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3/11 NHK-BSプレミアム 偉人たちの健康診断「正岡子規 痛いの痛いの飛んでいけ」

 今回の主人公は俳人正岡子規正岡子規の生涯は闘病に明け暮れたのであるが、彼が最初に結核を発症したのは21才の時。政治家を目指して東大に入学し、勉強の傍らで野球や俳句に明け暮れていた頃。当時は不治の病であった結核の発症に、大抵の者なら希望をなくしてガッカリとしてしまうところだが、子規は「いつまで生きられるか分からんが、こうなったら好きに生きよう」と大学を中退して本格的に俳句三昧の生活に入る

 子規の生活の特徴として、とにかく食に対する執着があるという。彼自身大食漢で、それもうなぎとか結構贅沢なものを好んだらしい。また彼が特に好きなのは果物でみかんなら15個ぐらいは食ったとの話が。このような果物の摂取は体の免疫力を高める効果があるので、彼の闘病には良かったのではないかと番組はしている。最近は国も1日に摂るべき果物の目標として200グラムを掲げている。番組がお勧めの果物は、朝のバナナ(何かこれは少し前に流行ったような)、リンゴは輪切りにして皮ごと食べる(皮に栄養があるとか)、そして干しぶどうは栄養価が高いのでサプリの効果が(ただし糖分も多いので1日50粒まで)とのこと。

 しかし病が悪化してくると、結核が骨に感染して脊椎カリエスの状態となる。こうなると脊椎が破壊されて激痛に苦しむことになる。しかし子規は独自の痛みを紛らわす方法を諸々試していたらしい。それは本を読むとか美しい花を思い出すとか、金魚を飼ってそれを眺めるとか。要は痛みから気を逸らすということ。痛みに対して恐れや不安を感じていると脳内の痛みを緩和する働きがあるDLPFC(背外側前頭前野)が萎縮することが分かっており、カウンセリングなどで不安を取り除くと萎縮したDLPFCが回復して痛みが弱くなるのだとか。つもりは気を紛らわすというのは効果があるらしい。

 またボディタッチなども痛みの関門を閉鎖するといわれており、表題の「痛いの痛いの飛んでいけ」なんてのもその効果があるとか。また子規は看病をしてくれていた妹の悪口を日記に書いていて、ストレスを溜めずに吐き出すなんてこともしていたらしい。

 さらに痛みを客観的に見るということも重要。現在、痛みの記録をつけてもらうということに取り組んでいる病院などもあるが、痛みを客観視することでこれも不安解消などにつながって痛みの低減効果もあるのだとか。子規は自身の闘病状態を新聞に発表しており、これはまさに自分を客観視していたことになるという。

 結局、健康とは何だという問題に行くつくらしいが、最近の考え方では、健康というのは単に体に病気などがないという意味でなく、日常行動や社会活動がどのように出来ているかということも含むという考えになっているという。つまり例えば難病で体が不自由になっていても、本人が生活を楽しむことが出来、何らかの方法で社会に関わることが出来るのならそれは健康であるということらしい。ということは、体は病気ではなくても引きこもりなんかは不健康という扱いになるな。

 子規は最後まで生活を楽しむということにこだわったようで、最後にはモルヒネを使用して痛みを緩和した時には、絵を描いたりとかまでしていたらしい。その絵が結構味のある良い絵。とても病に苦しんでいる人間とは思えない。結局は死ぬまで精一杯楽しく生きたのが子規の生き方だったようだ。

 うーん、なかなかここまで前向きに生きられるもんだろうか? やはり子規という人物はそもそもバイタリティーの強い人間だったんだなということを感じる。ここまで行くと器量とかそういう次元。果たして誰でも真似が出来るかといえばそういいかんだろう。私が難病になったとしたら・・・日常生活と社会参加はネット漬けかな(笑)。