教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

"全身の健康に関わる毛細血管"(8/16 TBS系 健康カプセル!ゲンキの時間「地球2周半の長さ知っておきたい毛細血管の真実」から)

毛細血管が全身の症状に影響する

 だるいとか疲れが取れないという全身症状に影響するのが毛細血管。毛細血管は全血管の99パーセントを占め、全長は地球2周半の長さがある。しかしこの毛細血管が消滅するゴースト化などの症状が出ることがあるのだという。

 まず毛細血管とは何であるかだが、これは赤血球がようやく通れるぐらいの細い末梢の血管だが、血管外の細胞や組織などに酸素や栄養を送り届けて老廃物を回収するという全身がキチンと機能するための最重要組織である。動脈は静脈はいわば高速道路で、実際の宅配便は高速道路から外れた路地沿いの民家に届けられると言うわけ。ここの流れが悪いと全身の細胞に影響が出ると言うわけである。

 番組では全身の怠さや顔のくすみなどの症状に悩む48才の女性と、疲れが取れないという51才の男性スポーツインストラクターの生活を調査している。

 

紫外線、血糖値スパイクに注意

 まずは女性の指先の血管を見たところ、血流が途絶えている毛細血管があり、これがゴースト血管であるという。血管がこのような状態になると、細胞内に老廃物が溜まりそれが怠さの原因となるという。指先の毛細血管は全身につながっているので、ここを見るだけで全身の毛細血管の状態が反映されているという。

 なお毛細血管にゴーストが出ているような人は、手を冷やした時に回復が体温の回復が遅いと言うことがあり、冷えの原因になったりすると言う。また簡単にチェックできる方法として爪床圧迫テストというのがあるとのこと。これは親指の根元を5秒押して、赤みが戻るまでの時間を測定するというもの。これで3秒以上かかる人はゴースト血管の可能性があるとのこと。

 で、彼女のゴースト化の理由であるが、まずは紫外線の影響が考えられるという。彼女は朝に日焼け止めクリームを塗っていたが、その効果は3時間ほどなので、昼前に出勤する頃には既に効果がなくなっているとのこと。紫外線による活性酸素は血管にダメージを与え、毛細血管のゴースト化の原因となり、そのことがメラミンの回収を妨げてシミの原因になるとのこと。さらに食事の様子を見ていると、ずっと食べ続けている。食事中に箸を置かずに連続して食べる(つまりは早食い)をしていると血糖値が一気に上昇して、血管壁の細胞にダメージを与えて血管が緩んで毛細血管が広がってしまって有効に働かなくなるのだという。毛細血管は血球が壁に当たる時に酸素や栄養分を受け渡すので、血管が太くなってしまうとそれが出来なくなり、最終的にはゴースト血管になってしまうのだという。

 

運動のやり過ぎやストレスも影響

 さてインストラクターの男性だが、彼の毛細血管はほとんどがゴースト化している。生活習慣を見ると、毎日ジョギングとウォーキングを織り交ぜた20キロのトレーニングを3時間やっている。これが「やり過ぎ」なのだそうな。有酸素運動も度を超すと、活性酸素が血管にダメージを与えるのだという。さらに彼は連日の睡眠不足で血管が脆くなっており、血管の中身が染み出して濁ったように見える状態になっており、これはいずれはゴースト血管になってしまうと言う。

 さらにレポーターのコカドケンタロウの毛細血管もチェックしたところ、ねじれた血管が多い。これは血管が細くなったところに無理に血液を流そうとしてねじれてしまったのだという。これもいずれはゴースト血管につながるという。理由はストレスであると考えられるとのこと。

 なお番組出演者のチェックでは、西尾由佳理氏は極めて健康的な血管、高島礼子氏は運動のやり過ぎか一部の血管が消滅、筧利夫氏は明らかに運動のやり過ぎで血管が滅茶苦茶とのこと。なお毛細血管の状態は10日間ぐらいの生活習慣を反映しているとのことで、回復は可能なのだという。

 

島コショウとかかとトントン

 と言うわけでお勧め対策になるのだが、専門家は沖縄のヒハツと呼ばれる島コショウを勧めている。これに含まれるピペリンと言う成分が、毛細血管のTie2という受容体を活性化し、血管の構造を安定化するのだそうな。なおヒハツって何?という場合には黒胡椒でも良いとのこと。摂取は1日耳かき1杯程度で良いとのこと(香辛料をそんなに大量にとれるわけもない)。まあ香辛料ってのは基本的には漢方薬なので、こういう効果もあったりはするでしょう。またシナモンとかルイボスティーなんかもお勧めとのこと。

 さらには手や足に刺激を与えるのが良いとのことで、かかとの上げ下げとか、手のグッパだけでも効果はあるとのこと。連日のキーボード操作は効果はないのだろうか?


 以上、毛細血管と全身の健康について。要は毛細血管のゴースト化が云々と言っているが、全身の血の巡りを良くすると言うことに尽きるという。運動は基本的には血流を良くするはずだが、過ぎたるは及ばざるがごとしでやり過ぎるとダメージになるという至極当然の話。特に年を取ってくると回復力が落ちてくるので、限度を超した運動は身体をつぶすだけになってしまう。スポーツインストラクターの男性の場合、51才という年齢を考えると、毎日3時間のジョギングは明らかに度を超しすぎており、このままだといずれは完全に身体をつぶすのではと心配になる次第。

 

忙しい方のための今回の要点

・全身の毛細血管は全長で地球を2周半するぐらいの長さがあり、全身の細胞や器官を支えている。
・しかしこの毛細血管にダメージがあると血管の消滅・ゴースト化が起こり、これが全身疲労などの症状につながる。
・紫外線は毛細血管にダメージを与えるし、早食いも血糖値スパイクを起こして血管を痛める。さらに運動のしすぎも血管にダメージを与えることになる。
・毛細血管をケアするための食品としてはヒハツと呼ばれる島コショウがお勧め。ピペリンという成分が血管の構造を安定化するという。黒胡椒でも同様の効果があり、シナモンやルイボスティーなどもお勧めだという。
・また手や足に刺激を与えることも良く、かかとの上げ下げとか手のグッパなどでも効果があるという。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・年を取ってくるととにかく血流が悪くなることを感じます。私なんかも老化のせいか、ここのところ急激に体温が低下していて驚いています。以前は通常は36度ぐらいあった平熱が35度以下になっていたり。こういうのも最近の体調の悪さの原因ではなんて思っている次第。

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