教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/7 TBS系 世界遺産「南米パタゴニア 命あふれる春」


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今回のポイント

・南米パタゴニア、アルゼンチンのバルデス半島は多くの海洋生物の貴重な繁殖地となっている。
・バルデス半島は南北に2つの湾を持つ。この湾にはミナミセミクジラなど多くのクジラが子を産むために訪れる。そこで現地ではホエールウォッチングの観光がなされている。
・ここで泳ぎがまだ上手くない子供に泳ぎ方や呼吸の仕方を教えるのだという。波が穏やかなこの湾は子育てに最適である。
・かつてここは捕鯨が盛んでクジラが絶滅寸前になったが、今は保護活動によってクジラは1万2千頭まで回復している。
・クジラの他にもアシカの仲間のオタリアもこの湾で生活している。
・内陸部にはピンクに染まった湖が存在する。この色は目に見えないほどごく小さい甲殻類や藻類による。またこの湖は塩湖であり、そこにはチリフラミンゴが飛来して甲殻類などを食べる。その色によって彼らの羽はピンクに染まる。
・ここの海岸ではミナミゾウアザラシが数十頭規模の群れを作っている。ここは彼らにとっても貴重な繁殖地である。
・また広大な砂浜ではマゼランペンギンなどもここに繁殖に訪れる。マゼランペンギンのツガイは相手が決まっており、生涯共に暮らすという。
・またここの海岸ではシャチも現れる。知能の高い彼らは命がけで砂浜に乗り上げてアザラシなどを狙う。この狩りの仕方を親は子供に教える。この狩りの仕方はこの周辺に住むシャチだけだという。
・バルデス半島はこの多様な生態系によって世界遺産に選ばれた。

バルデス半島のオタリアたち

 

 

海洋生物の楽園

 バルデス半島はその形から湾内は波が穏やかであることから、子供を抱えた海洋生物の繁殖地に最適なのだとか。それにしてもクジラって生まれながらにして泳ぐもんだと思っていたが、どうやら子供泳ぎが上手くないから、息継ぎの仕方とかを仕込むというのには驚いた。やはり彼らは元から海にいた動物でなく、陸上から海中に戻った生き物だということだろうか。息の仕方を習う魚なんて聞いたことがないし。

 フラミンゴも登場しましたが、彼らのピンク色はエサに由来するというのは結構有名な話です。ですから、動物園なんかで普通の鳥のエサで育てていたら段々と色が抜けてくるとか。そこで最近はフラミンゴのエサに色素を混ぜていると聞いたことがあります。その天然の色素はどうやらここにルーツがあった模様。目に見えない微小な甲殻類と言っていたが、それは生物学的にはプランクトンとどう異なるのかは生物が専門ではない私にはよく分からないところである。

 

 

アルゼンチンの捕鯨

 捕鯨の話が番組中に出てきましたが、アルゼンチンでも捕鯨は行われていたようですが、アメリカと同様に鯨油が目的で肉はほとんど食用にしなかったので、石油の普及によって鯨油の必要性がなくなり、1960年頃には捕鯨は事実上中止されたのだとか。その後は保護に転じて今ではホエールウォッチングで観光収入を得ていたりするそうな。この辺り、鯨を食べるという文化のない国は簡単に捕鯨を捨てられるんだな。なお鯨を絶滅寸前に追い込んだの彼ら鯨油派であり、機械的に大量に効率的に捕鯨をしていたので、世界中の鯨を一気に減少させることになった。沿岸捕鯨でクジラ一頭を残さず利用していた日本とは全く文化が異なるので、自分たちの価値観を一方的に振りかざして批判されると、日本人としてはどうしても納得できないところでもある。ましてや「聖書に食べて良い動物として書かれていない」とか言い出されると、完全に宗教紛争になってしまうし。とにかくこの問題、感情同士の衝突になるとどうしようもない。