教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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5/14 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「身体を守るスーパー臓器 必見!皮膚の新常識」

皮膚は身体の重要な臓器

 今回のテーマは皮膚。皮膚と言えば単に身体の表面を覆っているだけの皮と軽視されがちだが、実は重要な「臓器」であるという。そんな臓器である皮膚について紹介。

 まず皮膚の総面積だが、体重70キロの男性の場合、畳15畳分もあるという。皮膚の表面積自体は畳1畳ほどだが、見えない毛穴や汗管などの内部の部分も皮膚であるからトータルではこのぐらいになるらしい。さらに重さは10キロぐらいになるという(皮下脂肪も皮膚であるから)。

 

 

皮膚の臓器としての重要機能

 では皮膚の臓器として機能だが、まずは外敵を防ぐバリア機能がある。皮膚最表面の角層は0.02ミリ程度だが、アレルゲンや細菌などの侵入を防ぐ機能を持っているという。また同時に内部から水分が逃げるのを防ぐ役割も果たしている。しかし角層は剥がれやすいのでひっかいたりなどの外からの刺激に弱いから、あかすりなどはナンセンスだという。

 さらに免疫の要としての役割も果たす。表皮の2~5%を占めるランゲルハンス細胞がネットワークを形成し、異物を検知すると免疫細胞に指令を送るのだという。この機能が低下すると帯状疱疹などの不調が発生することになる。免疫低下の原因は加齢やストレスなどもあるが、これからの時期は紫外線が原因となるという。日差しの強いときには外出しない、日陰を歩く、日傘などを使用するがポイントだという。また日焼け止めの使用が効果的だが、大量に使う必要があるとのこと。2回塗るぐらいでちょうどだとか。

 

 

皮膚に現れる身体の不調と皮膚の健康を保つ方法

 また皮膚は内部の病気を知らせる警報器でもあるという。例えばコレステロール値が高くなると眼瞼黄色腫という黄色い塊が出たりするという。さらに糖尿病になると手や足に赤いまだらやしこりが出たりするという。また肝臓が悪い人にはくも状血管腫が出たり、内臓にガンがあれば急にいぼが増加したりするという。

 皮膚の機能として重要なものに体温調節がある。人間は汗をかくことが出来るが、これが出来る動物は意外と少ないという。だから運動などをして汗をかく機能を高めておくことは重要だという。またエアコンを適度に使って湿度を40~60%に保つことが皮膚を健康に保つことになるという。また入浴時には優しく洗うように、さらに39度未満の入浴が皮膚に刺激を与えないという(高温すぎると肌が乾燥することになる)。

 

 

 以上、肌について。昔はゴシゴシあかすりなんてことが普通になされていたが、最近になってようやくそれがナンセンスだということが広がってきたようである。なか数十年前は小麦色の肌は健康の証として持て囃されていたが、最近は紫外線の害に注目するようになって、小麦色の肌は老化促進でしかないという認識になって来たようである。健康情報の類いもこのように時代でガラッと変わるから常に最新の裏付けのある正しい情報に注意するべきである(時にはとんだ嘘情報もあるので、その見極めが重要)。なお小麦色の肌に関しては、私は当時から「日焼けが健康的なのでなく、屋外で日焼けするぐらいの活動を出来ると言うことが健康という意味だ」と言い続けて、無理矢理に日焼けすることのナンセンスさを警告していたのだが、最近になってようやく通説になったというところである。もっともいくら紫外線を避けるべきといっても、日光を一切遮断するような極端なことをすると、今度はビタミン不足の可能性が出るので、何事も極端すぎるのはよろしくないというのは今も昔も変わらない真理である。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・皮膚は毛穴や汗腺も含めると畳15畳分の表面積がある。
・最表層の角質はアレルゲンや最近などの侵入を防ぎ、体内から水分の流出を防ぐが、非常に薄いことから刺激に弱く、入浴時にゴシゴシ洗うのは御法度である。
・表皮の中にあるランゲルハンス細胞は、免疫の司令塔として免疫系を活性化する能力を持っている。
・なお皮膚の免疫機能は紫外線によって低下するので、日焼け止めの使用など紫外線に注意する必要がある。
・また身体の不調が皮膚にサインとして現れることがある。例えば高コレステロールだと眼瞼黄色腫が現れたりするし、内臓のガンのために急にいぼが増えることもある。
・さらに皮膚の体温調整機能を保つためには、正しく汗をかく訓練が必要である。
・皮膚の健康を保つにはエアコンで湿度は40~60%に、入浴時にこすらないことと、湯温は39度未満が皮膚に刺激を与えない。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・私は特に紫外線対策とかはしなかったので、この年になると年齢相応に皮膚の老化が出てきて、老人特有のシミなんかも現れてますね。まあこの辺りの老化は仕方ないことと割り切るしかないようです。

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