったという。血糖値が不安定になることで神経がそれについていけず、ボーッとするなどと言うことが発生していたのだという。そこで糖尿病を治療したところ認知症の症状は消失したという。また甲状腺機能低下などが原因の事例もあるという。


 以上、認知症に対するQ&A。まあ極めて当たり前の内容だったように私には思われます。ここで「認知症予防のために毎日○○を食べる」とか言い出さないのがこの番組の一番良いところでもありますが。

 ところで認知症の症状に他人に答えを振る取り繕い現象というのが上がってましたが、つまりは答弁になるとすぐに役人に答えを振る日本の大臣は皆認知症ということか。うーん、あれはド忘れでなくてそもそも考えてない覚える気もないだから、認知症以前に知能レベルが低すぎるんだった。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・認知症の7割を占めるアルツハイマー症は、アミロイドβが脳内に蓄積することによる萎縮が原因となる。
・認知症になりやすいのは聴覚障害と睡眠不足。前者はコミュニケーションが取れなくなって脳の刺激が減るため、後者はアミロイドβの排出は睡眠中が多いことによる。
・認知症の初期症状はやはり物忘れが多い。特に取り繕い現象が出たり、ヒントを出しても思い出せない場合は認知症の危険が高い。
・予防法としてはマインド食と言われる偏りのないバランスの良い食事、さらに脳トレなどで脳を刺激し、血流を良くする軽い運動が効果的。
・なお認知症の中には糖尿病や甲状腺機能低下が原因の場合もあり、これらの治療を行うと認知症の症状が改善する事例がある。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・そろそろ私も気にしないといけない年齢にさしかかってきましたが、うちの母がもろにこれらの症状が出ています。特に取り繕いがひどくて・・・。

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