教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

5/19 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「実は知らないことだらけ!あざの基礎知識と最新治療」

あざの種類

 今回のテーマはあざ。あざとはどんなものでなぜできるか、また出来た時にはどうするのが良いか。さらには問題のないあざと危険なあざとはという話。

 専門家によるとまずあざとは急性のものと慢性のものがあるという。内出血などによるものが急性のあざで、蒙古斑などが慢性のあざとなる。なお内出血によるあざは最初は青紫色でそれが緑となって茶色を経て黄色になるという経過が多いとか。これは赤いヘモグロビンが黄色のビリルビンに変わることによるという。なお高齢者が内出血のあざが起こりやすいのは血管自体が脆いのと、組織に隙間が多いので圧がかからずになかなか出血が止まりにくいことがあるという。なお内出血を早く止めるにはまず動かさない、冷やす、圧迫する、高い位置に上げるとのことで、止血の要領と同じである。なお急性のあざと慢性のあざの違いは経過を見ていれば一目瞭然で、急性のものは通常数日から2週間ぐらいで消えるのに対し、慢性のものは数ヶ月から数年ぐらい残るとのこと。

こういうのが典型的な内出血によるあざ

 

 

様々なあざを診断

 番組では気になるあざがあるという被験者のあざを検診するところから。最初の男性は背中に生まれた時からあざがあるとのことで痛みはないという。皮膚病変を観察した医師によると扁平母斑というもので原因はメラミンが何らかの理由で活性化することであり、全く問題はないという。次は20年近くあるという赤い小さいあざ。これはチェリースポット(老人性血管腫)で、紫外線や老化で血管が増殖することによるもので、放置しても健康上は問題ないとのこと。日本人の数割はどこかにあるという。

 次の女性はひざにあるかゆみがあるというあざ。医師はプレパラートで表面を押さえてチェックしているが、押さえたら白くなるのは血管性のあざという証拠だという。診断は乳児血管腫で別名いちご状血管腫。それの名残だという。幼児に現れるもので多くは成長と共に消えるが、その痕跡が残ることがあるという。だんだんと目立たなくなるだろうという話。

 最後の男性は顔の一部に緑色のあざがあるというもので、これは太田母斑だという。メラニンを作る細胞の定着に問題が生じ、皮膚の深いところに集まってメラニンをたくさん作ったことによるという。これも健康的には特に問題はないが、気になる場合はレーザーで直すことが出来るといい、保険適用可能だという。

 

 

危険なあざについてと慢性のあざの治療法

 なお危険なあざとしては抗体が血小板を攻撃してしまって血が止まりにくくなる突発性血小板減少性紫斑病。足に赤い小さなあざが多数出来るIgA血管炎などがあるという。これは血管を抗体が攻撃してしまうもので、血管の多い腎臓がやられる患者が1%~数%いるから要注意だという。見わけるポイントは通常の内出血のあざだと数個ぐらいまでだが、これらのあざは10個以上大量に出るということだという。また普通は内出血などしない箇所に出る場合だという。なお写真で見る限り、あざと言うよりも発疹のようであり、正直かなり気色悪い。

 次は先ほどの太田母斑の男性があざの治療を体験する。治療にはピコレーザーを使用するとのことで、メラニンに作用するレーザーをごく短時間の照射を行いメラニンを破壊するのだという。目を保護してからレーザーを照射だが、施術は5分で終了で痛みは特にないという。後は摩擦防止のテーピングを1週間ぐらいしてしばらく日焼け止めなどを塗るようにとのこと。あまりにもあっさりと長年の悩みが解消された男性は大喜びという結果に。

 

 

 以上、あざについて。私も左足の根元にかなり特徴的なあざがあり、特に膨らむでも痛みなどがあるでもなく、成長するにつれて普通に大きくなったものがある(幼児の頃はほくろのようだったとのこと)。家族などには「もしバラバラ死体で見つかっても、このあざで分かる」なんて言われていたりするが。こんなあざもピコレーザーで消せるんだろうか? まあわざわざ消そうとも思わないが。

 そう言えば水滸伝に青面獣の楊志というキャラが登場するが、彼なんかは顔面に巨大な太田母斑があったってことだろうか。今だったら保険適用でレーザー治療なんだろうななんてことを考えたりしていた。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・あざには急性のものと慢性のものがあり、急性のものは内出血によるものが多い。
・内出血を早く止めるには、安静、冷却、圧迫、高く上げるなどが効果的。
・番組では気になるあざのある被験者を診断。それらは慢性のあざでメラミンの活性化による扁平母斑、紫外線による血管の増殖によるチェリースポット(老人性血管腫)、幼児に多い乳児血管腫、メラミンの増殖による太田母斑など直接健康には問題のないものであった。
・なお危険なあざには血が止まりにくくなる突発性血小板減少性紫斑病、血管を抗体が攻撃してしまうIgA血管炎などがある。あざの数が多く、普通は内出血など起こらない場所に出るあざが要注意とのこと。
・番組では太田母斑の男性がピコレーザー治療を受けている。メラミンにレーザーを照射して破壊する治療で痛みもなく保険適用とのこと。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・あざも場所と大きさによって本人にとっては美的に大きな難点になる場合が多いので、レーザーとかで簡単に治療できれば良いですね。番組中に登場した男性も長年気にしていたようで、治療後に非常に表情が明るくなっていたのが印象的。

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