教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

12/1 TBS系 世界遺産「大理石の絶景!氷河が作った山と湖」

ブルガリアの大理石の山脈

 ブルガリアの2000m級の山々がそびえるピリン国立公園。山は白いがこれは雪が降っているのではなく山全体が大理石で出来ている。切り立った鋭い山容は氷河の侵食によるもの。また氷河の侵食で120もの湖も出来た。

 この中にはブルガリアの2番目の高さの山もあるという。番組では実際にこの山に登山しているが、大理石の岩がゴロゴロ転がる不毛の大地で尾根筋は切り取ったように鋭い。これが氷河の浸食による地形であるという。

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ピリン国立公園(出典:ブルガリア観光局HP https://www.bulgariatabi.jp/index.html)

 また水の浸食によって多くの鍾乳洞も存在する。鍾乳洞の中には洞窟真珠と呼ばれる白い丸い小石が大量に存在している。これは砂粒などを核にして石灰岩が成長したものであるという。このような鍾乳洞は岩の割れ目に沿って下に下にと成長しており、かなりの深さのものが存在するという。

 

大理石の山脈が出来たメカニズム

 この地に大理石の山が出来たのはかつてはここが海底であり、そこにサンゴなどが堆積して石灰岩が生成、さらにそれが隆起してマグマの熱などで大理石に変化したのだという。

 山上は不毛の地であるが麓には松林が広がったいる。中には樹齢1300年の松の巨木も存在している。このような松は大理石の隙間で芽を出して、割れ目に沿って根を伸ばしていき、その根が生長すると共に大理石の割れ目を広げるという形で、完全に大理石と一体化して伸びているので、このような巨木でも支えることが出来るのである。

 この独特の地形から、ピリン国立公園は世界遺産に認定された。

 

忙しい方のための今回の要点

・ブルガリアのピリン国立公園には大理石の山脈がそびえている。
・これらの山々は氷河による浸食で切り立った地形をしており、さらには120もの湖が存在する。
・これらの大理石の山は、元々海底で生成した石灰岩が隆起し、マグマの熱で大理石に変化したものである。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・山丸ごと大理石というのは珍しいと思いますが、ここは石切場としては利用されたのでしょうか?
・それと正直なところ、私は鉱物に詳しくないので、石灰岩と大理石の違いというのが今ひとつ分かってないのですが・・・。
・教えてGoogle先生をしたところ「大理石とは、石灰岩が変成作用を受けてできた粗粒の方解石からなる岩石のこと」らしいですが、分かったような分からないような。

 

前回の世界遺産

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