教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

12/8 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「冷えと思ったら"動脈硬化"~静かに進む血管老化」

 日本人の死因の中で脳梗塞や心疾患の背後に控えているのが動脈硬化。30代から兆候が現れる人もいるという動脈硬化について紹介。

動脈硬化で足のしびれが

 動脈硬化でとんでもない事態に至った人物がまず登場する。彼は階段を上ったり、長距離を歩いたりしたら足が痛くなるという症状が出ていたという。休むと戻るので運動不足だと思っていたのだが、だんだんと痛みの出る距離が短くなりついには100メートル歩いただけで足がしびれる状態。そこで彼は医者にかかったところ、足にかなり動脈硬化が進んでおり、このまま行けば足を切断することになりかねないと言われたのだという。彼の病名は閉塞性動脈硬化症。つまり動脈硬化のせいで足の血流が悪くなっており、そのために長距離を歩いたら足がしびれていたのだという。

 動脈硬化の原因としては主にLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が考えられる。この人物は肉が好きで肉をモリモリ大量に食べていたのが原因になったようだ。彼の動脈はプラークによって閉塞しかかっていたという。また足の血管に動脈硬化が起こっているということは、脳や心臓でも発生していることが考えられ、これが原因で脳梗塞や心筋梗塞を発症する恐れがある。

 

コレステロール以外の動脈硬化の原因

 また動脈硬化はコレステロール以外の原因でも発生する。次に登場した人物は夏にもかかわらず足の冷えがひどくて靴下をはかないといられなかったという。さらには足の感覚が鈍っていたために診断を受けたところ糖尿病だったという。糖尿病を発症した原因だが、彼の食生活。甘いものが好きで、なんとケーキ(しかもホール)をご飯のおかずにしていたという滅茶苦茶な食生活である(逆にこれで糖尿病にならない方がどうにかしている)。彼は現在は投薬治療を受けているという(これだけやっていてもインスリン注射にならなかったのか?)。なお糖尿病になると血管内に活性酸素が増えて血管の壁が傷つけられるので、そこからコレステロールが侵入して動脈硬化になるのだという。冷えは血流が悪くなったのが原因だという。最悪の場合は壊死につながる場合があるので要注意。なおそのような状態になっても自覚症状はほとんどなく、中には一日で足が壊死に至った例まであるという(怖いな)。

 

動脈硬化のチェック法と対策

 そのような危険性を事前に調べるのがABI(足の動脈のつまり具合を検査する)とPWV(血管の硬さを診断する)。どうやら四肢の血圧の違いを見るようである。左右の足に温度差があるとか、どちらのか足の毛がないなどが危険な兆候という(ペダルヘアという奴で、以前にガッテンで紹介していた)。

 なお高血圧や煙草も動脈硬化の原因となる。さらに動脈硬化の最大の原因は実は加齢である。では予防はとなると大豆や青魚などの不飽和脂肪酸が有効。また血糖値を抑えるために野菜を先に食べるというのが現在のトレンド。また何よりもやはり運動(結局はこうなる)

 

閉塞性動脈硬化症の手術による治療

 最後は閉塞性動脈硬化症の治療だが、重篤な場合は手術になる。この手術は血管内にカテーテルでバルーンを入れて閉塞部分で膨らませて血管を広げ、さらに金属製のステントを入れてそれが閉じないようにするという治療。驚いたことに歩けなかった患者が手術直後に立って歩けるようになり、翌日にはもう退院している。無事に回復して良かったですねというところだが、このような手術を受けないといけなくなったということは体内の血管がかなり劣化しているということなので、今後節制していかないと心筋梗塞や脳梗塞などで命を落とす可能性は高いということである。


 以上、万病の元となる動脈硬化についてであるが、一部さらに万病の元である糖尿病とのコラボという恐怖の最強タッグの内容となっていた。不摂生に心当たりのある者は悔い改めるほうが良いだろう。

 なお不摂生に心当たりのある人にさらにお勧めのコミックが以下。


忙しい方のための今回の要点

・動脈硬化は血管の壁にLDLなどの悪玉コレステロールが入り込んでプラークを生成することによって起こり、最悪は血管が閉塞して心筋梗塞や脳梗塞を発症する。
・足の大動脈に閉塞性動脈硬化症が発生した場合は、足がしびれて長距離を歩くことができないなどの症状が出る。
・また糖尿病も血管壁を傷つけることで動脈硬化の原因となる。特にひざから下に冷えなどの症状が出た時には要注意。最悪の場合は足の壊死につながる危険もある。
・さらに高血圧、喫煙なども動脈硬化の原因となるが、最大の要因は加齢。動脈硬化を防ぐには大豆や青魚に含まれる不飽和脂肪酸を摂取するとともに、適度な運動が大切。
・閉塞性動脈硬化症の治療にはカテーテル手術が行われる。バルーンで血管を広げ、ステントで固定する。足がしびれて歩けなかった人が、手術直後に歩けるようになったりなど劇的な効果がある。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・動脈硬化と糖尿病を防止できれば、後は怖いのはガンぐらいということになります。しかし加齢になれば高血圧か血糖値か中性脂肪のどれか、もしくは複数が検査で引っかかるようになってくるんですよね。
・私なんかも若いころからの不摂生のせいで、おそらく血管はボロボロです。
・最近になって人気が出たのが「はたらく細胞」ですが、関連シリーズが多く出てます。その中で上で紹介したBLACKはまさにBLACK職場の意味で、とんでもない状態の体内で細胞たちが苦労する話です。特に後の巻になるほど状況はさらに切迫してくるので、不摂生の自覚のある人は震撼するはずです(笑)。

 

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