教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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"ドライアイの原因となるタピオカサインとは" (7/22 NHK ガッテン「まぶたを見れば一発判明!疲れ目乾きに真・癒やしワザ」から)

 PC作業なんかが増えてきたことで問題となるドライアイ。これによる疲れ目で悩んでいる人も多い。この疲れ目の原因については大調査結果を報告。

 

ドライアイは涙の質が問題

 まず疲れ目の原因として多いドライアイであるが、これはその名の通り目が乾く症状。これになっている人は涙の量が減っている・・・と思うところなのだが、実は涙の量自体は変わらない例があるのだという。つまりは大事なのは涙の量ではなくて質だという。

 ではその質を左右するのは何か。それはまぶたの裏から分泌される油。この油が涙の表面を覆うことで涙の蒸発を防ぐ効果があるという。しかしこの油が十分な量分泌されなかったら涙が乾きやすくなってしまってドライアイになる。

 しかしドライアイと油の関係については、最近までドライアイのガイドラインにも「油との関係を取り上げるのは時期尚早」と記されていたという。しかし3年前、長崎のある離島を舞台にして、それを証明するための大規模調査が行われた。

 

離島で行われた大規模調査

 調査の舞台は長崎の度島。人口は680人ほどで住民の4割は猟師という小さな島である。この島には眼科医がいないということで、3年前に総勢80人の医師が検診と調査のために島を訪れた。その際に撮影したのが島民のまぶたの裏の写真。実はこの写真にドライアイの大きな理由が隠れているという。

 写真を見るとまぶたの裏に縞模様が見える人とそれがない人がいるのだが、縞模様がないのがドライアイになりやすい人だという。まぶたの裏には涙を分泌する涙腺とさらに油を出すためのマイボーム腺という器官がある。このマイボーム腺から分泌される脂が瞬きの際に眼球の表面に塗布されることで涙の蒸発を防ぐ働きをするのだという。油と水だからはじきそうなものだが、その油は涙の表面に広がる性質があるとのこと。

 で、この調査団を率いた眼科医の有田玲子氏によると、このマイボーム腺が上手く働かない人は、まぶたを見るとタピオカサインと呼ばれる小さな粒が見えるという。これは劣化した油が固まってマイボーム腺の出口をふさいでいるのだという。

 

タピオカサインの原因と対策

 そしてこのタピオカサインが出やすい人には原因があるという。まずは高齢。さらにはPC作業、そしてコンタクト。これらが大体大きな原因になると言うが、最後に脂っこい食事も影響するとのこと。番組では実際に若いスタッフに夜にコッテリのとんこつラーメンを食べてもらったところ、見事に一人にタピオカサインがという結果に。

 このタピオカサインを解消するにはどうするかだが、劣化した油が固まっているのだから、熱を加えて溶かすのが一番らしい。その温度だが、本来の油なら34度程度で溶けるのだが、この油は劣化しているので40度ぐらい必要とのこと。その方法は50度ぐらいのお湯で絞った熱いタオルをポリ袋に入れ、それを乾いたタオルで巻いたものを目に当て、5分ほどそのまま置くというもの。蒸しタオルを直に当てれば良いような気もするが、そうすると濡れたまぶたが乾く時に気化熱で冷えてしまうので、折角溶けた油がまた固まってしまうとのこと。またこのガッテン流ホットタオルは保温力もあるので5分間温度を保てるという。

 で、このガッテン流ホットタオルをドライアイで悩んでいた島民に試してもらったところ、全員状況が改善して目出度し目出度しという結果。なお最後にドライアイのチェックとして10秒間瞬きをせずに我慢できるかという方法があるとのこと。はい、私は見事にドライアイです(6秒ぐらいが限界)。やはり原因はPC作業でしょうね。何しろ毎日15時間以上はPC作業してますから。

 

 今回は最近増えているドライアイについて。なおこのホットタオルで油を溶かすという方法、以前にもどこかで見た記憶があるのですが、この番組でなかったっけ? 最近はこの番組も結構焼き直しネタが多いんで。

 今回は離島に乗り込んでますが、やはりこういう僻地ではNHKの看板は強いですね。島民が協力的なこと(笑)。日本どこでも津々浦々で見られるようになっているのはNHKぐらいですから。地方に行けば民報の数が少ないところなんていくらでもある。私はどこに行っても大体NHKぐらいしか見ない(それも特定の番組しか見ないので、実際にはテレビをつけないことが多い)のであまり関係ないですが、これで戸惑う都会人は未だに結構多いと聞きます。

 

忙しい方のための今回の要点

・ドライアイは涙が少ないよりも、涙の質が問題になる場合が多い。
・涙の質で重要になるのは油の量。まぶたの裏側から分泌される油は、涙の蒸発を防ぐ効果があるので、これが十分に分泌されないとドライアイになりやすい。
・油はまぶたの裏のマイボーム腺から分泌されるが、この油が劣化して固まってマイボーム腺の出口をふさいでしまう例がある。このようにして出来た油の塊はタピオカサインと言ってドライアイの判別法の一つにもある。
・これを解消するには50度ぐらいのお湯で絞ったホットタオルをポリ袋に入れ、それを乾いたタオルで巻いたものを目に5分ほど当てて油を溶かす方法が効果的。
・ちなみにドライアイの診断法は、10秒間瞬きを我慢できなければドライアイ。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・長年の長時間のPC作業のせいか、私はドライアイだけでなく老眼も一気に進んできました。おかげで最近はPCに向かうのがかなり消耗するようになってきました。つくづく老化って嫌なものです。

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