今回は脳梗塞、心筋梗塞などと並んで問題となる病気。それは果たしてどこが梗塞するのかということから始まる。
足梗塞とは何か?
その部分は足。足の血管が詰まる病気の足梗塞(正式名称、末梢動脈疾患)が問題となってきているのだという。アメリカなどでは足病医という足の専門医がいるのだが、日本では足の専門科がいないために見逃されがちな病気であるという。
番組には実際にこの病気になった方が登場する。病気などはない方で、奥さんと一緒に旅行などをしていたという元気な人。しかしある時に異変が現れる。少し歩いたら足がしびれて歩けなくなってしまったのである。少し休むとすぐに歩けるようになったのであまりに気にしていなかったが、段々と症状はひどくなってきて、ついには横断歩道を渡りきることさえ困難になってしまう。そこで病院に行ったところ告げられたのは、足が壊死寸前でこのままだと切断することになってしまうという宣告。
彼の足の血管を撮影すると、本来はあるはずの太い血管3本が全く見えていない。足の血管が詰まってそこから先の血管に血が流れていないのである。よく見ると横に細い欠陥があり、これは太い血管が詰まったためにその先に血を流すのに後で出来た血管(番組では言っていないが新生血管というやつである)。これのおかげて辛うじて足に血が通っていたが、動かすとすぐに血流が不足するのでしびれが来ていたということ。これで足の切断に及ぶ人が年間1万人もいるという。また足梗塞が出ていると言うことは、動脈硬化などが進んでいるということなので、心筋梗塞や脳梗塞を発症する確率も3~4倍に跳ね上がるとのことなので、早期に発見して対処する必要がある。
足梗塞の診断法
ではこの足梗塞をどうやって見つけるかだが、専門科的には横になって腕と足の血圧を測定することで分かるそうな。通常は足の血圧は腕の血圧よりも1割程度高いものであるが、なかにはこれが低い人が。このような人は血管が狭まることで血流が悪くなっていると推測されるのだという。
しかしこれだと病院に行かないと測定できない。そこでもっと簡単な方法を提案するのがこの番組。まずは症状である足のしびれに注意する必要があるが、これについてはゲストの大久保佳代子氏が「椎間板ヘルニアがあるせいで足にいつもしびれがある」と言っていたが、この病気を持っている人なら区別が付きにくい(実を言うと私もこの病気のせいで足にしょっちゅうしびれが出ます)。そこでさらなる判断方法を提案している。
家庭で出来る方法
一つ目はアメリカの足病医に聞いたところの「ペダルヘア」に注目するということ。これは何かと言えば足毛である。左右の足を比べて、片方の足だけが足の毛が極端に少ないなどがあれば、それは血管が詰まって栄養不足になってしまったために抜けたという可能性が高いということになる。なおアメリカ人の足病医は「足病医に来てペダルヘアを見ないなんて、アメリカに来て自由の女神を見ないみたいなこと」なんていういかにもアメリカンな大雑把で的外れな喩えをしている(笑)。
もう一つは足上げテスト。これは仰向けになって足を上げ(この時に足を誰かに支えてもらったらやりやすい)、足首を前後に20~30回動かすというもの。足梗塞があれば血流が悪いところに運動をすることになるから、みるみる足の血色がなくなってくるということになる。これで左右に足の色が出るようなら注意ということになる。
のだが、どちらも左右の違いに注目となっているのだが、両足共に詰まってたら違いが出ないように思うのだが、両足共に詰まるというケースは少ないのか?
なお番組ではゲストの一人の木村祐一氏が被験者になって足上げテストを行っているが、その足がやけに綺麗だなと思っていたら、やはり志の輔氏も同じツッコミを入れている。木村氏は足上げテストの結果は異常なしで目出度し目出度しという展開。
足梗塞の予防法
この後は専門家(日本フットケア・足病医学会理事長の小林修三氏)が登場して解説。なおこの学会、今年の7月に立ち上げたばかりだそうな。つまりはようやく日本でも足病医が出てくると言うことか。
で、この小林氏が言いたいことは「足のしびれつまずきを甘く見るな」ということ。日本はどうも文化的に足を軽く見がちであるのでそれがいけないということらしい。足梗塞の治療としてはまずはフットケア。足を清潔に保ち保湿、靴を調製するなどして魚の目などを作らないことだとか。こういうものが出来ると足に負担がかかって足梗塞を悪くすると言う。
さら生活習慣の見直し。特に血管に負担をかける喫煙は御法度である(まさに喫煙は万病の元)。そして運動療法を行う。30分程度の軽いウォーキングを週に3日で良いそうな。これで先ほどの壊死寸前といわれていた方も見事に回復したらしい。歩き方のポイントとしては、3分歩いて1分休むを繰り返すとのことだが、これはそもそも長距離を歩きにくくなっている人が無理せずに距離を伸ばすためのものだから、そこまで行っていない人は別に休憩はいらない気がする。運動をすることで、詰まった血管は回復しないものの、バイパスの新生血管が刺激されて太くなることで血流が回復するのだという。なお状態が悪い場合の最終手段は、血液がさらさらになる薬を服用したり、血管をバイパスしたり広げる手術を受けることだが、そうなる前の予防が大切である。
最後に登場するのが、先ほどのフットケア学会が育成に力を入れているというフットケア指導士。足の健康を保つための指導士である。特に人工透析患者などは糖尿病や腎臓病で足を悪くすることが多いのでフットケアは重要とのこと。
以上、足の病気について。例によって内容は良いのですが、番組の作りとしては無駄やらモタモタしたところも多かったです。途中の足毛について「そんなの見せられない」とか「ふざけるな」とやっていたのは完全に無意味。まあバラエティとしてお遊びを入れたいのは分かりますが。
さらにそれ以上に無駄だったのは、冒頭で○梗塞の○の中は何かで引っ張った展開。これをやるなら番組表に今回のタイトル記載しちゃってたら完全にネタバレでお馬鹿すぎます。どうも番組がリニューアルしてから、こういう細かい点に雑さがちょくちょく見えるんだな、この番組は。
忙しい方のための今回の要点
・足の血管が詰まる足梗塞で、足が壊死して切断しなければいけなくなる事例などが起こっている。
・初期の症状としてはしびれが現れるのが特徴。歩いたらしびれて、少し休むと回復するというパターンが注意。
・診断方法は足と腕の血圧を同時に測定して、足の血圧が腕よりも低ければアウト。ただし家庭で出来る簡易な方法として、両足の足毛を比較して、一方だけが極端に薄くないかでも判定できる。
・さらに足を上げて足首を20~30回前後に動かすという方法で、両足の色が極端に変わる(血の気が薄くなる)という状態になればこれもアウト。
・予防法はまずは足を清潔に保つフットケア、さらに禁煙などの生活改善、さらに1日30分程度のウォーキングを週に3回行う運動療法などが効果的。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・ところで番組では足毛について「そんなもの見せられない」とか「変態」とかやってましたが、足毛ってそんなに見せられないものですかね? まあ私は元々ほとんど足毛はないのでその感覚が分からないのですが・・・。女性などとしては毛深いと思われるのが嫌とか、そういうことですかね。
・最近はやはり1つのネタで引っ張るのがしんどいのか、番組中であからさまな「時間稼ぎ」と思われる展開が多いです。さらにはネタ自身がしんどいのか、最近は明らかにお休みが増えました。来週もまたどうでも良いような番組を放送するみたいだし。総集編が入ったりとか、まるっきり製作状況が厳しいアニメ作品みたいになってきてるな最近。
次回のガッテン
前回のガッテン