教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

2/23 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「~花粉症の人は要注意~命を脅かす大人のアレルギー」

 そろそろ花粉症が気になるシーズンとなってきたが、この花粉症から始まって命にかかわる危険性のある大人のアレルギーというものが存在するというのが今回のテーマ。

 

花粉症の治療法と効果のある食べ物

 まず花粉症の検査であるが、体に傷をつけて抗原の反応を見るというスクラッチテストが一般に行われる。花粉症とは花粉に反応してIgE抗体がヒスタミンを放出することでかゆみや鼻水などの症状が出る病気である。目下のところの治療法としては舌下免疫療法などの抗原に体を徐々に慣らしていく減感作療法がメインだが、2~3年と長期間かかるのが問題点で、この間に治療を放棄してしまう患者が少なくないという(実際に私もこれで途中で断念した)。

 現在、花粉症を和らげる可能性がある食べ物としてにごり酢が注目されているという。にごり酢に含まれる酢酸菌が2種類の免疫スイッチを入れる(乳酸菌と納豆菌は1種のみ)ことによって免疫を正常化すると期待されているとか。番組では牛乳にヨーグルトとにごり酢を混ぜたドリンクを進めている。にごり酢が入手できない場合は黒酢やバルサミコ酢でも代用可能とのこと。

 なお筧氏は腸内環境を整えることで花粉症が治ったと言っているが、実際は花粉症の完治は難しいらしい。最も経年変化等で症状が緩和されることはあるとのこと。なお高齢化して免疫力が落ちると花粉症が出なくなるということを私は聞いたことがあります。ただこの状態は他の病気で命を落とす可能性が高いというかなりやばい状態ですが。

 

命にかかわる恐ろしい大人のアレルギー

 そして怖いのが大人になって出てくるアレルギー。花粉症を持っている人は交差反応で食物アレルギーが出ることがあるのだとか。例えばスギ花粉のアレルギーを持っている者はバラ科の果物(桃など)等、イネ科のアレルギーの場合はウリ科の食べ物等で反応が出ることがあるという。症状としては、口の中のイガイガやピリピリ感があるとか、下痢をするなどというのが現れることが多いという。そして怖いのは重度の場合はアナフィラキシーショックを起こして命を落とす場合もあるということ。質が悪いの現在のところ画期的治療法はないということである。

 番組では実際にこれを発症した人を紹介しているが、魚類が好きでその日もサンマなど青魚をたっぷり食べて寝たら、夜中の一時ぐらいに激しい動悸が出て、顔が別人のように腫れあがっていたのだという。幸いにして一命はとりとめたそうだが、アニサキスアレルギーとのことで、魚類は刺身はもちろん煮ても焼いてもダメということで出汁まで使用できな状態になったのだとか。もう目の前真っ暗という感じであるが、アレルギー専門医の指導の下で魚介類の完全排除と乳酸菌の発酵系のものを食べて腸内環境を整えるということに取り組んだところ、ようやく出汁を食べれるようになったという。検査の結果アレルギー反応が陰性になったので次は鯖缶に挑戦だとのこと。なかなか大変である。

 

 なおこれという予防法もあるわけではないが、粘膜や皮膚などをしっかり守るスキンケアが重要とのこと(肌に傷とかがあれば、そこからたんぱく質が直接に体内に入って抗原になるということだろう)。また摂取してから数時間から10時間ぐらいで出るものもあるので抗原が突き止めにくいので、何を食べたかのフードダイアリーをつけることが原因特定を容易にするとのこと。

 またゲストの「好物ほど発症しやすいと聞いたことが」という質問に対しては、統計的にそれを証明するデータはないが、医者の経験としてはそういう傾向を感じるとのこと。好物で日常的に摂取することで抗体が生成しやすいのではないかという気もする。なんにせよ、もし症状が疑われたらアレルギー専門医を受診するべしとのことである。

 

 最近は子供の食物アレルギーが増加してますが、大人のアトピーなども非常によく聞きます。私の知人にもかなり重症のアレルギー患者がいて、先のスクラッチテストなんかをすると、ありとあらゆるものに反応が出るので、最早抗原の排除は不可能とのことで見ていても非常に気の毒です。

 なお私は花粉症はそもそも花粉に反応しているのではないという説を取っています。つまりは花粉を媒介とする排気ガスや化学物質の有毒性に反応が出ているうちに、花粉自体をターゲットと体が誤認したという説です。というのは私自身が、スギ花粉が派手に飛び交っているはずの東北などの山の中をウロウロした時には全く花粉症の症状が出なかったのに、東京に移動した途端に激しい花粉症の症状で苦しんだという経験を持っているからです。また私が初めて花粉症を発症したのも勤務の関係で大阪に住んでいた時でした。

 だから同様に食物アレルギーも本来の食物自身ではなく、添加物や残留農薬などが引き金になったという推測をしています。つまりは人間を取り巻く環境が汚染されたことが人間自身の体内の汚染につながり、体のあらゆるバランスを破壊してアレルギーや免疫疾患を引き起こしているという考えです。だから本当の意味の自然に帰った生活をしばらく続ければいずれはこれらの症状は消えていくのではと考えますが、今の世の中ではそういう生活は残念ながら不可能なようです。

 

忙しい方のための今回の要点

・花粉症の治療法としては、目下のところは舌下免疫療法などの方法が主だが、時間がかかることが難点である。
・一方、にごり酢に含まれる酢酸菌がアレルギーを緩和するのではと注目されているとのこと。
・また要注意なのは大人のアレルギーで、花粉症からの交差反応で大人になってから食物アレルギーが出る事例があるという。
・スギ花粉のアレルギーがある場合はバラ科の果実等、イネ科のアレルギーの場合はウリ科の植物に反応が出るとのこと。最悪の場合はアナフィラキシーショックで命にかかわることがあるが、残念ながら目下のところは画期的な治療法はないという。
・症状としては口の中がピリピリするとか下痢をするなどが現れることが多いという。心当たりがある場合はアレルギー専門医を受診するべき。

 

忙しくない方のためのどうでもよい点

・世の中いろいろと汚染されてきておかしな病気が増えている気がします。食品添加物や公害以外にも忘れてならないのは放射性物質。原発の増加で大気中に放出される放射性物質は最近になって増加してます。こういうのも知らない間に人体に影響を与えているのは間違いないですが、すべて「因果関係が明確でない」として無視されているのが現状。
・結局は摂取した途端にのたうち回って死ぬような毒でない限りは、企業の利益や便利さというのが優先されるのが現代社会ということです。
・ちなみに私の花粉症ですが、いろいろな薬を試しても効かなくて苦労しましたが、たまたまエバスチンという薬が私の体質によく合ったようで、おかげで数年前から鼻の症状がほとんどなくなって楽になりました。ただそれでも目の症状は出るので、このシーズンになるとクロモグリク酸配合の抗アレルギー目薬は手放せません。

 私がいつも使っているのはこの手のタイプの目薬です。即効性もあるので助かります。

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