教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

2/2 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「体のSOSを見逃すな!しびれに潜む病気のサイン」

 今回のテーマは手足のしびれ。65歳以上の7割が何らかのしびれを感じているという話があり、老化が原因としやすいところであるが、ここに見逃すことが出来ない病気のサインの場合があるという話。

 

手にしびれの出る肘部管症候群

 高齢者によくある細かい作業が出来ない、物を落としてしまう、つま先が引っかかるなどの症状にもしびれが絡んでいることがあるという。番組では実際に手にしびれがあるという被験者二人が東京品川病院脊髄脊椎外科部長の平沢元浩氏の元を訪ねて受診している。医師はまず問診を行い、次に筋力テスト、筆などで触って感覚神経を調べ、最期に腱反射を見て異常のある部位を調査している。

 まず左手の薬指と小指にしびれがあるという被験者であるが、しびれている部分が感覚が鈍っている上に筋力の低下が見られることから、肘で神経が圧迫される肘部管症候群ではないかと推測している。肘に負担のかかる仕事をしていると発症しやすい。小指と薬指の外側にのみしびれが現れるのが特徴。

 番組では神経が圧迫されると麻痺が起こるということを30分の正座で感覚神経が圧迫されると感覚が麻痺し、さらに運動神経が圧迫されることで足を思うように動かせないということを示しているのだが、番組的な盛り上げとしてはともかく、これは内容の説明には全く不要(笑)。

 

女性に多い手根管症候群

 肘部管症候群の他に女性に多いのが手根管症候群。これは手首の神経が通る手根管が靱帯が分厚くなって圧迫される症状。手首の負担で生じるので主婦に多いということのようだ。この時は肘部管症候群と逆に親指から薬指の内側にかけてしびれが出る。なお両手首を胸の前で曲げて合わせた時にしびれが出るかどうかでセルフチェックが可能である。関節に負担をかけない生活が予防や治療に重要・・・とのことだがこれが出来れば苦労しない。

f:id:ksagi:20200202184219j:plain

手根管症候群のセルフチェック 出展NHKのHP https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_273.html

 

脊椎の変形による神経の圧迫

 さてもう一人の被験者は右手の指先がしびれるとの訴え。腱反射がかなり強く出ていることから、中枢神経の障害の場合が考えられるという。具体的に言えば首の障害の可能性が強い。変形性頸椎症といって頸椎の変形でトゲのような骨が生じて神経を圧迫する病気である。原因の一つには老化がある。

 この病気は様々な症状がサインとして現れることが多いという。年のせいと放置する人が多いが、気をつけないと重篤な症状になることがあるという。ある経験者の証言によると、最初は肩の痛みが現れていたのだが、1年後には握力が低下して箸や茶碗を落とす、さらに歩き方がおかしくなるなどの症状が出て、さらに手にしびれが出てキーボード作業がツラいという状態になったという。彼は頸椎の骨を削る手術を受けて回復したが、放置すると日常生活を送れなくなる可能性があったとか。箸が使いづらい、よくつまずく、物をよく落とす、字が書きづらい、シャツのボタンが留めづらい、ふらつくなどの症状があれば要注意・・・とのことなのだが、ありゃ、全部該当するぞ・・・。なおスマホなどで姿勢が悪くなっているせいか、最近は高齢者だけでなく若者が発症することもあるとか。

 

命に関わる危険なしびれ

 さらに他にしびれの現れる病気としては腰部脊椎狭窄症だと下半身にしびれが、足の動脈硬化では歩行時にしびれが現れる。また糖尿病では手足の末端にしびれがでることがある。しかしさらに非常に危険なしびれとしては突然に現れるもの。例えば顔や手足の左右片側が突然にしびれた場合は脳卒中の可能性が高いし、左肩に突然現れるしびれは心筋梗塞の恐れがある。これらの場合は命に関わってくる。

 

 以上、しびれについて。特に手根管症候群や肘部管症候群は非常に多い病気です。なお私は腰部と首の両方にヘルニアを持っているので、手足のしびれはしょっちゅう発生します・・・我ながら満身創痍だな。手のしびれ及び痛みは半分以上職業病のような物なので、腱鞘炎を含めて指の問題はしょっちゅうです。ただ幸いにして顔面が半分しびれるなんてのはまだ経験したことがありません。

 

忙しい方のための今回の要点

・手足にしびれが出る場合の原因はいろいろ考えられる。手の小指から薬指の外側にしびれが出る場合は肘部管症候群の可能性が高い。
・逆に親指から薬指の内側にかけてしびれが出るのが、女性に多い手根管症候群。これは胸の前で両手首を折り曲げて合わせた時にしびれが出るかのセルフチェックが出来る。
・腱の反射が過剰に出る時は中枢神経の障害の場合が考えられる。手なら首の足なら腰の脊椎が変形して神経が圧迫されている場合が多い。
・特に危険なのは突発的に顔や腕の左右どちらか側がしびれる場合。これは脳卒中の可能性が高い。また急に左肩がしびれるのは心筋梗塞の可能性も。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・現代人は腕なども酷使しているということのようです。単に使うという意味でなく、細かい作業が多くなっているのも問題なんでしょう。人類がウッホウッホと誕生した頃にはパソコンキーボード作業なんかは想定されてなかったから(笑)。

 

次回の健康カプセル

tv.ksagi.work

前回の健康カプセル

tv.ksagi.work