誤嚥の原因
麺類などを食べるとむせるという人が多い。これは飲み込み力が衰えて誤嚥が起きている証拠であり、体力が落ちていると誤嚥性肺炎を起こす可能性があり、これで年間5万人が命を落としている。今や日本人の死亡原因の第6位だという。そこで今回はむせる原因を明らかにして対策を紹介する。
番組ではよくむせるという人達の食事を観察。50代の女性と60代の男性が登場しているが、どちらも食事中にかなりむせている。これは飲み込み力が落ちている証拠だという。こうなる原因であるが、まず舌の衰えが考えられる。咀嚼した食べ物を奥に運ぶ時には舌が押し上げて圧力をかけているのだが、その力が衰えると気管に入ってしまうのだという。
先ほどの2名の舌の力を舌圧計で測定したところ、60代の男性の方は同年齢の平均をクリアしていたが、50代の女性の方は同年代の平均よりもかなり低い値を示した。そんなに舌が衰えた理由は普段から使っていないからだとか。柔らかい物ばかり食べたり、噛まない、早食いなどは舌が衰えるという。また舌が衰えると滑舌も悪くなる。
のどのブロック力と声帯の衰え
さらにのどのブロック力の衰えも誤嚥の原因となる。これは喉頭蓋の閉じる力だという。60代男性の事例の場合はこの喉頭蓋の衰えが考えられるという。さらに声帯も誤嚥防止に影響している。声帯は喉頭蓋の下にあり、気管に入ってきた食べ物を阻止する役割を果たすのだという。この声帯がキチンと閉じなかったら誤嚥につながるという。チェック法としては裏声が5秒出せるか。声帯が衰えていると裏声が出せなくなったり不安定になるのだとか。
で、誤嚥リスクを避けるための対策であるが、まずラーメンなどの麺類は固体と液体が混ざっているので誤嚥しやすいのだとか。誤嚥を防ぐためのトレーニングとして番組で紹介するのは発声エクササイズ。お経を唱えるような調子で五十音を唱えるというもの。五十音全てを言う必要はなく、無理のないスピードと長さでOKとのこと。これを1セット3回で朝昼晩とのこと。なお脳梗塞の後遺症やパーキンソン病などでも飲み込みは衰えるという。
医療現場での対応
さらに医療現場での飲み込み力リハビリの様子を紹介。頭を上げ下げながら喉元の筋肉を鍛えるということをまず行うという。朝の起床時に横になったまま頭を上げて10秒間足先を見るだけで効果が期待できるという。また食事で誤嚥を防ぐための調理として、食材を柔らかくしたりとろみを付けるなどが病院では行われている。さらにコーラなどの炭酸飲料でのどに刺激を与えることで飲み込み力を付けるということも行われている。
以上、誤嚥を防ぐための飲み込み力について。確かに私の場合も老化に伴って飲み込みが悪くなったというか、むせることが多くなったのが気になっている。そもそも私はかなり早食いの方なので、そこに問題点があるようである。
なお高齢者の場合、この誤嚥性肺炎というのは実際に洒落にならない。実際にこれで亡くなる方の話はよく聞く。うちの父なんかも最初はこれで入院して、結局はそのまま帰ってこなかった。
忙しい方のための今回の要点
・年齢と共にむせる人が増えてくるが、これは飲み込み力が衰えている可能性がある。飲み込み力の衰えは誤嚥性肺炎の原因となる。
・誤嚥性肺炎で年間5万人が亡くなっており、日本人の死因の第6位である。
・誤嚥の原因は舌の衰え、のどの喉頭蓋の衰え、声帯の衰えなどがある。
・声帯の衰えのチェックとしては裏声を5秒出せるかを見る方法がある。
・誤嚥を防ぐためには声帯を鍛える発声エクササイズを勧めている。
・病院では頭を上げ下げしてのどの筋肉を鍛えたりを行う。また調理では食材を柔らかくしてとろみをつけるなどして誤嚥を防ぐ。さらに炭酸飲料でのどを刺激するという方法もある。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・年齢と共に明らかに飲み込みは衰えます。私がむせるのは麺類よりも粉っぽいものを食べる時。また刺激性のものは別のメカニズムでむせますね。
・とにかく飲み込み時に意識して確実に飲み込まないと、怪しい場合が増えてきました。
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