教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/28 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「カビが感染症を招く!おうちの除菌と予防掃除術」

梅雨の定番カビ対策を特集

 この手の番組のこのシーズンには定番の「カビ対策」が今回のテーマ。そもそも通気性の高い日本家屋は家屋自体のカビはあまりなかったんですが、最近は機密性の高い住宅が増えてきているために部屋のカビが問題になる場合がある。また水回りのカビなどは以前によりも神経質に言い始めたことが影響しているような。

 さてまずは家庭の水回りのカビから注目。カビがあまりに繁殖しすぎると、カビの胞子などで感染症を起こすことはある。典型的ななのはトリコスポロンというカビを吸い込むことで起こる夏型過敏性肺炎。アレルギー性の肺炎であり、このカビはエアコン内での繁殖などに注意とのこと。

 

キッチンの水回りのカビ対策

 まずは蛇口回りをチェック。ここで要注意は蛇口の裏側とのこと。さらに冷蔵庫の製氷機の給水ボトルはチェックポイント。ここに黒カビが生えることが多いので、これは給水の度に掃除すべき。さらに意外な盲点は食器棚。水気がないのでカビには無縁と思われるが、ここにホコリと共にカビが繁殖することがあるとのこと。要注意はアスペルギルスカビで、これを大量に吸い込むと慢性肺アスペルギルス症というものを発症し、これは5年生存率が50~60%ほどという実は怖い病気。

 蛇口の掃除法について、家事研究家なる人物が紹介するが、蛇口の掃除の場合はスポンジを使うとステンレスに傷を付ける可能性があるので、ゴム手袋に中性洗剤を垂らして手で洗うのが良いとのこと。蛇口の裏側は歯ブラシを使用して洗う。その後、水で洗剤を洗い流してから水拭きと乾拭き、仕上げにはストッキングを三つ編み状にしたもので磨くとのことだが、要は柔らかいナイロンブラシみたいなものか。ところで冷蔵庫の製氷機のボトルは私は気をつけて洗っているが、実はそれよりも気になっているのは庫内の配管。ポットは洗えてもここは洗えないのだが、ここって大丈夫なのか?

 

風呂場のカビは天井からばらまかれる

 次は風呂場に注目。風呂のパッキンなどに良く生える黒カビはクラドスポリウムというカビで、これも吸い込むと肺炎を起こしたりぜんそくを悪化させるという。風呂場で要注意は天井とのこと。天井にカビが生えることで、ここから胞子を全体に撒き散らすことになるという。だからまずここのカビを取る。さらにはシャワーヘッドもかびやすいポイントである。ぬめりの部分にはMAC菌という結核菌に似た最近が繁殖しやすいという。これが感染するとまた肺MAC症なる症状が出る。

 天井の掃除方法だが、フローリング用のモップにキッチンペーパーを巻き、ここにカビ取り剤をつけて天井を掃除、天井にカビ取り剤を塗ると10分漬けおいてから水拭きと乾拭きでOKとのこと。シャワーヘッドの掃除には酢を使うのが簡単とのこと。洗面器に酢と水を4対6の割合で入れてこれにシャワーヘッドを1時間漬けおくのだとか。これで酢酸やクエン酸の効果で水垢や黒ずみが溶けるとのこと。

 ちなみにカビによる病気は、アレルギー反応によるものなので、体質によって反応する量が異なるから一概にどこからOKとは言いにくいという。ただしアレルギーと言うことはあまり神経質にカビを除きすぎるのも耐性を下げるのではないかと気がする。そもそもカビの胞子は空気中に普通に存在するので。

 

湯によるカビ退治とカビを予防する方法

 後は豆知識編でカビ退治には湯を使う方が良いという話。大抵のカビは50度の湯を5秒程度かけることで死ぬという。ただしゴムの内部にまで侵入しているような場合は90秒ほどかける必要があるという。なお重曹がよく掃除に使用されるが、重曹自体には殺菌効果はないので、カビ退治には塩素系漂白剤や酢などを使用すべきとのこと。

 ここで先ほどの家事研究家なる人物が登場してお勧めするのが予防掃除というもの。これはゴムパッキンなどのカビの生えやすい場所にあらかじめマスキングテープを貼っておき、汚れたらテープをはがして終わりというもの。まあ分かるんだが、あちこちにテープを貼っている状態というのは果たして美しいだろうか?

 次はかびにくくする方法で、これは仕上げに乾拭きをすること。水気をなくすことで水垢などを完全に防止できる。また風呂の桶などはS字フックなどで吊すことで、完全に水を切る方法を勧めている。まあこれは理にかなっている。

 最後にエアコンのカビを防ぐ方法として、冷房後にしばらく送風運転で内部を乾燥させるということを勧めているが、これは最近は最初からエアコンに機能としている突いている場合も多い。また洗濯機の洗濯槽もかびやすい部分なので、洗濯槽の中に汚れた衣服を入れっぱなしと言うのはよろしくないとのこと。洗濯槽を洗濯籠代わりにするべからずということ。またこれからの時代はエコバックのカビにも注意とのこと。


 まあカビなんて繁殖させても良いことはないので、最低限の対策はやっておくにこしたことがないでしょう。もっともあまり神経質になりすぎるのもどうかと思います。人間、少々のカビで死ぬことはありませんから。あまり神経質になりすぎてあちこちにカビ取り剤を撒いた挙げ句に、塩素中毒で死んだなんていう洒落にならない事故もあるので。

 

忙しい方のための今回の要点

・カビの胞子をあまり大量に吸い込んだ場合にはアレルギーから肺炎などの症状を発症する可能性がある。
・水回りで注意すべきは水道の蛇口。ここの洗浄はゴム手袋に中性洗剤を漬けて手で洗うのがお勧め。水拭きと乾拭き後に三つ編み状ナイロンストッキングで磨けばピカピカになるとか。
・風呂で注意すべきは天井のカビ。これはカビ取り剤を塗布して10分放置後に拭き取る方法で除去。
・シャワーヘッドのカビは酢と水を4対6の割合で混ぜたものを洗面器に入れ、そこにシャワーヘッドを1時間漬けおく。
・また大抵のカビは50度の湯で5秒ほど流せば殺すことは出来るとのこと。
・さらにかびやすいパッキングなどに事前にマスキングテープを貼っておく予防掃除なる者も勧めている。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・水回りのカビ退治というのは、一度気になりだしたら正直なところ際限がないです。私も一度風呂のカビが気になり、カビキラーを大量に使いまくったことがあります。換気には気をつけたので塩素中毒は起こしませんでしたが、財布へのダメージが結構ありました(笑)。

前回の健康カプセル

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