教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

4/21 TBS系 世界遺産「巨大カルデラ!スペインの火山島」

 スペインのカナリア諸島のテネリフェ島は巨大カルデラのある火山島である。ここには現在、スペイン最高峰の3700メートルの成層火山であるテイデ山があるが、そもそもは5000メートル級の山があったのが火山活動で陥没してカルデラが出来たという。その火山の陥没は3回起こっているのでカルデラは横長になっている。

 そのカルデラの中にはテイデ山を始めとして多くの火山が存在する。驚くのは島の町の中の丘のようなものも火山であるということ。この島にそんなにたくさんの火山があるのはプレートの動きが関係しているという。この島の下にマグマの溜まったホットスポットがあるが、この島が乗っているプレートの動きはゆっくりしているため、長期にわたってホットスポットの影響を受けたのだという。

 カルデラの外輪山は2000メートル級の高さがあるために、この島に独特の生態系を与える。カルデラの北側は貿易風によって運ばれた海からの湿気によって雲海が発生するが、この雲海は外輪山を越えることが出来ないため、カルデラの北側は湿気を帯びた気候で、カルデラ内は乾燥気候になる。そのためにカルデラの中では乾燥に強い植物が進化した独自の植物系が発生している。そしてこの島の住民は、この北側の水が地中に染みた地下水を長大な水路で集めて使用している。これは非常に上質なミネラルウォーターなのだとか。

 また島にはもう一つ、年に数回恵みの風が吹くという。南東からの風がサハラの砂を運んでくる。これはこの島の植物にとっては貴重なミネラル源となっているとのこと。

 さらにカルデラ内は雨が少ないために色とりどりの様々な火山岩が劣化をせずに存在している。この島ではこの岩石を使った砂絵が制作されており、祭などで賑わうのだとか。

 カルデラと言えば阿蘇山が世界最大ですが、ここのカルデラほどの多様性はありませんね。黄色い火山岩は硫黄だとすぐ分かりますが、緑色や紫色のものまであるとはなかなか驚き。これらの岩だけで砂絵だけでなく、日本画も描けそうです。

忙しい方のための今回の要点

・スペインのテネリフェ島は巨大カルデラの巨大カルデラの島である。
・カルデラ内は乾燥するために独自の植物が進化している。
・カルデラ内には色とりどりの火山岩が存在し、それを使用した砂絵が近くの町で制作されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・水は地下水で確保するとして、この島では農業等は行われているのでしょうか? どう考えても火山岩の島は農業には向かないと思いますが。
・祭の時に市役所前の広場に巨大な砂絵が描かれていると言っていましたが、それはつまり祭が終わるとその砂絵は消してしまうということ? 何か勿体ない。