教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/5 所さんの目がテン!「免疫力を上げてウイルスに負けない体作り」

 今回は感染が広がっているコロナウイルスに対抗するための緊急スペシャル・・・と言えば聞こえが良いが、要は総集編。もしかして所さんがコロナ対策で自宅にお籠もりして撮影ができなくなったとか?

 

免疫力アップのために抗酸化作用のある食品を

 コロナについては未知ウイルスであることから、後天的に得られる獲得免疫を持っている者はいない。だからこんなに感染が広がっているわけだが、こうなるともし感染してしまった場合に最後に頼れるのは生まれながらに持っている自然免疫だけ。そこで免疫力アップの方法を紹介という話になる。

 まず最初に挙げるのは抗酸化成分のある食品を摂るということ。抗酸化物質と言えばポリフェノールなどが代表的だが、これらは野菜や果物の皮に多く含まれるため、例えばリンゴなどを皮ごと食べる(当然ながら良く洗う必要がある)などが効果があるとしている。また野菜の皮などの野菜クズを20分水で煮込んだ野菜スープなんかもお勧めしている(スープというか、ブイヨン的に料理にも使えそうだ)。

 

入浴による免疫アップと味噌汁の活用

 さらには41度といったやや高めの湯に15分浸かることを勧めている。深部体温までが上昇することで細胞を熱から守るヒートショックプロテインが生成することで免疫力がアップするとしている。そもそも免疫細胞自体が体温が高い方が働きが良くなるので、体温を上げるのは効果はあるだろう(病気の時に発熱するのも、体が冷えると風邪をひくのもそのため)。なお炭酸ガスを発生する入浴剤などを加えると、血管を広げる効果があるために深部体温が上がりやすくなるので10分程度で効果があるとしている・・・のだが、私などはそこまで行く前に完全にのぼせそう。私の頭は熱暴走しやすいたちなので。

 食品をもう一つ。番組では味噌汁を勧めている。味噌のイソフラボンが抗酸化作用がある上に何でも具材にできるから汎用性が高い。番組お勧めは豚肉とキクラゲを入れた疲労回復味噌汁やジャガイモ、サツマイモ、山芋を入れた芋づくし汁など。食物繊維は腸内の酪酸菌を増やして抗炎症作用やアレルギー抑制作用があるとか。また味噌も仙台味噌が抗酸化物質が多いと勧めているが、これは特にこだわる必要はなさそう。

 

ストレスを低下させるための溜息と作り笑い

 そして免疫力を低下させる原因となるのはストレス。これを解消するにはストレス源となる上司を張り倒して・・・というわけにはいかないので、番組がお勧めしているのが溜息と作り笑い。しかしストレス源の上司の前で溜息ついて作り笑いしたら、思いっきり罵倒されそうだが・・・とそれはともかくとして、ここでいう溜息とは4秒鼻で吸って8秒で吐くというのを1分するらしい。それって溜息ではなくて深呼吸ではと突っ込みたくなるところだが、とりあえずこれが交感神経を鎮める効果がある。さらに口角を上げる作り笑いはこわばった顔面をほぐすことでやはり交感神経を鎮めるとか。もっとも作り笑いよりも本当の笑いの方がもっと良かろう。

 さらにはホットミルクでリラックスとかお茶のカテキンで老化防止、イチゴのビタミンCで免疫力アップなんてのを挙げている。

 

 で、これだけ挙げたところで最後のポイントはバランスの良い食事を取り、しっかり体を温めてストレスを溜めないこと・・・ってなんか常識レベル。そして最後には専門家から手洗い・うがいなどでウイルスの侵入を防いでから、免疫力をアップするという極めて当たり前で妥当な内容のアドバイスです。

 

 私は基本的に「健康のために○○を食べろ」という類いのは嫌いですが。まあ今回は○○ばかり食べろというのではなく、結局はバランスよく食べろという話なのでまあ良しとしておきます。基本はやはりどんな食品も健康面と不健康面があり、極端に摂り過ぎると間違いなく不健康面の方が顕著に現れてくるということ。だからすべてバランスです。それから昔から良く言うのは素材を丸ごと頂く、加工品はできるだけ避けるというところ。野菜の皮なんてまさに素材を丸ごとです。そして究極の加工品であるサプリの類いが体に良さそうなはずがないということ。そして後は休養ですかね。ストレスは現代社会では完全に避けるのは不可能なので、割り切るしかなさそうです。実際に私も、最近はテレビを見て安倍の顔が出てくる度にストレスが急上昇する。 

 

忙しい方のための今回の要点

・コロナウイルスに対抗するために免疫力アップの方法を紹介とのこと。
・まずは抗酸化作用のある野菜の皮などを摂ることや熱めの風呂で深部体温を上げて免疫力アップ。さらには抗酸化作用のための味噌汁の具材の工夫などを挙げている。
・そしてストレス解消のための溜息(鼻から4秒吸って8秒吐く)や口角を上げての作り笑いにホットミルクやお茶のカテキン、イチゴのビタミンCなどを紹介。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・ぶっちゃけてしまいますと、取り立ててどうこうというようなものはないです(笑)。だけどそれが現実。突きつめるとごく普通の生活をごく普通に送ることが一番健康的なんですが、実はそのごく普通の生活が今の時代には送りにくい。