一般人の平均寿命が40歳程度だったと言われていた時代に75歳まで生き、そのおかげで天下を取ることが出来た徳川家康。その家康の健康法について紹介。
健康オタク家康の肥満の理由
まず家康と言えば自分で薬を調合するぐらいの健康オタクだったことは有名。常に麦飯などの粗食を好み、年を取っても乗馬を欠かさないなど運動も良くしていた。それが家康の長寿の秘密であることは既に知られているが、ただ家康はその割には太っていたことも事実。なぜそうなったか。
家康は我慢強いと言われているが、実際にはかなり神経質でストレスの多いタイプ。彼は指の爪を噛むクセがあったことが知られているが、あれは一種の自傷行為であって神経質である証拠だという。また家康の行動パターンとして、ストレスがかかると飯をどか食いするということがあったらしい。三方原で大敗して命からがら逃げてきた時も、本能寺の変の後で伊賀越えをした後も、飯を三杯かっ食らっているとのこと。それでなくても高ストレス型の人間がこの習性を持っていたせいで必然的に太ったとのこと。ちなみに家康のことを語っている資料の中にも「家康は我慢強いが短気である」という記述もあったりする。多分本来は神経質な上に短気な人間なんだが、人質生活やパワハラ上司(信長)などの苦労を重ねるうちに処世術として我慢強さを習得せざるを得なかったんだろう。
このようなストレスがかかったら飯を食べるなどの行為は心理学的にはストップ法といい、ネガティブな考えに頭が支配されそうになった時に、何らかの行動でその思考を切り替えるということを条件付ける行為なのだという。アメリカのバスケットボールの選手などでも、手にゴムを嵌めてストレスがかかった時にはそれをパチンとやって気持ちを切り替えるなんてことをしている者がいるとか。番組では「ストップ」と叫びながら手を叩くという方法を紹介している。確かにドカ飯を食らうよりは良いだろう。私もストレスがかかるともろに過食になるタイプなので試してみるか。
家康の長寿を支えた食生活
また家康の食べ物に対する気の使い方はかなり徹底しており、特に旬の食材を食べると言うことと、食べ物には火を通すということに注意していたらしい。だから信長から送られた季節外れの珍しい桃にも手を付けなかったという(毒殺を疑ったとかじゃないんですかね?)。
そんな家康が取り寄せてまで好んで食べていたのが浜納豆だという。普通の納豆は納豆菌で発酵させるが、浜納豆は麹で発酵させたもので、今の味噌や醤油の元祖とも言えるという。浜納豆は主に寺で作られていたが、家康は人質時代に寺に送られて太原雪斎の下で学問に励んでいたので、その時に食べたのではないかとのこと。そしてこの浜納豆は抗酸化作用が強く健康に良いという(ただし塩分が多いのでキュウリなどのカリウムの多いものと合わせることを勧めている)。
家康は老眼にならなかった?
最後が表題に出ている老眼の件だが、家康は70歳を過ぎても火縄銃での射撃の腕が衰えていなかったことから、老眼はなかったと考えられるという。
一般に老眼は目の筋肉の衰えによって起こるので、個人差はあれど誰でも例外なく発生する現象である。当然家康も目の能力自体は落ちていたはず。しかしそれを脳の機能で補っていたのだという。視力というのは目から入ってきた映像を脳で処理するので、脳の能力が高ければ結果として視力は良くなるという。
この脳の能力を鍛える方法としてガボール・アイというものがあるという。これはピントの合っていないぼやけた絵を見る方法なんだが、この訓練によって映像を処理する脳の能力が高まるのだとか。家康はかなりの読書魔であり、江戸城に書籍を蒐集した図書室を作ったぐらいである。家康の読んでいた本は墨で書かれたかすれた文字を読むことになるから、このガボール・アイのような効果があったのではというのが番組の解説。まあこれはやや強引な気はする。
以上、家康の健康法について。ちなみに家康が自ら薬を調合するのに使用していた道具が久能山東照宮にあるという話が以前にこの番組で登場してましたが、私も久能山に行った時にそれを見てきました。
まあ薬などがどれだけ効果があったかは分かりませんが、それだけ健康に気を使っていたというのが成功の秘密ではあるのでしょう。特に晩年の家康は生き残ることにかなり執念を燃やしていたようなところはありますので。実際に家康が50ぐらいで心筋梗塞かなんかでコロッと逝っていたら、歴史は完全に変わったでしょうから(秀忠では天下を取ることは無理)。そうなっていたら、豊臣家がそのまま残ったか、それとも伊達政宗辺りがチャンス到来と天下取りに乗り出したか。私は「戦国時代パート2」になってさらにしばし乱世が続くことになる可能性が高いような気がしますが。
忙しい方のための今回の要点
・家康はストレスがかかるとドカ飯を食べる癖があったため、健康オタクの割には太ってしまったと推測される。
・ストレスがかかった時に何らかの行動で考えを切り替える方法はストップ法という。番組では「ストップ」と叫んで手を叩く方法を実践。要は何かの行為で思考切り替えを条件付けるのだという。
・家康が好んだという浜納豆には抗酸化作用があるので健康に良い(ただし塩分は多い)。
・家康は老眼にならなかったと推測されるが、それは彼が読書魔で、かすれた文字を読むことを繰り替えすことで脳内での映像の補正能力が鍛えられていたからだと推測される。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・家康がかなり健康法を徹底していたのは間違いないようですが、そこまで執着するのも彼の神経質な性格が影響はしているのでは。
・ゲストのカンニング竹山が「自分もストレスがかかったらどか食いする」ということを言ってましたが、それは見ただけで想像が付く(笑)。彼もテレビで見る限りでは結構神経質なタイプに感じられる。
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