教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

3/10 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「しびれ外来の名医が解明 真犯人は誰だ!しびれの意外な原因」

しびれの原因

 誰でも正座などをしていたら痺れたりするが、これは一過性ですぐに回復するもの。しかし原因不明の持続的なしびれで日常生活に支障を来している人がいたり、しびれの中には重大な病気が潜んでいる危険なものもある。そのようなしびれの原因を紹介する。

手足のしびれで悩む人は意外に多い

 しびれの原因の多くは脳と身体をつなぐ神経の障害で、神経が圧迫されることによって起こる場合が多い。だから人によってはあぐらをかくとしびれるようなこともあるという。ちなみに65歳以上で普段から手足のしびれを感じている人は74.3%もいるとか。

 

 

事例別のしびれの原因

 番組では昨年からしびれに悩む2人を被験者にして、その原因の究明に乗り出している。50代の男性は右手のひじから下にしびれが出ていると言い、60代の女性は両足(主に左足)に24時間しびれがあるという。

 まず男性については右手のみのしびれと言うことで、中枢神経の問題がないかを問診などで検査。脳卒中などが起こっていたら半身に麻痺が出ることがある。彼の場合は足にはしびれはないし言葉も普通であることから中枢神経には問題なし。次に問題となるのは頸椎が変形して起こる脊柱管狭窄症、椎間板の変形による頸椎症性神経根症、鎖骨の脇の神経が圧迫される胸郭出口症候群、肘の変形で起こる肘部管症候群、手首の手根管が圧迫される手根管症候群などが考えられる。彼の場合は首のMRIやX線画像検査の結果、中枢神経には問題ないが、首の末梢神経が圧迫されていることが判明した。どうも枕が合っていないのが原因と考えられるとのこと。

 さらに指のしびれに注目したところ、全ての指が痺れているということから、親指や人差し指にしびれが出る頸椎症性神経根症だけでは説明がつかない。そこで神経伝導検査を行ったところ、手根管症候群の可能性が浮上した。ただこの場合も小指は痺れない。そこで採血をしたら脱水症状が見つかったとのことで、これで末梢神経が弱ってしびれが悪化していたのではという結論に。

 次に女性の方だが、中枢神経や神経の通り道には問題なし。しかし足を見たところで原因判明。足がボコボコしており下肢静脈瘤が発症しており、これで血流が悪化しているのが原因と推測出来るとのこと。血流が悪化しているのでそれで神経が栄養不足になってしびれが出ていたのだという。今までしびれの原因が分からないことがストレスとなって体重減少まであったという彼女もこれでホッとできることに。

 

 

命に関わる危険なしびれ

 最近増加しているしびれの原因に姿勢の悪さによるものがあるという。スマホなどが原因となった変形性頸椎症によるしびれが増加しているという。

 なお命に関わる病気として指のしびれから始まって徐々に上に上がっていくのが糖尿病によるしびれだという。高血糖のために末梢血管が傷ついて末梢神経に栄養が届かなくなる糖尿病性神経障害が発生するのだとか。またしびれが出る病気で怖いのは脳卒中である。半身にしびれが出る場合はこれが疑われる。


 以上、本当は怖いかもしれないしびれの話。なお私は頸椎ヘルニアを持っているので、これが原因の手のしびれや、腰椎椎間板ヘルニアが原因の足のしびれなども体調によっては出ます。手のしびれが出たら細かい作業に難が生じるし、足にしびれが出たらダルくて歩けないようになるので困ったものです。

 

 

忙しい方のための今回の要点

・手足のしびれは一時的なものは誰でも起こるものだが、慢性的なしびれで苦しんでいる人も少なくない。
・しびれの原因は単純ではなく、中枢神経に問題のある場合、末梢神経に問題のある場合、腕のどこかで神経が圧迫されている場合などがあるので、ケースバイケースで診断が必要である。
・また下肢静脈瘤などがあって血流が悪いと神経が栄養不足になってしびれが出る場合がある。
・危険なしびれとしては、まずは脳卒中などによるしびれ。この場合は半身麻痺が出て、呂律が回らなくなるなどの症状が出る。
・さらに指先からしびれはじめ、段々と範囲が上がっていく事例があるが、これは糖尿病が原因。末梢血管が高血糖で傷ついて、末梢神経が栄養不足になっているのが原因。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・糖尿病性神経障害はかなり怖いです。重症の火傷をしていたのに気付かなかったなんて例も。さらに痛覚が死んでいるせいで手足の壊死につながったりします。

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