善玉コレステロールと悪玉コレステロール
コレステロールには善玉と悪玉があるという話は結構良く知られているところだが、一般的に悪玉と言われているのがLDLコレステロールである。基準としてはLDLが119以下、善玉と言われるHDLが40以上だと正常とされる。しかし近年になってこの悪玉の中でさらに超悪玉が存在し、コレステロールが正常値でも発病する可能性があることが分かってきたのだという。
まずは血管内視鏡を使って心臓の冠動脈の血管内のコレステロールの観察から。するとコレステロールが沈着した血管壁は黄色っぽくなっている。これはコレステロールが血管の壁の中に溜まって血管を細くして、ついには閉塞させてしまうのだという。こうなると心筋梗塞が発生することになる。
ここで先ほどの悪玉と善玉だが、悪玉コレステロールはコレステロールを運搬するのが役割なのだが、余ったコレステロールを血管の壁の中に蓄えてしまうのだという。そしてそれを掃除するのが善玉コレステロールである。LDLが高い人は食生活で動物性脂肪の摂取が多いとのことで、さらに善玉を増やすには運動をするのが一番良いという。なお一番恐いことは血管は半分詰まっている状態でも自覚症状はないのだという。
超悪玉の恐怖と対策
さてここで登場するのが超悪玉コレステロールである。血液検査で正常だった人でも、これのせいで動脈硬化が進行していたという例があるという。この超悪玉コレステロールは心疾患になる可能性が3倍、さらに年齢と共にリスクは増大するという。しかし現在のところ普通の健康診断ではこの超悪玉の検査はされていない。そこでどうするかである。
超悪玉コレステロールの正体は小型の悪玉コレステロールなんだという。小さい分、血管の壁に侵入しやすいのだという。この超悪玉が生成するメカニズムだが、悪玉コレステロールが中性脂肪とぶつかって一部を交換した後に肝臓で脂肪が分解された時に、残ったコレステロールが超悪玉なのだという。だから中性脂肪値が高いと超悪玉が多い可能性があるのだという。メタボの人は悪玉が超悪玉になりやすいのだという。
で、改善の方法であるが、極めて王道の「健康的な食生活に適度な運動」である。ただこれだけだとあまりにまんまなので、番組ではアマニ油を勧めている。アマニ油に含まれるオメガ3脂肪酸は青魚などにも含まれている成分で脂肪の燃焼作用をアップさせるとされている。ただ青魚でこれを摂るには生のアジを毎日3匹とむりがあるので、アマニ油の登場。これだとスプーン1杯で良いらしい。なおアマニ油を摂るのは朝が最適であるという。
アマニ油の取り方としては「ただかけるだけ」で良いという。味噌汁なと納豆なとヨーグルトなと何でもOK。アマニ油を加えても特に味が変わるということはないとか。さらにローストアマニを使用したアマニトーストなるメニューも紹介。これだと食物繊維も摂れるとのこと。なおアマニ油は酸化しやすいので加熱はしないことと、摂りすぎないこと(摂りすぎたら逆にコレステロールが増加する)。
以上、コレステロールについての内容。ちなみに私は血糖値の方は滅茶苦茶ですが、コレステロールの方は昔からずっと超正常値で、中性脂肪の数値も問題なし。恐らくこれでコレステロールまで高かったら、とっくの昔に棺桶入りしているだろう。
それにしても悪玉コレステロールまでは聞いたことがあったが、超悪玉まで登場とは驚き。LDLが悪玉である所以はその小ささにあると聞いていたが、それよりもさらに小さいわけだからより悪玉ってことか。今まで中性脂肪値は動脈硬化と相関すると言われていたが、その具体的メカニズムの一端が明らかになったということになりそうである。
忙しい方のための今回の要点
・コレステロールには血管壁にコレステロールを蓄積する悪玉コレステロールことLDLとコレステロールを清掃する善玉コレステロールことHDLがある。
・近年になってこの悪玉の中にさらに凶悪な超悪玉コレステロールが存在し、これが心疾患の可能性を3倍にすることが分かってきた。
・悪玉に影響するのは中性脂肪。LDLが中性脂肪と衝突してコレステロールの一部を脂肪と変換し、その脂肪が肝臓で除去されると残ったコレステロールが通常のLDLよりもさらに小さい超悪玉になる。これは小さいが故に血管壁に蓄積しやすい。
・現状の血液検査では超悪玉の直接検査はないが、中性脂肪値が高いと超悪玉が多いと推測できる。
・超悪玉を解消するには健康的な食生活と適度な運動。なお番組ではオメガ3脂肪酸を大量に含むアマニ油を推奨。これを朝にスプーン1杯摂るのが良いという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・なんか次々と健康に良いというものが出てきますが、とりあえず何でもかんでも「過ぎたるは及ばざるが如し」なので、アマニ油にしても摂取は適量を守るのが大事ってことです。まあ参考にするのは結構ですが、くれぐれも踊らされすぎないように。
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