教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/2 NHK あしたが変わるトリセツショー「寝付きUP&熟睡☆睡眠不調の隠れ原因SP」

質の良い睡眠を得るには

 さて石原さとみの出演ペースに合わせているのか、それともネタがないのか分からないが、大体一月に一回の放送ペースになっているこの番組。しばらくぶりの放送であるが今回のテーマは睡眠。現代人は睡眠不足気味などとも言われているが、その睡眠も質が悪いことで悩んでいる人は少なくない。そこでスッキリと質の良い睡眠を取るにはどうしたら良いかということ。

睡眠障害で悩む人は多い

 

 

睡眠の鍵を握る光

 睡眠の質が悪いと言えば、寝付きが悪いとか、朝にスッキリ目覚められないなどが来るのであるが、その理由としてはやはり身体の睡眠リズムが乱れているということだという。そしてそれを調整するのは朝の光。という辺りまでは結構一般に知られているのだが(以前にガッテンで何度も放送している)、問題となるのは光の強さ。ここで必要な光の強さは2500ルクス以上(クルマのヘッドライトを1.6メートルで浴びる強度)で起床後3時間以内に15分だそうな。しかしこの2500ルクスという値、屋外だと曇りの日でも余裕でクリアなのだが、室内となると今日に完全に不足になる。窓際に差し込んでいる光だと3400ルクスだが、これがデスクになると急に300ルクスとかになってしまって完全に不足。室内作業だと2500ルクスを超えることはまずないのだという。だからコロナでの在宅勤務で光不足になってしまった人が少なくないという。

 なお光が必要なのは睡眠ホルモンのメラトミンの関係だという。朝起きて2500ルクスの光を浴びるとメラトミンが減少してスッキリと目覚めるのだという。さらに同時に15時間のタイマーがスタートし、15時間後に再びメラトミンが増えるので夜に眠気が増すのだという。最近は勤務の在宅化による光不足で鬱気味になる人が増えているとのこと。

 光をどこで取り込んでいるかだが、トカゲなどには頭頂眼なる光を感じる器官があるらしいが、人間の場合は特定の受光器官はなく脳内の松果体という部分が、目に光が入ることで反応するのだという。光不足の解消の方法であるが、屋外に出ない場合にはベランダや窓際に出るだけでも効果があるので、これを1ヶ月続けて見ると効果が現れるはずとのこと。

 

 

睡眠の質を下げる隠れ鼻づまり

 睡眠の質を下げるもう一つの原因として、耳鼻咽喉科の問題に起因するものがある。それは通常は鼻が通っているのだが、睡眠中に鼻が詰まってしまうという隠れ鼻づまりだという。番組では実際に睡眠中に鼻が詰まった人をMRIで観測しているのだが、鼻粘膜の厚さが分厚くなっていることが確認されたという。実はこれもメラトニンが絡んでおり、メラトニンには血管を拡張することで放熱を増やして深部体温を下げることで就寝しやすくする作用があるのだが、この血管拡張作用で粘膜が腫れてしまうのだという。

 では鼻が詰まることでどれだけ睡眠が阻害されるかだが、睡眠に問題のないスタッフが鼻づまり状態にして寝てみたところ、寝付きがかなり悪くなった上になかなか深い睡眠が発生せず、睡眠の質が劇的に悪化したのだという。またレム睡眠が半分にまで減少したという。番組が出した隠れ鼻づまりチェックリストが登場するが、1.あおむけになると鼻が息苦しい 2.アレルギー性鼻炎がある 3.特に眠りはじめにいびきをかく 4.夢の途中で頻繁に目を覚ます 5.起床時に口が渇いている の5項目。これの該当が多いと隠れ鼻づまり可能性が高いとのこと。で、私は見事に全該当で、就寝中には間違いなく息が止まっており、おかげで睡眠の質は最悪です。

 なお対策としては就寝前の鼻うがいがお勧めとのこと。二週間ぐらいで効果が現れることがあるとのことだが、基本的には耳鼻咽喉科へとのことらしい。


 以上、あまり新しいことはなかったなという印象。なお番組出演者がCPAPをして以降快眠ということを言っていたが、私はあれはダメでした。どうやら睡眠中に口を開けてしまうらしく、そのせいで空気が抜けてドンドンと息が苦しくなって全く睡眠出来ませんでした。またそもそも就寝中に鼻が詰まってしまっている可能性が濃厚。というわけで睡眠が浅いせいで諸々の健康障害も発生中というわけで、全く八方塞がり。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・睡眠の問題で悩む人が増えているが、理由の1つとして考えられるのは睡眠リズムの乱れで、それは朝の光不足が原因となっている。
・その場合、ポイントとなるのは光の強度で、起床後3時間以内に2500ルクス以上の光を15分以上浴びる必要があると言う。屋外だと曇っていても楽にクリア出来るが、室内だとまずクリアは出来ないとのこと。
・光を浴びることでメラトミンが減少するのでスッキリと目覚められると共に、15時間後に再びメラミンを増やすスイッチが入るのだという。
・さらに睡眠の質を悪化させる要因に耳鼻咽喉科的問題がある。夜寝ている間に鼻がつまる隠れ鼻づまりが存在するという。
・それはメラトミンの働きで毛細血管が広がることで粘膜は腫れて鼻が詰まってしまうのだという。対策としては就寝前の鼻うがいがお勧めという。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・そう言えば私は数十年以上、目覚めたらスッキリというのを体験したことがないです。寝付きは比較的良いんですが、目覚めは最悪。とにかく目が覚めずに遅刻ギリギリになることも。おかけで朝食を取る時間なく、さらに健康状態が悪化という負のスパイラル。

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