高血圧に潜む他の問題点
今回のテーマは血圧。日本は高血圧が多いことが問題になっているが、単純に血圧が高いと言うだけでなく、さらに注意するポイントがあるという話。
その注意ポイントとは血圧の変動。キリンは非常に首が長い動物であるので、頭まで血を送るために血圧は胴の部分で約250ミリと動物の中では一番高いという。しかしこれでも頭には100ミリ程度と普通の血圧になるのだとか。しかしそのままだと頭を下げた途端に血圧が大幅上昇することになるが、キリンには上がった血圧を静脈が15倍にも広がることで下げる機能を持っているという。しかしこういう機構のない人間での問題は血圧のばらつきだという。
1日の中で血圧が変動するのは当たり前の事なので、これが問題なのではないという。問題なのは起床直後などとに測った血圧の日々によるばらつきだという。平均血圧が125の場合、ばらつきが40以上あると認知機能が低下したり、脳卒中での死亡する率が2倍以上になるということが分かったとか。高血圧でなくても、ばらつきあることで高血圧に匹敵する危険があるのだという。
ばらつきの原因と対策
ではばらつきが起こる原因だが、ストレスなどによる交感神経の不調だという。本来なら副交感神経が優位になって血圧が下がるべき就寝中などでも、交感神経が暴走することで血圧が上昇してしまったりするのだという。
その対策であるが、能勢町がそれに取り組んでいるらしい。そこで行われていることがまずは日々の血圧測定であるという。まずは状況を知ることからというわけである。で、番組が提案する対策であるがヨガ。深い呼吸をすることがポイントだとか。腹ばいになってゆっくりと腹式呼吸をするワニのヨガと蜂が羽ばたくような音を出しながら息を吐くという蜂の呼吸を勧めている。要は呼吸筋回りの柔軟性を増すようである。なお高血圧の人はまずは医師と相談というのは毎度の注意。
血圧に家が関係する
また最近血圧上昇の原因として注目されているのが住宅の温度だという。寒くなると血圧が上がることから、家の断熱性能を上げて温かく保つことが重要なのだという。ニュージーランドでは断熱改修した家では心疾患関係の入院率が10%以上減少したという報告があるという。室温が1度下がると血圧が1ミリ上がるとのことで、室温は18度以上を保つべきとのこと。ちなみに日本で一番室温が低かったのは香川県だとか。瀬戸内気候で本来は温暖なので、断熱に配慮していない家が多いんだとか。なお「寒いんだったら厚着をすれば良いじゃん」と考えるところだが、番組の実験では寒い部屋で厚着して寝ても血圧が高いという結果が出た・・・といっているのだが、その差が6ミリなのでこの実験だけで結論はつけられんだろう。
ということは番組も重々承知しているようなので、専門家に話を聞いているが、要は部屋の温度が下がると手足の血管が収縮して血流が低下するので、これが血圧の上昇につながるのである。
というわけで厚着だけでなく手袋と分厚い靴下も必要なようであるが、私はそれをすると寝られない。そう言えば、就寝するには手足から熱を放出して深部体温を1度低下させる必要があるという話は、昨日のヒューマニエンスで出た直後である。というわけで、やっぱり部屋の温度を上げた方が無難な模様。
忙しい方のための今回の要点
・日本では高血圧が問題となっているが、実は高血圧だけでなく、日々の血圧のばらつきも問題である。
・血圧120ぐらいだと、日々のばらつきが40を超えると認知症や脳卒中のリスクが2倍以上になるという報告がある。
・番組ではヨガを使った血圧のばらつきの解消法を紹介。要は呼吸筋回りの柔軟性を高めるようである。
・なお血圧に影響するのは家の温度であるという報告がなされており、部屋の温度は18度以上が望ましいという。実際に部屋が寒いと厚着をしていても手足の血管の収縮などで血圧が上がってしまうという。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・まあまあ妥当な内容ですかね。実験の結果だけで結論に飛びつかないのは一応はNHK的な無難さです(私は昔、それをやる「あるある大事典」のインチキさを告発したわけですが)。
・もっとも番組全体としてみてみると、相変わらず情報はやや薄めで内容の無駄も多いという印象も変わりませんね。今のところはガッテンの下位互換という印象。
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