教養ドキュメントファンクラブ

テレビの教養系番組の感想など。かつてのニフティでのHPを新装開店

7/7 NHKスペシャル「恐竜超世界 第1集 「見えてきた!ホントの恐竜」」

 今回のシリーズ、最新の恐竜研究のデータに基づいて恐竜の世界を紹介するという内容なんだが、どうも普通のNスペとは若干毛色が違う。

謎の恐竜デイノケイルス

 まずは最初に紹介するのは最初に腕の化石だけが発見された恐竜。この腕の化石は長さ2メートルと非常に大きいのが特徴であり、ティラノザウルスなどの肉食恐竜の仲間と考えられた。しかしこの腕の長さをティラノザウルスと比較すると大きすぎ、体のバランスから考えると全長30メートルという化け物になってしまう。そのために謎の恐竜と言うことで、恐ろしい手を意味する「デイノケイルス」と命名された

 この度、そのデイノケイルスの全身の標本が揃い、それを組み立てることになったようであるが、そこから復元された姿は非常に奇妙なものであった。全長は11メートルと言うことで、体から考えると手がやはり非常に大きい。さらに背中には帆があり、肉食恐竜の仲間でありながら歯がないということが分かったという。やはり非常に奇妙な恐竜であった。

羽毛恐竜の生活

 ここから復元CGドラマになるのだが、いきなりチョコボの群れ(にしか見えない)が現れるという謎ドラマ。登場するデイノケイルスは羽毛に覆われている。恐竜は羽毛に覆われていたというのが最近の研究のトレンドだが、かつては小型恐竜だけと思われていた羽毛が、現在ではかなり大型の恐竜でも生えていたということが分かってきたという。羽毛が生えているということは鳥の先祖であり恒温動物。ということはかなり動きも俊敏であるというわけである。

 で、ドラマは肉食恐竜に襲われて家族を失ったデイノケイルスの子供ニコが、どうやって生きていくかというドラマになる。「ファインディング・ニコ?」ディズニーかい!

 デイノケイルスの体内からはかなり大量の石が発見されており、これは意図的に飲み込まれたものであることも分かっているという。これは胃石と言い、植物などをすりつぶして消化を助けるもの。このことからデイノケイルスは雑食性であったと考えられるとのこと。ニコも最初に食べたのは木の葉っぱ。そしてその次には湖に向かったニコは、長い腕を使って熊が鮭を捕まえるかのごとく、魚を弾き飛ばして捕らえる。

抱卵をする羽毛恐竜

 羽毛を持ったことはさらに大きな進化につながった。恐竜が抱卵していたのだという。昔は抱卵するのは小型の恐竜だけで、大型の恐竜では卵を押しつぶしてしまうので無理だと考えられていたのだが、円形に卵が並んだ化石なども見つかったという。周囲にグルリと卵を並べることで、踏みつけずに順番に抱卵できるという次第。成長してオスに出会ったニコも産卵して抱卵する。ここで抱卵中に小型肉食恐竜に襲撃されて、卵が1つ食べられるというドラマ付き。だからディズニー映画かっちゅうねん!

 デイノケイルスの抱卵は90日にも及ぶが、無事にニコの子供たちも生まれる。こうしてひとりぼっちのニコがお母さんになりましたという感動のドラマです。

 恐竜が羽毛を持ったことによって、極地でも生活することが出来たという。そしてここで2本目のドラマが。

知的恐竜トロオドン

 次のドラマの主人公は、極北の地で暮らすトロオドンという小型羽毛恐竜のホワイト。このトロオドンという恐竜は脳の容積が大きく、知能が高かったということが推測されているという。最近の研究では鳥は脳の神経の密度が哺乳類よりも大きく、かなり知能が高いということが分かってきたとか。こりゃクジラどころの話じゃない、フライドチキンを食べたらダメだとアメリカに抗議しないといけないな・・・。まあ実際に、烏なんかあり得ないほど頭が良いですから。

 このトロオドンのホワイトの生活はまず餌を探すところから。ホワイトは朽ちた樹を見つけると皮をはがす、すると中から虫が。これをパクッとやるから食べるのかと思うとさにあらず、これを川まで持っていくと水面にポイッ。そしてこれを取りにやってきた魚をパクッ。つまり賢いホワイトは釣りをするわけである。

 さらに秋の内に埋めていた木の実を掘りだして非常食にしたり、肉食恐竜に追われて逃げる時にはわざと凍った湖の上を逃げて、大きな肉食恐竜は氷が割れてドボンというトラップ。知恵と勇気で生き延びる話である。

 そしてこのホワイトにも子供たちが生まれる。その子供たちにホワイトが生きていくために教えるのが釣りの技である。

 ラストは子供と共に暮らしているニコが肉食恐竜に襲われる。子供たちを守るために必死で戦うニコ。長い手と爪を使って名古屋場所よろしく張り手や浴びせ倒しで大激闘、何とか肉食恐竜を撃退するが、その直後に傷ついて力尽きたニコは静かに倒れてそのまま息を引き取るというエンディング・・・いやー、実に感動的なディズニー映画でした。

 

 恐竜の姿を生き生きと伝えるという主旨は分かるが、やっぱりディズニーの最新映画にしか見えなかった。正直なところ、クサい演出が鼻につく場面がいくらか。まあネタが恐竜だけにお子様向けも意識してるんだろうが、そうなると途中で解説に出てくるオッサン研究者たちが浮いてしまう。正直なところ、どっちかに絞った方がまとまりが良い気が。

 

忙しい方のための今回の要点

・最新の研究ではかなり大型の恐竜にも羽毛があったことが分かってきており、恐竜は活発に動く恒温動物であったと考えられる。
・長い手を持つデイノケイルスは肉食恐竜から進化したが、雑食性であった。
・羽毛恐竜は鳥のように抱卵することが分かってきた。
・羽毛恐竜のトロオドンはかなり知能が高いと推測される。

 

忙しくない方のためのどうでも良い点

・それにしてもCGの技術ってあがりましたね。最近は一見しただけだと実写と区別が付かないレベルのまで登場してます。昔よくあった動きの不自然さなんかも解消されてるし。
・今回のCGアニメ、かなり本格的ですね。宮崎吾朗の「ローニャ」なんてどうしようもないもの流すんなら、こっちの方がよっぽどアニメしてます。