チョコレートに関するお題3点
今回のテーマはチョコレートとのことで、チョコレートの健康効果に関してと味に纏わること、さらには美味しい手作りチョコの作り方との三本立てて紹介している。
チョコレートの健康効果
まずはチョコレートの健康効果だが、いきなり122才まで生きた人が1週間に1キロもチョコレートを食べていたとか、チョコレートで歯を磨くと歯周病の菌を抑制する上に口臭も防ぐとか、患者の胃にチョコレートを入れると傷の治りが早くなるとか(これについてはこの知見から栄養剤を改善したので今はやっていないとか)のかなりの煽りが入る。
要はチョコレートの健康効果の元はチョコレートに含まれるカカオポリフェノールにあるわけである。ポリフェノールは抗酸化作用があるので、ぶりの餌に混ぜると切り身が時間が経っても変色しなくなるとか。とは言うものの、普通の菓子のチョコレートをモリモリ食ったら、ポリフェノールの健康効果を打ち消してあまりある砂糖の弊害が出てくる。そこでここで使用するのはいわゆる高カカオチョコレートになる。
その取り方であるが、そもそもポリフェノールは本来は植物の害虫駆除成分なので、人体も吸収が少ない上に排出が早い(要するに毒として扱っている)ことから1日に25グラムぐらいを複数回に分けて摂取するのが良いとしている。
とは言うものの番組では触れていないが、高カカオチョコは苦味が強くて食べにくいし、またカカオポリフェノールは強すぎるので、人によっては胃が荒れたり肝臓に負担がかかることもあるなんてことを聞いたこともある。結局は自己責任でって話になりそう。
チョコレートを調味料として使う
二つめはチョコレートを調味料として使用するという話。チョコレートを味噌の代わりに使用出来るのだという。番組では鯖の味噌煮やキャベツの味噌炒め、さらには味噌煮込みうどんなどをすべて味噌の代わりにチョコを使って作って食べてもらったところ、被験者は全員気がつかなかったという結果に。
このように誰も気付かなかった理由としては、味の特徴を分析したところ、味噌のチャートとチョコのチャートが見事に重なるのだという。ではどうしてこんなことが起こるかだが、そもそもチョコレートは実は発酵食品なのだとのこと。
番組はここで日本で珍しいカカオを生産しているという母島を訪問(海外ロケをしないところが、昨今の予算の厳しさを反映しているが)、実際に木になっているカカオを紹介している(カカオの実は幹から直接生えるらしい)。問題はここからチョコレートをどうやって作るかだが、チョコに使うのはカカオの実の中の種なのだという。カカオの実を割って出てきた種を発酵させたものがチョコレートの原料になるのだという。
そう言うわけでチョコレートは発酵食品であるということなので、発酵調味料として使用出来るのだという。だからビーフシューに加えたりすることでコク増しに使ったりなどが可能であるという。加熱するとチョコの香りが消えるので少し煮込むのがポイントとか。
美味しい手作りチョコを作るには
最後は手作りチョコの作り方。そんなもの溶かしてから型に入れて冷やして固めるだけだろと言えば、そう単純ではないらしい。実際に試してみたらベタベタで美味しくないものになってしまう。
そこでプロはどうしているかだが、テンパリングという作業が必要なのだという。それは溶かしたチョコを大理石の上で冷やす作業で、この作業によって45度のチョコを一旦28度までゆっくりと下げる。その上でもう一度ドライヤーで32度まで上げるのだという。
この時に何が起こっているかだが、28度まで下げた時に結晶が析出するのだが、これは口溶けの悪い結晶なので、32度まであげることでこれを口溶け結晶ことⅤ型結晶に変換するのだという。これが生成すると口溶けが良くてしっかりした美味しいチョコレートになるのだという。
ただこのプロの方法、いかにも難しい。そこでこの番組のお約束の誰でも出来る方法に変換する。ここでのポイントは種結晶としてチョコレートを入れるのと結晶成長のために攪拌をするということ。その方法は溶かしたチョコレートに市販のチョコを一かけ入れてかき回す。溶けきったらもう一かけ入れるらしい。この加えるチョコは温度計も兼ねており、これが溶けなくなったらジャスト温度なので終了とのこと。
で、番組ではこの方法で「友人に手作りチョコをあげたい」という男の子(ちなみに相手も男の子だ)が手作りチョコをプレゼントして目出度し目出度し・・・男が男にチョコって辺りがいかにも今時ではあるが・・・。
以上、チョコネタでの三題。ただ健康効果ってのは一長一短な気がするし、味噌の代わりが出来るって言うなら最初から味噌で良いじゃんという気がする。また溶かして固めるだけの手作りチョコなんて意味あるのってのが本音。まあ確かに驚く情報はあったものの、実用性を考えるとなんだかなってのが本音。
忙しい方のための今回の要点
・チョコレートのカカオポリフェノールには抗酸化作用などの健康効果があるので、高カカオチョコを1日25グラム、複数回に分けて摂ることを勧める。
・またチョコレートはカカオの豆を発酵させたものであり、味噌のような発酵調味料と同じ味の特性を持っている。
・手作りチョコはただ加熱で溶かしたチョコを冷やすだけだと失敗する。溶かしたチョコに市販のチョコを一かけ加えて攪拌することで口溶け結晶がタップリの美味しいチョコになる。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・本当に、実用性としてはどうなの?って印象の情報ばかりなんですよね。ちなみに高カカオチョコは私も興味ないわけではないが、昔にカカオ分多めというチョコを食べてみたら、あまりに苦すぎてこれは菓子ではなくて薬だなと感じたので、それ以来その手は食べてない。
・そもそもチョコレートに大量の砂糖やミルクを加えているのって、そうしないと苦味が強すぎてとても食べれたものでないからってのが現実なんだが。薬として摂るつもりなら、チョコ以外にもっと直接的で効果のあるものもあるだろうし。
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