教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

10/20 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「寝付きが悪い 夜中に目が覚める 最新研究で改善!睡眠のお悩み」

睡眠の質を高めるために

 睡眠の悩みを抱える人は多い。キチンとした質の良い睡眠を取れないと、昼間のパフォーマンスの低下だけでなく、心臓病や脳卒中のリスクが2.1倍になるとか、70代以上の男性の場合はアルツハイマー型認知症のリスクが2.9倍になるという報告もある。近年、睡眠に関わる脳内物質であるオレキシンの発見で睡眠科学の発展があったという。今回は最新の睡眠科学の結果について紹介。

睡眠に悩む人が増えている

 睡眠の役割であるが、記憶の定着やら認知症の原因物質であるアミロイドβの除去、さらには免疫系を整えるなどがあるという。厚労省が推奨する睡眠時間は6時間以上だが、40代~60代の半数はそれ未満だという(私もそうである)。

 

 

就寝前のポイント

 番組では例によって睡眠の悩みがあるという被験者2人が登場する。睡眠中の脳波を測定したところ、寝付きが悪いという50代の女性の場合、確かに最初の2時間が寝付けていない。そこで睡眠の様子を観察したら、スマホが気になるのか途中でしょっちゅうスマホをチェックしている。これが明らかに寝れない原因。スマホの明かりが体内時計を狂わせるし、情報などが入ってくると覚醒物質であるオレキシンが視床下部から分泌されてしまうのだという。オレキシンは感情の高ぶりなどでも分泌されるのだという。なおスマホを見たい時は明るさを落とす。基本的には寝室ではスマホは使わずにリビングなどで使うなどがポイントだという。

寝床でのスマホはやはり良くない

 また部屋の明るさも要注意。寝付きが良くなる部屋の明るさは、やっと本が読める程度の100~200ルクスだという。これを就寝2~3時間前にするのだとか。これは間接照明などのかなり薄暗い状態(睡眠直前までPC作業やっている私には到底無理だな)。またLEDなどの青色光は覚醒効果が高いので暖色系の照明にするなどもあるという。

 

 

室温の重要性と昼間のNG行動

 次の50代の男性は最初にレム睡眠が非常に長い。どうもこの時に悪夢にうなされているらしい。またノンレム睡眠も全体的に浅いという問題があった。その原因であるが、寝室が暑すぎることにあるという。彼はエアコンが苦手とのことで夜は扇風機なのだが、室温が28度にもなってしまっていて、脳の温度が下がらないので寝られないのだという。グッスリ眠るためには室温は23~25度ぐらいが良いと言う。これは特段の放熱などがなくても体温を保てる温度だという。また靴下を履いて寝ると、足の末梢血管からの体温の放出が出来ないので寝にくくなるという(私は靴下なんて履いたら、足がムズムズして寝られない)。

 また日中の行動も重要。先ほどの女性の場合、1時間もの昼寝を取っており、これが寝付きの悪さの原因だという。昼寝は寝不足の場合に限り、20分までに抑えるべきことのこと(でないと深い眠りに入ってしまう)。男性の方は夕方にコーヒーを摂っているがこれが良くない。カフェインは3~7時間でも半分は残るという。だから午後6時以降のコーヒーは控えるべきとのこと。また昼にしっかりと活動するというのが重要である。軽い運動が一番良いという。

夜のコーヒーは実は睡眠には良くない

 

 

 以上、睡眠について・・・とのことだが、最新科学に基づいてと言っている割には常識レベルだったな。もっともそれは私が睡眠に関するネタをいろいろな番組で既に見ているからかもしれないが。

 私の場合は夜中の就寝直前までPC作業をしている(今もこの原稿を書いていたりしている)のが一番の問題で、そのせいで寝床に行ってもどうも寝る気にならずにスマホチェックとかをしてしまうので、寝付く時間が必然的に遅くなるというのが問題。実際は眠気を感じたら大抵はすぐに寝付くんだが(寝落ちすることもしばしば)、その眠気がなかなかこないというところがある。タイパ重視の倍速再生というのは実は私は随分昔(20年以上前)からの習慣で、そのせいで脳がバースト状態になっているので、それを沈静化するのに時間がかかる模様。倍速再生は認知症リスクにつながるなんていう説もあるが、確かに脳に疲労は溜まるようではある。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・睡眠の質が悪いと、心臓病や脳卒中、さらに認知症のリスクが高まる。
・睡眠前にスマホをいじると、光刺激によって覚醒物質のオレキシンが分泌されるので寝付きが悪くなる。
・また睡眠の2~3時間前から部屋の明かりを100~200ルクスぐらいまで落とした方が良い。
・寝室の室温も大切。23~25度ぐらいが最適。それ以上高いと脳の温度が下げられないために眠りの質が悪くなる。また靴下は足からの体温の放出を妨げるので良くない。
・20分以上の昼寝は余計にダルくなったり、夜の寝付きを悪くするので要注意。またカフェインは3~7時間経っても半分が残るので、夜の6時以降は摂取しない方が良い。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・睡眠の悩みを抱える人は多いですが、そもそも日本人は圧倒的に睡眠不足というのが実態です。やはり睡眠を妨げる刺激的要素が世の中に多すぎるのでしょうか。
・今回は大人の睡眠障害ばかりでしたが、私は子供の睡眠不足はもっと決定的なダメージを与えるような気がします。それでもなくても最近はメンタル不安定な子供が増えているのは、睡眠不足による脳の発達障害が一因というのが私の仮説。

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