顎の不調からつながる全身不調
今回は人間にとって重要な筋肉である顎の咬筋(咬む時に使う)と顎の下の喉元の舌骨上筋群(物を飲み込む時に使う)について取り上げる。これを鍛える顎筋ケアで健康を手に入れようと言うことらしい。現在1900万人が顎の不調を感じており、それを放置すると認知機能低下や肺炎など全身に悪影響がある可能性があるという。
咬筋の不調から来る顎関節症の対策
まず咬筋の不調であるが、顎が開かないやら動かないという症状が出る。実際に顎関節症を患った患者は、口が開けられない物が食べられないなどと訴えている。顎関節症の患者は増えており、それは顎に負担のかかる生活をしている人が増えているからだという。
顎関節症の原因には咬筋の筋肉痛があるという。その原因について「恋愛」なんてのが唐突に登場して視聴者の気を惹く仕掛けになっているが、要はストレスが原因になるというなんてことない話。
ストレスがかかった場合の反応を見るとして若手芸人にドッキリをしかけて、その時の筋電計の記録を見るという企画をしているが、これは例によってこの番組らしい無駄な内容。要は噛みしめるというような強力な力はかからないが、その1/10の力が長時間かかるという状態になっているという。リラックス状態では本来は上下の歯には隙間があるのだが、ストレスがかかることで歯が触れる状態(いわゆるちょい噛みだとか)になっており、これが続くと脳が歯を離すような指令が出るのだが、これが続くと脳が反応しなくなってしまうので常に歯が触れた状態になり続けるのだという。すると睡眠中の歯ぎしりの60倍もの負担がかかることになるとのこと。これで咬筋に疲労が溜まってしまって顎の不調になるのだとか。
そこで顎筋ケアだが、ちょい噛み癖を解消することが重要だという。そこでスマホのアラームを1時間ごとにセットし、その時にちょい噛みに気付いたら大きく息を吐いて自然に歯を離させるのだという。これは認知行動療法として顎関節症の治療として取り入れられているという。番組では実際に顎の不調を感じている人に2週間実践してもらったところ、被験者の多くが状況の改善につながっている。また咬筋を直接マッサージする方法や口開け運動なども紹介している(詳細は番組HPへ)。
誤嚥性肺炎を防ぐための顎筋トレ
次は舌骨上筋群の方だが、これは飲み込みに関連している筋肉である。これが適切に働くことで飲み込み時に気管を塞ぐので飲み込みが確実にできるのだという。しかし加齢で弱ってしまうので、そうなると飲み込みのミスが増えて気管に入り込むことで誤嚥性肺炎につながるのだという。
これを防ぐには顎筋トレ。その内容はゴムボールを喉元に当てて顎で押さえるというもの。ボールの反発力で舌骨上筋群に負荷をかけるのだという。また硬い巻笛を吹く方法なども実践している。この方法は全国のリハビリ施設でも導入されているとか。なおボールがない場合はバスタオルを丸めて使う方法もあるとのこと。
以上、顎の筋肉の鍛え方。まあ内容的には妥当だし、誤嚥については特に高齢者には命にも関わることなので重要。
もっとも毎度のことながら番組の内容にかなり無駄が多い(今回は特にそれが目立った)ことでかえってポイントが不明瞭になっている感が強い。なおこの番組の無駄は、そもそもの内容の薄さに原因があることは明らか。実際に番組のポイントをまとめたら実は三行ほどにまとまってしまうのである。
忙しい方のための今回の要点
・顎の筋肉のケアの仕方について紹介。
・まず咬筋の不調は顎関節症につながる。原因はちょい噛み。対策として1時間ごとにアラームを鳴らし、その時にちょい噛み癖に気付いたら、大きく息を吐いて意識的に歯を離すことを繰り返す。
・舌骨上筋群が加齢で衰えると誤嚥性肺炎につながる危険がある。これを鍛えるには喉元にゴムボールを当てて押さえる喉筋トレで筋肉を鍛えること。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・内容的には問題ないのだが、最初から言っている「とにかく番組の作りが下品」というのが今回は極まっている印象。
前回のトリセツショー