
今回のポイント
・紫をテーマにしたオムニバス。
・紫はスペクトルでは一番短波長域に存在する。なお青紫はスペクトル中に存在するが、赤紫はスペクトル中に存在せず、赤と青が混ざることで脳内で作り出された色である。
・化粧品メーカーの研究者が、肌に刺激の少ない無機顔料による鮮やかな紫の色を作るべく恩師の鳥取大学の増井敏行教授に相談、増井教授はコバルトをベースに添加物の種類と量を変更して1000種もの試行錯誤を重ねて、輝石構造を持つ鮮やかな赤紫色の顔料を作ることに成功した。
・地球外生命探査の方法として、紅色細菌(英語名はパープルバクテリアで紫細菌)が注目されている。シアノバクテリアよりも先に極限環境で生存してきた細菌である。
・可視光を使って水から酸素を作りだすシアノバクテリアと違い、パープルバクテリアは可視光から近赤外光まで利用して硫化水素から硫黄を作り出す。
・エネルギーの低い近赤外光で光合成をするために、パープルバクテリアはLH1とLH2という二重リングのタンパク質を利用していることが判明した。
・宇宙に多数ある赤色矮星の近くの惑星でもパープルバクテリアは生息できるので、地球外生命の鍵として注目されている。
・また紫米は白米よりも宇宙環境下の宇宙線にも強い植物として注目されている。
・紫は古代において高貴な色とされたが、ムラサキという植物の根から取れる染料が使用されていた。根から取れるシコニンにツバキの灰に含まれるアルミニウムイオンを加えると紫色になる。
・しかしこのムラサキが外来種セイヨウムラサキとの交雑によって絶滅の危機に瀕しているという。
・京都大学の矢崎一史特任教授は、全国のムラサキの在来種を採取し、そのDNAを解析して外来種との交雑を判別出来るようにした。
・在来種のムラサキは大量にシコニンを作るのが特徴だが、矢崎特任教授はそのメカニズムの解明を行っており、その全容解明に迫っている。
赤紫は存在しない
冒頭、赤紫という色はスペクトル的には存在しないという話は、確かにスペクトルは末端が赤と紫であることを考えたらその通りだなと改めて納得した。そもそも人の色覚はスペクトルを分析しているわけでなく、3種の色覚細胞(錐体細胞)がそれぞれ特定の波長を検知しており、その混ざり具合で色を作り上げているんだと考えたら当然で、光の三原色と言われるのがまさにその波長である。ということは、色覚が違う生物は当然人間と違う色を見ているはずなんだよな。またもしかしたら、人間同士でも見えている色は違うかもと妄想してしまう。
赤紫の無機顔料を作る話があったが、確かに無機物の色目って、ちょっとした不純物や焼成条件とかでも変わるから色を目的に作るのは大変だと思うわ。触媒なんかもちょっとした色目の違いで性能が変わったりすることは良くあることで。
宇宙に存在する紫のバクテリア
でパープルバクテリアの話。シアノバクテリアはよく考古学的な文脈で聞くことが多いが、パープルバクテリアは初めて聞いた。要はシアノバクテリアなんかよりもより過酷な環境で生存できるから、宇宙ではこいつらの方が見つかる可能性が高いのではという話か。ただ以前から気になっているのは、生物を語る時に地球型の発生進化するってのが常に大前提になっていることなんだよな。地球とは全く別ルートの、それでいて生命と呼ばざるを得ない存在ってのが出る可能性はないのかなと妄想することが多い。例えば金属ベースの金属生命体とか。もっともそんな存在がいたとしたら、人類とは接触しても互いに認識できない気もするが。
最後はムラサキの話とまあ例によってこの色彩シリーズは内容が散漫でまとまりのない回でした。正直なところ小ネタ集なので、印象は薄いんだよな。やはり何かもっと一貫したテーマの時の方がこの番組は内容が濃い。
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