平安御所での宮中行事をVR再現
今回はこの番組お得意のVRシリーズ。御所をテーマにかつての儀式とか幕末の動乱を再現しようということらしい。
まずは平安時代の御所を再現しようとのことで、例によって大河連携で大河出演者がゲストで来ているが、そんなことはどうでも良い。とりあえず平安時代に行われた踏歌節会の様子を再現するのだとか。
まずは京都御所に取材に行っている。現在の御所は鎌倉時代に火災で移転しているが、江戸時代に平安時代のものを元に修復されているので、現代の京都御所を調べたら平安時代の御所が分かるのだとか。で、紫宸殿の調査。この建物はかなり本格的に平安時代の建築を再現するようにされているとのこと。これを元にVRのデータを作成する。
ここで行われた舞については、残されている絵から推測する。踏歌節会とは相撲の四股のように大地を踏みしめることに意味のある神事らしい。また髪型や服装なども絵を元に再現する。これらを人が演じてそのデータを取り込みCG化するのだとか。
で、後は佐藤二朗やゲストがVRを体験という話になるのだが、正直なところそれはどうでも良いし、また言葉で説明できるものでもないので省略する。雅な舞を披露するというだけの話である。
王政復古のクーデターの再現
後半は王政復古のクーデターの再現だが、これは御所の中での会議を再現している。ここでは慶喜の処遇が議論されたのだが、薩摩の大久保利通は慶喜排除を狙っているし、土佐藩主の山内容堂は慶喜の味方である。ここでの議論では終始容堂が慶喜の排除には賛成できないということを主張、身分が低いために遙かな末席に控えていた大久保は見ているしかなかったのであるが、途中でズカズカと入り込むと慶喜の処罰を主張したのだという。しかもここで容堂は黙ってしまったという。実はその時、御所に乱入した兵士が会議が行われていた小御所を取り囲み、容堂を威圧していたのだという。これで慶喜の新政府からの排除が決まったのだとか。
以上、御所に纏わるVRであるが、正直なところどうでも良い内容だったというのが本音。まあ踏歌節会の復元は当時の雰囲気を知るには良かろうが、だから何なのってところだし、王政復古のクーデターの再現については会議場を復元するまでもなく、大久保らが武力で威圧したのは明白なんだから、これもだから何なのである。
この番組、何度かVRが登場しているが、そのVRがあまり意味をなしていない事例ばっかり。多分この番組のためだけにわざわざVR作るとも思いにくいので、Nスペか何か用にVR作ったのをまるまる流用して、ついでにこの番組1本作るって感じだろうな。昔からNHKはそういう「放送素材の有効活用」は多いですから。ただあまりに定番映像が多すぎて。最近なんてよく戦闘シーンで出てくる「何やら京都っぽい町中で騎兵と歩兵が刀抜いて走りながら角を曲がってくる」って映像。これなんて何十回見たか分からん(元は大河か何かかな?)。
忙しい方のための今回の要点
・京都御所に纏わるVR映像を作成。
・前半は宮中行事である踏歌節会の様子を再現。
・後半は王政復古のクーデターの際、薩摩の大久保利通が武力によって親徳川派の山内容堂を威圧して、新政権からの慶喜の排除を決定するシーンの再現。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・正直なところ「中身薄っ」って感想しかないですわ。この番組はそういう回がしょっちゅうです。NHKは諸般の事情で予算が以前より厳しくなっているというが、予算の問題よりも制作側の質の問題もありそう。まあ歴史番組については、ネタ切れも深刻なんだとは思うが。
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