教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/13 BSジャパン 新美の巨人たち「又吉直樹が直島へ!モネの『睡蓮の池』と出会うアート旅」

 今回からリニューアルということだが・・・。とりあえず内容は又吉直樹が直島へモネの睡蓮の絵を見に行くというもの。

 番組の内容としては、モネはパレットで色を混ぜずにキャンパス上に原色を重ねる方法をとったとか、自分の屋敷に睡蓮の池を作ったとか、正直なところ常識レベルの話ばかり。

 後は又吉が睡蓮の絵を見てウダウダと素人コメントを垂れ流すだけでした。正直、改変と言うよりはもろに改悪。棒読みで投げやりな印象のナレーションも不快だし、何よりも番組の中身がなさ過ぎ。先週に予告を見た時に嫌な予感はしていたが、その予感のさらに下を回るひどい内容。次回も同じような構成で行くようだし、この調子だと私も早晩脱落するかも。ハッキリ言って、要約するような内容さえなかったから。

 それにしてもどんな番組を作りたかったのかが謎。タレントが旅行がてらに美術館を訪れて「わぁ、すごい」と言う番組なんて掃いて捨てるぐらいあるし・・・。この番組の一番面白いところは、有名な絵画に潜むエピソードの紹介とか、意外な観点から作品を見る(時には解釈が強引にすぎると感じることもありましたが)ところなんかだったんだが、タレントの素人コメント中心で行くんなら、通り一遍の見方しか出来ないし、視聴者として何も学ぶべきものもなければ刺激を受けるものもない。それなら何もコメントなしで作品をひたすらに放送時間いっぱい流し続けるだけの方が余程マシ。

 正直なところ、最近はどこの番組も作り手のレベルが著しく低下していると感じているが、もしかして世代交代とかでまともな美術番組を作れるスタッフがいなくなったとか? この作りで新たな視聴者がつくと思えないが、今までの視聴者は確実に逃げると言うことは断言できる。

 以前にナレーションに蒼井優が起用された時に、かすれ声が聞き取りにくいとか、滑舌が悪いとかかなり批判があったが、今回のはその次元でない。番組そのものが値打ちがなくなってしまったという深刻な事態。これは致命的。