教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

10/21 NHK ガッテン「サル直伝!?快感つるりん たまねぎ激ウマ新世界SP」

サルから学んだ玉ネギの秘密

 さて今回は「サルから学んだ」という玉ネギの激ウマ術を紹介するとのこと。

 それを教えてくれたというサルは埼玉県長瀞町の宝登山動物公園のサル。このサルたちは冬になると地元の深谷ネギを食べているという地産地消サルである。このサルたちに初めて玉ネギを与えてみたらどうするか。すると囓っては「辛いっ」とポイポイ捨ててしまう。そんな中で玉ネギを剥いて中を食べるサルが登場。これが今回のポイントだという。

 

玉ネギは芯と外で味が全く違う

 この玉ネギの中央の芯の部分(番組では「芯玉ネギ」などと呼んでいたが)が外側と全然違って甘味が強いのだという。番組ではここでなぜか大阪の定食屋に取材。ここの人気は週に1度だけ登場するという玉ネギだけで作ったカレー。この店を取り仕切るのは87歳の双子の姉妹(まるできんさんぎんさん)。この二人に玉ネギの内側と外側を全く同じ調理をして食べて比べてもらったところ、外はシャキシャキして苦味があるのに対して内は柔らかくて甘いというお話・・・なんですが、正直なところこのおばあちゃんの出演の意味はなし。まあおいしいキャラなので登場させたかっただけでしょう(笑)。関西人は会話自体が漫才になっていると言うが、まさにそれを体現していたお二人でした。「玉ネギの匂いがしてきたな」「玉ネギやん!」「そりゃジャガイモの匂いがしたら大変やな」ってやりとりがいかにも関西。これで支払の時に「お代は?」「300万円!」というやりとりでもあったら完璧です。

 さてこの芯玉ネギだが、MRIで見ることも可能だという。玉ネギの断面をMRIで観察したら、芯玉ネギ部分は糖分が多いので水の動きが抑えられることによって明暗が出るそうな。ショ糖の含有量を比べると内側は外側の3倍もあるという。芯玉ネギ部分に糖分が蓄積されているのは、ここが将来的に芽や葉になる部分だからだという。これに対して外側の部分は苦味成分であるケルセチンが内側の5倍も含まれており、これが紫外線などから内部を守る役割を果たしているとのこと。これが内と外との味の違いになるという。

 

簡単に芯玉ネギを取り出す方法

 次に登場するのが、この芯玉ネギを簡単に取り出す方法。これはアボガドの種を取る方法を参考にしているとのこと。玉ネギの両端を落とし、玉ネギの下側を上にして、両側面に切り込みを入れる形で包丁を真っ直ぐに下まで落とす。そして後はアボカドの種を取るイメージで少しこぜたら芯玉ネギが取り出せるという。

 こうして分けたら別々に料理するという発想になるだろうが、実際に野菜料理の専門家と言う人物が作ったのは芯玉ネギにエビのすり身を載せて揚げ、それを玉ネギの外側とエビの殻から作ったソースで和えたという一品。

 もっとも食卓向きに紹介するのはこんな本格的なものでなく、まずは炒飯での使い分け。パラパラ炒飯派なら玉ネギの外側を使い、シットリ炒飯派なら内側を使うという2種類の風味分け。さらには玉ネギの外側に好みの具材を載せてグリルで5分のシャキシャキカップなる料理を紹介している。またカレーなどでは外側でソースを作り、内側はそのままカレーに具として加えるなんて方法もあるとか。なお玉ネギは根っこのところが出っ張ってくると芽が出始めるサインなので、そうなる前に使用するのが良いとのこと。

 

血液サラサラ効果を活かす方法

 最後は玉ネギの健康パワー。これは玉ネギの辛味成分である含硫黄化合物。これは多くの哺乳類では赤血球が傷害して貧血などを起こす有毒成分であるが、チンパンジーやゴリラに人間などの類人猿だけはなぜかこれが食べられ、しかも血液サラサラ効果があるとされている。しかしこれは水溶性成分なので水にさらすと駄目。辛味が気になる時は、繊維を断ちきる方向に玉ネギを薄くスライスし、フライパンに蓋をして強火で30秒加熱後、蓋をしたまま1分10秒待ち、冷蔵庫で10分以上冷やせば辛味の気にならない玉ネギスライスができあがりとのこと。なお玉ネギをしっかり加熱する料理の時は切って15分以上放置してから加熱したらサラサラ成分が増加するとのこと。

 

 以上、身近な食材玉ネギについて。確かに何となく二重構造のような気配は以前から感じいましたが、まさかそういう仕掛けがあるというところまでは思い至っていません出した。そう言えば確かに焼肉などで輪切りにした玉ネギを焼いた時、外側ほど固くて辛いという印象はあった。

 なお犬猫が玉ネギを食べると腹を壊すという認識はありましたが、今回の内容からすると命に関わる可能性があるようで、私はそこまでの認識はありませんでした。そもそも玉ネギの蓄えている含硫黄成分は、我々の血液をサラサラにするためのものでなく、そもそもは動物による食害を防ぐためのものだろうと推測されるので、それもさりなん。むしろそんなものまであくまで食おうと進化対応した我らが御先祖がすごいと言うべきか。

 我が家のカレーも以前から玉ネギと牛肉だけで作っていたんだが、玉ネギによってやけに味が甘くなることがあるのが悩みの種だったんだが、これからいくと芯玉ネギを除いてそれは別の料理に使えば良いと言うことか。これは実践する価値がありそうだ。

 

忙しい方のための今回の要点

・玉ネギの芯の部分は、将来に芽や葉になる部分であり、多くの糖分を蓄えているので甘味が強い。
・一方の外側部分は、内側を紫外線から守るための辛味成分のケルセチンなどが多い。
・玉ネギの芯を分けるには、まずは両端を落としてから、裏向けにして両方に切り込みを入れ、それをアボカドの種を取る要領で少しこぜると良い。
・内側はそのまま煮ると甘いし、外側はソースにしたり好みを具を載せてグリルで5分焼くとシャキシャキのおつまみになる。
・玉ネギの血液サラサラ効果を期待するには、水洗いは厳禁。辛味が気になる時はスライスしてからフライパンで30秒加熱すると良い。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・玉ネギっていろいろな料理に結構使われているけど、ここまで意識して使用することはなかったな。こういうところに注目するのは、以前からのこの番組の真骨頂。

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