教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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9/13 TBS系 世界遺産「1200℃の火口!世界で最も活発な火山の島」

世界で最も活発な火山

 今回の世界遺産はレユニオン島の火山峰。地球上で最も活発な火山の1つがここにあるフルネーズ山。この20年間で60回も噴火しているという。


『世界遺産』9/13(日) レユニオン島の火山峰 〜 世界で最も活発な火山の島【TBS】

 アフリカ大陸の東に浮かぶ神奈川県ほどの大きさの島がフランス領のレユニオン島。ここに2つの時代の異なる火山がある。古い方のネージュ山は300万年前の噴火で誕生した。噴火が停止して2万年が経つので今では緑に覆われている。

 フルネーズ山は50万年前に最初の噴火をし、今も火山活動が続いている。フルネーズ山は直径8キロのカルデラに覆われており、その中は荒涼とした大地となっている。直径1キロの火口が山頂にあるが、実は中腹のあちこちに火口がある。そしてマグマが吹き出した後に火口の周囲に積もる。またフルネーズ山の溶岩は粘りが少ないのでサラサラと流れていく。この溶岩が生みだした特徴的な地形が洞窟だという。溶岩が流れる時に上から冷えて固まることで屋根が出来、中の溶岩が流れ出すと洞窟になるのだという。

 

火山が変え続ける地形と再生する自然

 ネージュ山の方はカミソリのように薄い尾根筋という特徴的な地形がある。断崖の高さは1000メートルで、尾根は人一人が通るのがやっとの幅。これはインド洋からの湿った空気が生みだした雲による大量の雨で削られたものだという。同様に雨は深い谷なども削り出した。雨が山の形を変えたのである。現在残っている薄い尾根は固い岩の部分が残ったのだという。フルネーズ山でも火口から離れるとネージュ山と同じような浸食による谷が出来ている。

 2007年の大噴火ではフルネーズ山から流れ出した溶岩は珊瑚礁の海にも流れ出したという。完全に死滅したように見える海であるが、既に内部では新しい珊瑚が生まれていた。魚も帰ってきている。溶岩の穴は魚にとって格好のすみかなのである。自然界では常に破壊と再生が繰り返されてきたのである。

 

忙しい方のための今回の要点

・アフリカ東部のレユニオン島には世界で最も活発な火山の人であるフルネーズ山がある。
・フルネーズ山はこの20年で60回も噴火している。
・粘度の低い溶岩はサラサラと流れ出し、そのことが多くの洞窟地形を生みだしている。
・また2007年の大噴火で溶岩が珊瑚礁の海にまで流れ出したが、既に海の再生は始まっている。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・ものすごい火山ですが、一番分からないのは溶岩の吹き上げているすぐそばまでいって観測している研究者。火山研究者にとっては格好の研究対象なのかもしれませんが、本当に命知らずだと思います。

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