教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/11 NHK あしたが変わるトリセツショー「沈黙の臓器の悲鳴を聞く方法 一生ものの肝臓ケア」

沈黙の臓器の声を聞け

 今回のテーマは沈黙の臓器とも言われている肝臓。問題が発生してもなかなかなに症状が出にくいから「沈黙の」臓器なんだが、それだけに症状が出る頃には肝硬変や肝がんになっているなんて事例も。そこで早期に肝臓のトラブルを防ぐポイントを紹介する。

肝臓が悲鳴を上げているかも

 まず最近になって、血液検査におけるALTについて、30を超えたら医者にかかるべきという奈良宣言という警告が肝臓学会で出されたという。今までは30~50では要注意で50を超えたら医療を受けろとされていたのだが、実はもっと低い状態でトラブルが発生しているというように見直されたのだという。

 

 

脂肪肝の脅威

 番組ではALTが30~50の18人に肝臓のエコー検査を受けてもらったところ、13人から脂肪肝が見つかったという。脂肪肝とは肝臓に脂肪が溜まる症状だが、特別な症状がないために放置してしまう人が多いという。しかし放置によって症状が悪化、そのまま肝硬変などにつながる事例が実に多いという。だから早期発見のための基準が奈良宣言だという。

 肝臓は体内の化学工場と言われるぐらい、毒素の分解や消化を助けるなど様々な機能を果たしている。そんな肝臓の機能の1つが脂肪を蓄えることだという。しかしそれが祟って脂肪が溜まりすぎることで死滅する肝細胞が発生する。すると細胞が破裂することで、肝細胞中のALTが血液中に出てくるのだという。それでこれを放置すると肝臓が形を保つために繊維化し、それが肝硬変につながる。ここまで来てしまうと元に戻すのは困難であるという。

 なお脂肪肝の診断を受ける人は増加している。現代人は脂肪肝になりやすいのだという。番組ではここで魚の肝臓を長年研究してきたという人物が登場するのだが、魚にも脂肪肝の魚がいるのだという(アンコウなどが典型的)。ヒラメやカレイなど泳ぎ回らない魚は脂肪肝が多いという。これは飢餓に対応するためのもので、実は人間もそれを引いているのだという。これは食糧が安定していない時代には生存に不可欠だったのだが、飽食の時代になるとこれが祟って脂肪肝になるのだという。なお急なダイエットも危険だという。身体が飢餓状態と判断して肝臓に脂肪を積極的に蓄積するのだという。だから体重は減るが脂肪肝になったという例があるとか。

 

 

やはり対策は運動と食事、ただし無理は禁物

 さて解消法だが、やはり食事と運動。しかしこれはなかなか続かないというのが一番の問題である。そこで続けられる方法を紹介。肝臓は太りやすいが同時に痩せやすいので、一生続けられる方法というのがポイント。ここで紹介される運動療法はちょっとキツいけどギリギリ続けられるというレベルのもの。肝臓ケアに有効な40種類の運動から選択するのだとか。食事療法も「無理しすぎない」がポイント。生活スタイルに合わせて出来そうな改善をしていくのだとか。そして定期的に検診でそれが正しいかを調べるのだという。極端な食事制限は筋肉が落ちてしまうので逆効果とのこと。


 以上、肝臓について。ちなみに30以上は脂肪肝などの肝機能障害の可能性がとのことだが、私って初めて血液検査した時からALTが30以下になっていた時なんて記憶にないです。良かった時でも50前後、悪い時には60以上という状態なんで。確か高校生の時に受けた血液検査で既に脂肪肝を言われていたので、かれこれ40年越しの脂肪肝です。

 というわけで、現在食事療法中ではあるのですが、運動療法と組み合わせると言ってもなかなか運動習慣がないので。その辺り少し調べてみるか。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・肝臓学会のなら宣言で、ALT30以上は医師の診断を受けるべきであると警告された。
・ALTは肝細胞内にある成分であり、これが血液中に出ているのは、脂肪肝で死んだ肝細胞が破壊されているからだという。
・この状態が悪化すると、肝臓の形を保つために繊維化してしまい、肝硬変につながる。そこからは肝がんになりやすい。
・肝臓が脂肪を蓄えるのは、長年の進化の過程で飢餓に対応するためだったが、飽食の現在はそれが徒になっている。
・解消には運動療法と食事療法。しかし無理にやると続かないので、少しキツいが続けられるレベルで無理をしないというのがポイント。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・私の場合はとにかく運動がネックになります。どうしても運動って時間が必要なので、毎日決まってその時間を取ると言うことが困難で。何か生活習慣の中に組み込めれば良いのですが。

前回のトリセツショー

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