教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

1/24 所さんの目がテン!「実はこんなに進化していた!最先端重機」

スーパー重機が総登場!

 珍しい乗り物シリーズみたいな内容がこの番組の人気企画でもあるが、今回はテーマは重機。工事現場でバリバリ活躍しているあれである。その最先端のものを紹介。

 

まるでガンダム?の双碗重機アスタコ

 まず登場するのは2本の腕を持つ双碗重機ことアスタコ。日立建機が開発したというこの重機は腕が2本あることが特徴。そのおかげで今までとは違う器用なことが出来ると言うのである。というわけで番組ではバットを持ってボールを打ってみたり、カップラーメンのフタを剥がしてから湯を入れてフタを被せてラーメンを作るなどというバカらしいことを実際にやっている。

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日立建機のアスタコ

(出典:https://response.jp/article/2019/03/30/320761.html)

 なお当然ながら本領はこんな細かいことでなく、もっと大胆な作業である。腕ごとにアタッチメントを変えることも出来るので、片方の手で持ち上げてから、もう片方の手で裁断するなんて芸当も可能。これが災害現場などでの障害物撤去に最適ということで東京消防庁にも納入されたという。なお最新型はキャタピラを改良して、障害物を跨いだり、傾斜地でも姿勢を制御できるなどの機能を持たせたという。

     
ちなみにAmazonでも販売されてます(笑)

 なお開発者がやたらに「ガンダムのような」と繰り返していたので、そういう憧れがこういう開発につながったんだろうなと感じられて、理系の人間としては共感するところ。こういう子供の頃の純粋な想いというのは重要です。ちなみに私はガンダムではなく、マジンガーを作りたいと思ってました(笑)。

 

超巨大ダンプカーに超巨大ビル解体機

 さらに登場するのがコマツの世界最大級ダンプトラックのコマツ930E。3階立ての建物が動いているようなもので、タイヤの直径4メートルというモンスターマシン。重さなんと500トンという。巨大すぎて日本では走れる場所がないので、海外の鉱山等で活躍している。

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これは新登場のさらに巨大な980E-4 (出典:コマツHP)

https://home.komatsu/jp/press/2016/others/1188934_1587.html

     
ミニ四駆にも登場していたり

 さらに超巨大なビル解体機、コベルコ建機SK3500D。こちらは最大65メートルまでの高さで作業が出来るので、21階立てのビルでも解体機を運び上げることなく地上から作業できるので安全性が増すということ。ちなみにギネス認定とか。

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コベルコ建機SK3500D

(出典:株式会社マルダイHP https://marudai.wev.jp/at/1630/)

     
こんなものまで流石にAmazon

 

無人で重機を動かす

 なお最後に登場するのは特殊な重機というよりは、特殊な運用システム。成瀬ダムの建築現場で活躍しているとのことで、東京から5時間以上かけて番組取材班が出向いたのだが、何と積雪のせいで動かせないという残念なオチ。というわけで動いているシーンは別の映像を使用しているが、重機自体は特別には見えない。しかし特別なのは操縦席に誰も乗っていないこと。

 つまりは無人の重機。しかも単なる遠隔操縦ではなく、プログラムを送ることで自立的に判断して動いているのだという。作業の内容を送信すると、各重機が搭載しているGPSで位置を確認しながら、他の重機と衝突しないように連携して作業をこなすのだとのこと。だから管制室は必ずしも近くにある必要はなく、将来的には地球の裏側の工事を日本からコントロールするなども可能。実際にこのシステムで月面の基地設営なんてことまで考えられているという(ただその時にはGPSは使えないと思うが)。


 以上、以前に放送された「はたらく車」シリーズの一環。今回もなかなかに興味深い機械が登場しました。やっぱりこういう機械に純粋にわくわくするという気持ちは理系の芽として重要だと思う。

 

忙しい方のための今回の要点

・特別な重機が多数登場。
・まずは日立重機のアスタコ。これは双碗重機といって2本の腕を器用に使うことで様々な作業を行え、救助作業用に東京消防庁にも納入された。
・超巨大ダンプカーのコマツ930Eや超巨大なビル解体機、コベルコ建機SK3500Dなども登場。
・さらに建設現場で重機を自律的に動かして無人で作業を行うシステムなども成瀬ダムの建設現場では導入されている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・やっぱりこういう機械って良いですよね。私も好きです。機械が好きなの男性は多いですが、最近は女性にも人気あるとか。