教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

6/19 NHK ガッテン「今すぐ出来る!オレオレ詐欺を元から断つ秘策」

オレオレ詐欺対策には留守電設定

 今回はオレオレ詐欺の被害を防ぐ方法だが、結論から先に言うと「電話を留守電設定にすること」。詐欺犯が留守電にメッセージを残すということはなかなかしないだろうということがまずあるが、それ以外にも重要な効果があるという。

オレオレ詐欺に引っかかる理由は電話にあった

 それは心理学が絡んでいるもので、なぜそんなに詐欺に欺されるのかというところのポイントでもある。番組ではある実験をしている。それは2つのグループに分かれて、例えば鉛筆を立てるなどの作業をしてもらう。それに対してわざと急かせるようなことを言うのだが、片方のグループは急かされてもほとんど関係なく作業が出来るのに、もう一方のグループはパニックになって作業がほとんど出来なくなってしまう。

 この両グループはどこが違うかだが、作業に影響しなかった方のグループはスピーカーで声を聞いていたのに対し、もう一方はイヤホンで声を聞いていたということ。耳元で囁かれた音声は人間の感情に直接影響を与えてしまうという研究報告があるのだという。耳元で囁かれるということは、自分のパーソナルスペースに相手が入っていることを意味し、それだけにその音声を無視できないという気持ちになってしまうのだとか。

 つまりは留守電にして録音をスピーカーで聞くというだけで、人間はかなり冷静になれるということらしい。そこで各地で留守電設定をすることを勧める運動をしている団体などもある。

 

留守電は失礼だから使いたくないという人は・・・

 ただ留守電はどうも・・・と言う人も結構多いらしい。やっぱり留守電だと相手に対して失礼だと思ってしまうのだという。日本人らしい気遣いではある。そこでその心理的障壁を取り除く技であるが、留守電メッセージを自分で工夫して録音するというもの。そこで「詐欺対策に留守電に設定してるから、名前と電話番号を入れてね」というようなメッセージを入れておく。すると無味乾燥なアナウンスが流れるわけでないから、相手に対して失礼感もなくなるだろうというもの。この方法で、今まで留守電設定をしてくれなかった家庭も留守電設定を使ってくれて目出度し目出度しというオチで終了。

 電話を留守電設定にという話は聞いてましたが、耳元で囁かれることによる心理的効果と言うことまでは私も考えてませんでした。確かに事例を聞くと「なんで、そんなアホな手口に引っかかるんだ」と思うのですが、実際の当事者は詐欺を疑いつつも結局引っかかってしまったと言ってるんですね。その辺りの理由はここにあったのかと納得。確かに若い女性などに耳元で愛を囁かれるとコロッといっちゃいますよね(笑)。

 


忙しい方のための今回の要点

・オレオレ詐欺対策には電話を留守電設定にすることを推奨する。
・人間は耳元で囁かれることによって、その声を無視できないという心理になってしまうので、オレオレ詐欺はそれを利用している。留守電メッセージをスピーカーで聞くことで、冷静になることが出来る。
・留守電にするのは失礼だと感じる人は、自分でオリジナル留守電メッセージを録音することがお勧め。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・来週はこの番組はまたお休みで、スポーツ云々の番組をするようです。どうも毎月最終週は別番組になることになってしまったんでしょうか? この番組もかなりネタ切れなんかな? 最近休みが増えてきたような気がします。これはそのうち「ガッテン選」とか言って、過去の再放送もするようになるかも。もっとも既に過去のネタの焼き直しは何度もやってますが。

 

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