教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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"今年の夏は脳梗塞や心筋梗塞の危険性が急増!"(7/12 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「脳梗塞・心筋梗塞の原因に!今年は"夏血栓"に要注意」から)

夏に出来やすい血栓は今年は特に要注意

 夏がやって来たこの頃、誰もが直面する危険が夏血栓だという。体内が水分不足になることで血液の粘度が増して微少な血栓が生成、それが脳で詰まると脳梗塞、心臓の血管で詰まると心筋梗塞を起こして命に関わる。特に気温が32度を越えると血栓ができやすくなるため、これからのシーズンが要注意だという。さらに今年は特殊な事情から余計に血栓が起こりやすくなる可能性があるという。

 今年が危ない理由の一つは今年の夏の気温の予想が平年よりも高めであることだが、それよりもことし特有の事情がある。血栓の理由は脱水なのであるが、防止するには水分補給が大事、それがマスクをしていると口の周囲が湿気ることからのどの渇きを感じにくく、水分補給を怠りがちになるのだという。実際に番組では2人の男女にマスクのあるなしで同じ作業をしてもらい、その間に摂る水分の量を調べたところ、マスクがあると水分の摂取量が大幅に減少しているのがわかった。マスクをしている時はより水分補給に注意する必要があるのだという。

 さらに問題となるのがお酒。ステイホームのせいで宅飲みをする人が増えたが、その場合に酒ばかりを飲んで水を飲まなくなることが多くなるのが問題だという。お酒を飲むことによって体内が脱水状態になるのだという。実際にお酒を飲む前後の血液の状態を比較しているが、飲む前はスムーズに流れていた赤血球が、お酒を飲むことで連なって固まってしまって流れが悪くなっている。お酒を飲むとかなり脱水状態になるので、飲みながらはもちろん、就寝前も必ず水分補給をするべきなのだという。

 

脳梗塞や心筋梗塞の注意ポイント

 このような血栓が引き起こす病気は最初に上げた脳梗塞と心筋梗塞。いずれも命に関わる重要な病気である。実際に脳梗塞は夏に発症が増える病気だという。また夏の脳梗塞はまた特殊な事情も伴うという。番組では実際に脳梗塞を発症したという患者に体験談を聞いているが、彼はデスクワークで日頃からあまり汗をかかない仕事だったという。それが夜になって体長が悪化、呂律が回らない状態になったので急遽救急車で病院に運ばれたところ脳梗塞だったという。この場合に問題になっているのが隠れ脱水。人間は不感蒸泄といって、特に汗をかかなくても1日に約900mlの水分を失っている。またのどが渇いてから飲むという飲み方では、この時に既に身体は脱水症状になっているので、この時点では手遅れなのだという。この方の場合は1日に摂る水の量が1リットル以下と言うことで、理想であるという2リットルに遥かに足りていない。さらに彼はコーヒーなども飲んでいたので、その利尿作用のせいでさらに脱水になったのだという。コーヒーや緑茶は要注意である。

 なお脳梗塞を発症する前には倦怠感、麻痺、めまい、脱力、しびれなどの前兆が現れることがあるという。これらは一過性脳虚血発作というもので、大抵は15分以内に治まるが、この後数ヶ月以内に脳梗塞を発症する可能性があるという。ただしこれらの症状は熱中症の症状と被るので気づきにくくて要注意である。見分け方は脳梗塞の場合、突然に身体の片側に症状が起こるのでその場合はすぐに病院に行く必要がある。また心筋梗塞の場合は冷や汗が出るような胸の痛みなどが出るが、場合によっては左肩の痛みや歯の痛みという放散痛として症状が出る場合があるという。

 

給水用スペシャルドリンクともう一つの危険な病

 この後、水分補給に最適なスペシャルドリンクを紹介している。これはキウイを刻んで密閉袋に入れ、そこにリンゴ酢小さじ2とハチミツ小さじ4を加えてもんで好みに合わせてキウイをつぶしてから、無糖の探査水を加えるというもの。キウイのクエン酸が血小板の凝血を防ぐ効果があるのだとか。

 さらに家で長時間座る場合に起こりやすいのが肺血栓塞栓症いわゆるエコノミークラス症候群である。足の血流が悪くなることで血栓ができ、これが足で詰まると皮膚の変色やむくみ、だるさなどの症状につながるが、この血栓が肺に詰まった場合に肺血栓塞栓症となり、最悪の場合は命を落とす。さらに肥満になると血管内で炎症成分が増えるせいで血栓が出来やすくなるので要注意だという。予防には30分に1回は立ち上がる、座ったまま足の上げ下げをしてふくらはぎをほぐすなどである。


 以上、夏の怖い病気について。まあ夏はとにかく熱中症と脱水に注意です。特に年を取るにつれて感覚が鈍ってくるので、知らず知らずに熱中症や脱水を起こす場合があるので気をつける必要があります。

 地味な内容ですが、この時期には要注意の件を今年特有のマスクに絡めて説明したのは非常に有用。やはりテレビ番組はこういう重要な事項をこそ啓蒙する必要がある。

 

忙しい方のための今回の要点

・これからの時期は身体が脱水になることで血栓が出来やすく、これが心筋梗塞や脳梗塞の原因となることがある。
・気温が32度を越えると血栓が出来やすくなるが、今年は特にマスクのせいでのどの渇きに気がつかず、水分摂取量が減って脱水になる場合があるので要注意である。
・人間は何もしなくても不感蒸泄で1日に900ミリリットルもの水分を失う。理想的には1日に2リットルの水分を摂取する必要がある。またのどが渇いてから飲むのでは、その時点で身体は脱水状態になっているので手遅れである。
・また酒は身体を脱水状態にするし、コーヒーや緑茶も利尿作用があるので要注意。
・脳梗塞にはだるさやめまい、しびれなどの前駆症状が出ることがあるが、熱中症の症状と類似しているので気づきにくい。麻痺などが半身に出たら脳梗塞と考えられるので直ちに病院で検査を。
・心筋梗塞の場合は冷や汗の出るほどの胸の痛みが起こるが、放散痛として左肩の痛みや歯の痛みとして感じられることもあるので要注意。
・また座り続けだと肺血栓塞栓症(俗に言うエコノミークラス症候群)を発症することがあるので、30分に1回は立ち上がる、座ったまま足を上げ下げしてふくらはぎをほぐすなどが重要。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・正直なところ、今年は既に身体がガタガタです。やっぱり長期にわたってのお籠もり生活が響いてます。最近になってようやく週末に出かけるようになりましたが、移動は車で極力表に出ない状態なので強度の運動不足。正直なところ恐ろしいほどに体力が落ちてます。特に上半身の衰えがひどいので、これはいきなり山城攻略に出たら怪我をしかねない。

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