今回は昔ポンキッキなんかであった「はたらくくるま」という奴です。滅多に見ることはありませんが、夜に人知れず活躍している乗り物です。
ロボット掃除機のモデルとなったロードスイーパー
最初に登場するのは比較的メジャー。夜に4台編成を組ながら道路清掃している車です。先頭の先行車は大きなゴミを拾い、次の散水車がホコリを防ぐために散水、さらにロードスイーパーがゴミを掃き出して集める。最後にゴミ運搬のダンプカーが続くという編成。特に3台目のロードスイーパーが秀逸。路面のゴミをかき出すサイドブラシに、タイヤと逆方向に回転しながらそのゴミを車内に取り込むメインブラシの構成となっている。実はこのメカニズムはロボット掃除機と同じ。ロボット掃除機の開発者によると参考にしているとのこと。
保線に活躍するマルチプルタイタンパーとBR
次は夜に保線活動をする車両。まずはマルチプルタイタンパーことマルタイ。これは鉄オタでなくても聞いたことがあるかも(私はあさりよしとおの「宇宙家族カールビンソン」で聞いたことがある)。それとバラストレギュレーターことBR。
マルタイは線路の歪みを検出してそれを修正するもの。数ミリ単位の歪みを調整するという。歪みがあると線路を枕木ごと持ち上げ、続いてタンピングツールなるものがその下に砕石を押し込むのだという。そして乱れた砕石は次のBRが補充したり調整するということらしい。ちなみに砕石は車両の過重を支えるクッションの役割があるという。
トンネルの壁をチェックするトーリス
次に登場するのは列車のトンネルの壁をチェックするトンネル覆工表面撮影車、通称トーリス。これは道路と線路の両方を走れる車両となっており、トンネル壁の表面にレーザーを当てながら表面を撮影。トンネル壁に生じた亀裂などを検出するとのこと。ちなみに新幹線のトンネル用に導入された新型の場合、傷を調べと同時にその深さまで分かるようになっているとか。
誘導灯を清掃する埋込灯器清掃車
最後に登場するのは空港の滑走路の誘導灯を清掃する埋込灯器清掃車。これは地面に埋め込まれた誘導灯を自動でドライアイスの霧を吹き付けることで清掃するのだという。原理はまずドライアイスの冷気で汚れに傷を入れ、その傷の中からガスで一気に吹き飛ばすというものだという。この清掃車のおかげで、深夜から早朝までの短時間の間に200個もの誘導灯を綺麗に出来るとのこと。昔は手で清掃していたと言うからかなりの効率アップである。
以上、縁の下の力持ちの車両。これは子供が喜びそうな内容だな。それにしてもこういう特殊車両を開発して製造しているメーカーもあるんですよね。まさに技術力の底力を感じるな。
忙しい方のための今回の要点
・夜に作業する特殊車両を挑戦。まず道路を清掃するロードスイーパーはロボット掃除機と同じ原理。
・また保線作業をするマルチプルタイタンパーことマルタイとバラストレギュレーターことBRを紹介。これらは線路の歪みを修整する。
・さらにトンネルの壁の亀裂をチェックするトーリスに空港の誘導灯をドライアイスを吹き付けて清掃する埋込灯器清掃車を紹介。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・こういうはたらくくるまはお子様が大好きですが、実は私も好きだったりします。こういうワクワクって理系の原点ですよね。