教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

4/25 BSプレミアム 偉人達の健康診断「織田信長の隠れた病」(再放送)

 戦国の覇者・織田信長だが、記録を見てみると見事なほどに病気の話がないのだとか。当時の大名が病気になるとまず記録は残るので信長はかなり健康だったのではと考えられる。その理由が岐阜城にあるという。

信長健康の秘訣は山登り?

 岐阜城は金華山という高い山の上にある城だが、信長はこの城に住んでいたのだとか。普通山城と言えば戦の時に籠もるための城であって、日頃は麓の館に住んでいる。しかし信長は毎日この山を上り下りしていたらしい。登りで50分、下りで40分かかるので、かなりハードなトレーニング。1年で体脂肪10キロ分に相当するとか。ちなみにこの金華山、私は下った経験はあるのですが、後で足腰がガタガタになりました。山登りでなくて下りでキツいと思ったのはあれが初めてです。

 老化すると太ももの筋肉が衰えるので、それを鍛えるのは健康寿命を保つには重要通常のウォーキングだと太ももにはほとんど負荷がかからないので、上り下りをつけるというのは重要なのだとか。信長は岐阜城を出た後も高層建築の安土城の天守に住んでいたので、やはり階段の上り下りを常にしていたことになるという。

 また信長が愛用した草履にも健康の秘密があるという。信長は足軽などが使っていた足半というかかとのない草履を愛用していたらしい。現代人に多い症状として、足の指が完全に地面から浮いてしまう浮指という症状があるが、これがあると自然に姿勢が前傾になってしまうせいで、肩こり、腰痛、目眩などの症状につながるという。しかし足半は自然に足の指を鍛えられるので、これらの症状の防止に最適。信長は肩こりなどもなかったのでは亡いかとの推測。ちなみにこの足半、完全に浮指の人が履いたら、体の重心が変化するためにまともに歩けないとか。番組でも浮指のカンニング竹原がこれを履いて悪戦苦闘している。

 次に信長の身長を割り出そうとしているが、これは肖像画から推測したところでは170センチという数字を出している。当時の平均身長が160センチ未満なのでやや大柄というところか。体重は全く記録がないが、太ってはいなかったのは確実だろうとしている。

 

信長が抱えていたかもしれない致死性の病

 完全に健康優良体の信長だが、ある致死性の病になる可能性は秘めていたという。それは心筋梗塞。信長は短気で攻撃的という性格で、これは心筋梗塞になりやすいタイプAという性格分類になるという。怒ると血圧が上がるだけでなく、アドレナリンが分泌されることで血小板が活性化して血栓ができやすくなるのだという。もし49歳で本能寺で倒れることがなかったとしたら、ある日突然心筋梗塞で倒れたのではというのが番組の推測。

 以上、信長の健康について・・・ですが、私は信長の病気と言えばフィジカルのものでなくて、メンタルなものがあったのではと思っています。信長の行動を見ていると明らかに情緒不安定でヒステリーです。肖像画を見てもどことなく神経質そうな雰囲気はあるし、結構メンタルがやばかったのではというのが私の推測です。まあ天才と何とかは紙一重という人物が信長だったのではないでしょうか。

 

忙しい方のための今回の要点

・信長は日頃から山頂と麓との往復などを繰り返していたため、足が鍛えられることによって健康体であった。
・また信長が愛用した足半は足指を鍛えて姿勢を正す効果があるため、肩こりなどの症状もなかったと推測される。
・しかし信長は心筋梗塞になりやすいタイプAの性格だったため、心筋梗塞で亡くなった可能性がある。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・信長愛用の足半って、あれにそっくりの健康サンダルが今でも売られてますよね。
・ゲストの誰かが言ってましたが、信長が岐阜城に住んじゃうと、家臣は大変だったでしょうね。信長は1日1往復かもしれないけど、家臣は何往復もする必要があったのでは。私なら途中で過労で死んじゃいそう。
・信長が「怒った時は10を数える」ということを知っていたらという映像がありましたが、あんな信長は逆に気持ち悪い(笑)。

 

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