今回のテーマは東京神田のロシア正教の教会「東京復活大聖堂」。通称「ニコライ堂」。ビザンティン様式の教会建築である。この建物を建築するに当たっては二人の外国人の思いが籠もっているのだとか。
一人は聖ニコライ。幕末に日本に渡ってきた彼は、明治の激動の中で日本にロシア正教の教会を作ろうと考え、方々から寄付を集めお茶の水の高台を購入し、建設費24万円(現在の貨幣価値で17億円)で7年かけて壮麗な教会を建設する。ニコライはそのまま来日から51年後に日本で生涯を終えている。
そしてもう一人が実際にこの教会を建築したジョサイア・コンドル。政府のお抱え建築家だった彼は、辰野金吾ら蒼々たる建築家を育成した。彼は原案の設計案をより日本の風景に溶け込むようなより穏やかなデザインに変更したという。ロシア教会の典型的なデザインは葱坊主型のドームが5つ並ぶデザイン(クレムリンみたいなイメージ)だからこれが東京に建ったらさぞかし違和感があったろう。
このコンドルの配慮は、彼が日本文化に対して敬意を持っていたからだという。彼は政府のお抱え建築家の任期を終えても民間の建築家として日本に残留した。その時に建築した古川邸では、洋風建築の洋風のドアを開けたらその向こうに襖があり、その先には畳敷きの座敷があるなんて建築もデザインしている。また彼は河鍋暁斎に弟子入りし、暁英の雅号を得たことでも知られている。
ニコライ堂は今では日本の風景に溶け込み、毎週日曜日になるとその鐘が鳴らされて町に音色が響く。二人の外国人の思いを乗せて・・・。
てな内容ですが、ハッキリ言って第2回にして番組の作りを昔の形態に戻してきました。今回の作りはモデュロール兄弟や絵画警察なんかのおふざけのないいわゆる「地味回」の作りそのままです。前回の内容があまりにひどかったことを作り手側も感じていたのか、それとも製作した会社が全く違うのか。それは分かりませんが。
ただこうなったら際立つのが「貫地谷しほりいらない」ということ(笑)。別に彼女が悪いというわけではありませんが、「わぁ」「すごい」「綺麗」の素人コメントだけでは番組を膨らませようもありません。この作りだったらゲストは不要です。ギャラの無駄。
それとさらに際立つのが「ナレーションの劣化っぷり」。どうも今度のナレーションは棒読みの上に投げやりな印象で好きになれません。私なんか番組を見ていたら、頭の中で小林薫のナレーションに自動変換されていた(笑)。声の抑揚からテンポの設定まで小林薫のナレーションが身に染みついてしまっている。ある意味恐ろしい(笑)。
結局この番組は何をやりたいのかがよく分からない。何か迷走してるな・・・。
忙しい方のための今回の要点
・日本へロシア正教を布教するためにニコライ堂を建設した聖ニコライは、そのまま日本で骨を埋めた。
・ニコライ堂の設計を行ったジョサイア・コンドルは、日本の風景に合致するようにデザインを変更している。
・ジョサイア・コンドルは日本文化に敬意を抱いており、河鍋暁斎へ弟子入りまでしている。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・貫地谷しほりの極端な厚化粧は一体どうしたのでしょうか?
・洋風の扉のすぐ奥に襖で畳敷きとなると、靴は一体どこで脱ぐのでしょうか・・・。