教養ドキュメントファンクラブ

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6/30 サイエンスZERO「秘話満載!ブラックホール撮影 密着ドキュメント!」

 今年の4/10に初めて観測されたブラックホールの映像が発表されたが、ここに至るまでのドキュメントが今回の内容。

ブラックホールの初めての「直接観測」

 そもそもブラックホールとはアインシュタインの相対性理論によってその存在が予測されたのであるが、現実に観測がされたことは今までなく、今まで集まっていたのは「存在するのでは?」という傍証ばかりである。そこで今回、初めてブラックホールを直接観測しようと言うことになったわけである。

 しかし宇宙に存在する穴のようなブラックホールをどうやって観測するか。ブラックホールが周囲のガスを取り込む時、この時ながらガスは回転しながら加速して数百万度に温度が上がる。この際に発する光を観測すればブラックホールが観測できたことになるのだという。

地球サイズの望遠鏡を作る

 しかし実際の観測には問題点があった。ブラックホールは小さすぎるので現在の最高の望遠鏡でも観測は不可能。そこで地球上の8カ所の電波望遠鏡を接続して観測するイベントホライズンテレスコープという方法がとられた。この方法によって理論的には地球サイズの望遠鏡を使用したことと同じになるという。ただそのためには時刻の調整が非常に重要になる(望遠鏡の所在地によってブラックホールから電波が届く時間が微妙に違う)ので正確な時刻が必要。そこで100万年で1秒の誤差しか生じないという原子時計が使用されることになった。

予想外のトラブルの続出を乗り越えて

 そして観測開始。世界の8カ所の望遠鏡が1週間に渡って同時に同じ天体を狙うことになる。しかしこれもトラブル続出だったという。初日は天候に恵まれたものの、2日目になるとメキシコの電波望遠鏡が悪天候の上にトラブル発生と大混乱になったり、最も高性能な望遠鏡であるチリの電波望遠鏡でデータ破損の可能性が浮上したりなど。関係者は対応にてんやわんやとなるが、何とか予定の観測を終了する。

 観測データは直ちに大型コンピュータによる解析にかけられるが、ここでもなぜかスペインのデータに時刻の誤差が見られるなど予測不能のトラブルが発生して、またこの対応に大わらわすることに。

 そしていよいよ画像化することになるが、ここでも今回の観測データはブラックホールの一部のデータに過ぎないので、どうやって全体像を描き出すかが難問となる。結局は3種類の方法が提案され、それぞれのチームが画像作成に取り組み、最終的にはよく似た画像になれば成功という判断。こうしてようやく画像の作成に成功する。

 

 まあかなり大変なことをしていたんだなということは分かりますが、正直なところ天文学にとって全くの素人の私には、今回の画像がどれだけの価値があるのかが今ひとつピンときません。単に「見た」というだけで、今回の画像からブラックホールについての何か新知見に結びつくんでしょうか? その辺りを素人にも分かりやすく説明してもらいたかったところです。

 それともう一つ気になったこと。ナレーションをやっていた小嶋瑠璃子のかすれた声が非常に聞きとりにくい。おかげで見ていて非常に疲れました。彼女の声質はどう考えてもナレーション向きとは思えません。普通にNHKのアナウンサーを起用した方が良かったんじゃないでしょうか。

 


忙しい方のための今回の要点

・ブラックホールは今までその存在が理論的に予想はされていたが、直接的に観測がされたことがなかった。
・ブラックホールを直接観測するのは現在の最高性能の望遠鏡でも困難なので、世界8カ所の電波望遠鏡を接続して、理論的に地球サイズの望遠鏡として使用するイベントホライズンテレスコープという方法が用いられた。
・観測中の望遠鏡のトラブルや、データ解析における思わぬトラブルなど、予想外のトラブルが続出したが、何とかブラックホールの姿を描き出すことに成功した。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・NHKってなぜか以前から、ナレーションが本業でない人をナレーションに起用したりするということが多いんですよね。あれだけ本職のアナウンサーを抱えているのだから、彼らを使えば良いのに。私はナレーションで話題性を作ったりするのは反対です。ナレーションの役割はとにかく聞き取りやすいかですから。以前に動物番組で起用した小泉今日子なんかは特にひどすぎた。タバコやけのガラガラ声のせいで、何を言っているのかさっぱり分からなくて難儀したことがあります。