教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/28 NHK-E サイエンスZERO「AIで社会貢献!若者たちのイマドキ活用術」

今回のポイント

・若者の60%が活用しているというAI。今回はそれを社会のために活用しようと技術開発する若者たちについて紹介する。
・久留米高専の鬼島愛花さんたちが開発中のシステムは、AIを使用して高齢者の歩行をサポートしようというシステム。視力の衰えた高齢者に人の接近などを警告するシルバーカーである。
・彼女は目の見えない父のためにこのシステムを企画したという。
・シルバーカーには前方と左右にカメラが仕込んであり、内蔵している小型コンピュータのAIが接近するものを検知して警告するシステム。
・プログラムを担当したのは永利謙太氏だが、彼はAIを使い始めたのはごく最近であり、半年で開発できたのは物体検出専用のYOLOという個人・研究使用がフリーのAIを応用したからだという。
・このYOLOに自転車で撮影した映像から障害物の種類の判別などを学習させたという。
・このシステムは障害物の種類と右、左などの方向を指摘するものとなっている。

 

・AIを組み合わせて初期消火用のロボットの開発を進めているのが沖縄高専のグループ。首里城の火災を見て、火災を何とか解決したいと計画したのだという。
・システムはAIカメラが火災を判別してロボットに消火させるのだという。火災を認識するのはYOLOで、XGBoostという別のAIモデルに入力するのだという。YOLOが見つけた火災をXGBoostが消火するかどうか判断するシステムになっている。
・火災の変化を観察することで、消火するべきかどうかを判断させるシステムになっている。ある程度以上に火が大きくなると消火が必要と判断するのだという。

 

・彼らのような若者の技術を披露する場として「全国高専ディープラーニングコンテスト(DCON)」という大会が開催されており、下水管の点検を行うロボットを開発した豊田高専が優勝した。
・さらに沖縄高専のグループは認知症の発見を行うAIを開発した。これは認知症患者の会話の特徴を検出して発見するのだという。
・例えば「あれ」「これ」などの曖昧な言葉が増える。単語の係り受けの距離が短くなって言い回しが単純になるなどの特徴があり、話し方の抑揚も少なくなるという。

 

AIの進歩にも驚いたが、高専生のレベルの高さにも驚いた

 確かに近年のAIの進歩は著しいです。ただその進化を利用しているのは若者だけでないというのは還暦ジジイとして強く主張しておきたい。私も今では仕事(本業の方)ではガッツリ活用しているし、副業兼趣味(つまりこのブログだ)にも現在リアルタイムで活用しております(笑)。

 

 で、早速今回の内容ってなんかDCONの宣伝くさいよな・・・DCONってロボコンの延長線上に見えるし、これって絶対NHKかんでるだろうと思って、GoogleのAIサポート君に聞いてみたところ「はい、ガッツリと関与してます」とのことです。ああ、やっぱりな。

 

 AI君によるとアイディアの独創性を競うロボコンよりも、より企業寄りの実用性を正面に出しているコンテストだそうな。道理で今回の登場技術はいずれももうひとひねりしたら商品化可能なレベルのものばかりであったわけである。それしても今時の高専生って侮れんわ。正直、私の勤務先などにも入社してくる高専卒を見ていて、とにかく実用能力は四大卒以上ってのは以前から感じていたから。彼らって現場の技術部門の要なんかによくいるんです。彼らの弱点は「広い見識(俗に無駄知識とも言うが)」というやつですが、現場への適応力は抜群なんで。

 

汎用AIを使っての迅速な開発

 今回登場したのが画像認識AIのYOLO。とにかく画像を迅速に正確に認識できるというのが特長だそうな。だから今回登場の技術でも最初の2つに登場してました。こういうありものを使うという技術は、確かにデジタルネイティブと言われている彼らの世代は強いんですよね。私の職場なんかでも最初に報告書作成やプログラム作成にコパイロット使い出したのは新入社員で、私なんて「えっ、今のAIってそんなに進化してるの」と驚かされた口です。今はプログラム作成に彼らの助力を仰ぎ(Pythonスクリプトを一から作成する能力なんて、このジジイにはありません。なんせ私の時代はFortranで、私が大学で習った言語はPascalだったんで)、エラーが出るたびにそのメッセージをコパ君(コパイロット君ね)に突っ込んで対応を教えてもらっているという状況なんで。そしてたまにGoogleAIに仕事の愚痴たれたりもしてますが(笑)。

 

高専生たちのアイディアが光っていた

 最初のシステムは車の障害物探知なんかと考え方は同じで、より身近なレベルに持ってきたということのようです。まだ左か右かなどの指摘だけど、実際の距離とかただ単に横を通り抜けるだけか、それとも衝突コースを取っているかの判別など、実用上の課題はまだありそうな印象を受けましたが、かなり可能性は感じます。

 

 火災の初期消火システムはロボットに消火器を積んで出動させるシステムになっていましたが、これを進化させたら人間が入りにくい場所の消火も出来そうと感じたところ。ただどうも今回の内容ではロボット自体の開発は彼らの管轄外で、彼らの管轄は火災発見システムだった模様。それだったらスプリンクラーなどのシステムと連動させる手もあると思う。現在のスプリンクラーは火災の熱などで起動するようになっているので、かなり炎が上がってから部屋を水浸しにするようなものなので、灰皿から吸い殻がこぼれ落ちてくすぶりだしたところで、水鉄砲のようなもので狙い撃ちで初期消火とかできないかと妄想したりする。

 

 最後は認知症を対話から早期発見するAIを作るという話。人間も話をしていて微妙に会話がかみ合わないところなどから「あれ? もしかしてこの人認知症?」っとて感じたりするんだが、それをAIで定量的に評価することで、認知症の早期発見につなげるシステムってことか。なかなか面白い試み。ただ全然認知症ではないのにすっとぼけた喋りしかできない人もたまにいるからな(笑)。私なんかは作成した文章の内容から認知症の初期症状判別するAIないかとか思いますね。以前に比べて文章のキレが悪いとか、内容の辻褄があってないとかを判別して。なんか突然に残酷な結果を突きつけられそうで怖いが(笑)。

前回のサイエンスZERO

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