教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

9/22 TBS系 世界遺産「標高2200mへ!アルプスの氷河鉄道」

 今回はスイスの高原鉄道。スゴイ景観の中を走行する列車です。こういうのをテキストで紹介して意味があるのでしょうかという疑問もないではないですが・・・。

 世界遺産になっているスイスのレーティシュ鉄道のベルニナ線とアルブラ線。高級リゾート地であるサンモリッツにつながる鉄道である。

 

2200メートルを回りながら登っていく電車

 番組ではベルニナ線の方を追っているが、これがサンモリッツに到着するには61キロ。山を登る列車であるので、小半径で回れるように小型の車両を使用している(ちょうど箱根登山鉄道を思わせる)。この鉄道が高度を稼ぐ方法はループ。らせん状に線路を回すことで一回転する間に高度が上がるという仕組み。そのために小さな車両を使っている。線路幅も1メートルとヨーロッパの標準の軌間よりも狭いが、これは小回りが利くようにしているだけでなく、敷設のコストを下げる効果もある。

 ループはトンネルの中にもあり、列車はウネウネと回りながら徐々に高度を上げていく。急傾斜であるために時速は30キロ程度しか出ないという。また谷を越える箇所には橋が架けてあるが、景観を配慮して鉄の橋に石を被せてあるとか。

 

沿線には氷河の風景が

 なおアルブラ線はかつては蒸気機関車が走っていたが、後から敷設されたベルニナ線は最初から電化されていたという。この動力の電気は氷河から流れる雪解け水を利用した水力発電でまかなわれている。沿線には3つの氷河があり、列車はその氷河の景観を楽しませながら乗客をリゾート地のサンモリッツまで運ぶ。

 サンモリッツはかつては馬車で行くしかない場所だったのだが、鉄道が開通してからはアルプス観光のブームもあって、富裕層の高級リゾート地として人気となっている。

 レーティシュ鉄道は風景と調和した鉄道と言うことで世界遺産に認定された。

 

忙しい方のための今回の要点

・スイスの高原鉄道であるレーティシュ鉄道のベルニナ線とアルブラ線は世界遺産に指定されている。
・電化されているベルニナ線では、小回りの利く小型の列車がループ線でらせん状に高度を稼ぎながら2200メートルの高さまで登っていく。
・周辺には3つの氷河があり、その風景を楽しめる。またその氷河からの水による水力発電がこの鉄道の動力である。
・到着したサンモリッツは高級リゾート地として富裕層の人気の地となっている。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・今回は4Kスペシャルと銘打ってましたが、確かに絶景の鉄道です。こういう回はテキストで説明してもほとんど無意味なんだよな(笑)。