今日は「靴下」という地味テーマ。番組ゲストも「番組表を見て靴下と書いてあったら見るのをやめるのでは」なんて言っていたが、確かになかなかに地味すぎるテーマである。しかしこれに対して目から鱗の話が登場する。
70年前に起こった靴下の大革命
まずは靴下の歴史について。実は靴下には70年前に大革命が起こったのだという。それによって靴下の性能が劇的に変わったらしい。番組では靴下の生産量が日本一という奈良県(これは私も知らなかった)で靴下メーカーを訪問して、昔の靴下製造装置で当時の靴下を再現してもらっている。
当時から機械でダッと編んでいくのは同じだが、当時は手回しだったのが今は電動でかなり早くなっている。しかし一番のポイントはそこではなくて糸の数。昔の靴下は1本の糸で編んでいたが、今は2本の糸を使うのだとか。そのことによって何が変わったかだが、靴下の伸縮性が全く変わった。その結果として、今の靴下は昔よりもずれ落ちにくくなってるとのこと。
さらには最先端の靴下も登場。一つはラグビー日本代表が使用していたという靴下で、この靴下はとにかく滑らないのが特徴。細い繊維を使用することで滑りにくい靴下を作ったハイテク商品なのだそうな(受験生のお守りにも良さそう(笑))。またもう一つは宇宙飛行士が使用したという1週間洗わなくても臭くないという靴下。これは繊維にキューティクルのような鱗があり、これが臭いを吸着して閉じ込めるのだとか。
ほとんどの人が知らない靴下の正しい洗い方
しかしこの靴下。実はほとんどの人が残念な使い方をしているそうな。実験に参加したのはバトミントン部の高校生達。彼らの靴下は練習すると汗でぐっしょりらしいが、左にはある細工をしてもらい、右はそのままの状態で一週間後。すると右の靴下は臭くて仕方ないのに、左の靴下は臭わないのだとか。しかも右の靴下はかなり傷んできているのに、左の靴下は綺麗なまま。このポイントはという話。
実はこのことは靴下のタグに書いてあるという。実際に見てみると「裏返して洗ってください」とのこと。しかしそんなものを知っている者はごく少数派だろう(私も全く知らなかった)。実際にショッピングセンターで50人に行ったアンケートでも、43人が残念な洗い方をしていたという結果に。
靴下を裏返す理由
ではなぜ裏返すのかだが、そのまま洗うと表の汚れだけが取れて裏の汚れはほとんど残ってしまうのだという。そもそも靴下は表には綿などの天然繊維を裏には伸縮性のある化学繊維を用いている(これが先ほどの2本の糸の意味)のだが、裏の伸縮性のある化学繊維の糸は縮れがあるために汚れが絡みつきやすいのだという。またここにつく汚れは皮脂などタンパク質系の汚れなので洗剤で落ちにくく、汚れが残ることで細菌が繁殖してそれが臭いの原因になるのだという。では表の汚れはだが、表の油汚れなどは洗剤で落ちやすいのだとのこと。また表の天然繊維はスレなどに弱いために洗濯で痛むのだとか(ということは履いていても痛みやすい気がするのだが・・・)。このようなことがあるので、靴下を裏返して洗うだけで全然傷みが変わるので長持ちするのだという。
番組ではさらにこの後、以前に放送した洗濯のノウハウして、部屋干しの臭いを防ぐには1ヶ月に一回酸素系漂白剤を40度のお湯に溶かしたものに入れて細菌をリセットするということと、ヨレなどを防ぐには洗濯機に入れる洗濯物の量を5割~7割に押さえるということを紹介している。さすがに以前に問題になった柔軟剤をタップリ入れてすすがないというのは省いている(笑)。実際にあれをダウニーなんかでやられた日には殺人シャツのできあがりですから・・・。
最後はご主人の靴下が臭すぎて子供からまで大顰蹙を買っているというご家庭が、この靴下裏返し洗濯をしただけで靴下の臭いがなくなって幸せ家族にというハッピーエンドストーリーを紹介して終わり。これは明日からでも試す必要がありそう。
というわけで超地味ネタだったんですが完全に目からウロコでした。こういう生活密着ネタこそこの番組の命。もっともこの一発ネタだけで番組一本作ってしまうと言うのは、正直なところ昔に比べるとかなり情報密度が減ったことは否定できませんが・・・。そう言えば昔にガッテン台というのがありましたが、あれは元々は一つ納得するとガッテン!で、3回納得してガッテン!ガッテン!ガッテン!だったのが、段々とネタがそんなに出せなくなってきたので、一発でガッテン!ガッテン!ガッテン!ってやるようになったと番組スタッフの人が言ってたっけ。ガッテンのネタ切れは大分昔からかなり深刻なようです。最近は毎週放送するのもつらいのか、また来週はどうでもよい番組が入るようだし。最近のこの番組は月2ペースぐらいになってますからね。最早隔週番組。下手するとその内に月1の特番になってしまいそうだ・・・。
忙しい方のための今回の要点
・昔の靴下と違って、今の靴下は表地と裏地で違う糸を使って編むようになっている。
・裏地の化学繊維は伸縮性があるが汚れが絡みやすく、表地の天然繊維は汚れが落ちやすいが摩擦などで傷みやすい。だから靴下は洗濯の時には裏返すのが正解。
・裏返して洗濯することで、裏側に付いた皮脂などの汚れを落とすことが出来るので、細菌の繁殖による臭いの発生を防げる。また表に付く油汚れなどは洗剤で落ちやすいので問題ないとのこと。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・靴下が臭くなりやすいかどうかは、足の発汗量などの体質もかなり影響するように思います。私は足が乾燥しているタイプなので、靴下が激しく臭うという経験はあまりありません。ただ体重が過剰気味のせいで、靴下がすぐにすり切れて底に穴が開くというのはありますが(笑)。また歩き方が悪いのか、親指のところがすぐに抜けてしまう。
・そろそろこの番組の後継も考えている節があるようですが、いろいろ流れたお試し番組的なものもどれもろくでもなかったですね(数週間前に放送された東洋医学の番組なんて、あまりにつまらなすぎて途中で見るのをやめた)。ただ番組自体を変えたところで、同じ生活情報系番組にしたら、ネタ切れはそのままですからね・・・。根本解決には全く違うタイプの番組を持ってくるしかないですが、そうするとずっとこの枠でやって来た生活情報系番組の伝統が・・・。同じジレンマはヒストリアも抱えているようですが(あっちもお試し的に放送した歴史探偵がどうしようもない番組だった)。
前回のガッテン