西ノルウェー奥地のフィヨルド
何かここのところこの番組は氷河ネタばかりのような気がするが、今回も氷河ネタ。氷河が作り出したフィヨルドです。ノルウェーの長大な海岸線の中で、西ノルウェーにあるガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルドという2つの奥地にあるフィヨルドである。
『世界遺産』8/16(日) 西ノルウェーのフィヨルド群 〜 1000mの断崖! 北欧のフィヨルド【TBS】
「狭い」フィヨルドとそれを作り出した氷河
フィヨルドが2000余りも連なる西ノルウェーの海岸線は非常に複雑である。これらのフィヨルドはすべて陸地に入り込んだ海である。世界最長のフィヨルドが枝分かれして入り込んだ先がネーロイフィヨルドで、ここは「狭い」フィヨルドである。ネーロイというのは狭いという意味だとか。
そびえ立つ断崖は1000メートルの高さがある。この断崖は水の中にもつながっており、最大2000メートルの崖になるという。そして切り立った断崖からは高さ1000メートルの滝がいくつもある。ネーロイの一番狭い場所は幅250メートルで、フィヨルドの海は奥に行くほど静かになる。このネーロイフィヨルドは世界最長のソグネフィヨルドの支流の一つである。
ソグネフィヨルドの奥には一本の川が注ぎ込んでいるが、その川を10キロ遡ると氷河にたどり着く。これがヨーロッパ最大のヨステダール氷河の一部だという。かつてはこの氷河が谷全体を覆い尽くしていた。巨大な氷河は流れながら大地を削る。氷河が今でも1年に200メートルほど流れており、岩を削ってシルトと呼ばれる細かい砂を産み出す。このシルトがフィヨルドに注ぎ込むので、フィヨルド奥地の水は少し濁ったブルーの色になる。シルトが光を遮るので、浅い場所に深海生物が暮らしている。
ノルウェーの真珠
ガイランゲルフィヨルドはノルウェーの真珠とも呼ばれる。高低差のある断崖から雪解け水が一気に流れ込み巨大な滝となる。七姉妹の滝と呼ばれる優美な滝と求婚者の滝と呼ばれる豪快な滝が向かい合う箇所もある。
またこの断崖の中腹に立つ住宅もある。かつては狭い場所を耕したり放牧して生活している人がいたと言うが、今はみんな便利な都会に移っていったという。これらの家々も自然遺産に含まれているという。また今でも人が暮らす集落もあるが、既に住民は一人で彼は村の景観を守っており「世界遺産の庭師」と呼ばれているという。自然と寄り添った生活を続けている。
・・・とのことだが、彼も結構高齢のようなので、彼が病気になるなどしてフィヨルドで暮らせなくなった時には、誰がこの地を守るのだろう? このような不便な地が過疎になっていくのは世界全てで共通の現象のようである。何かそんなところにも、人類自体が衰退していっているという気がしてならない。
忙しい方のための今回の要点
・ノルウェーの複雑な海岸線の奥地にある二つのフィヨルドを紹介。
・世界で一番狭いと言われるネーロイフィヨルドは世界最長のソグネフィヨルドの支流の一つである。
・切り立つ断崖は1000メートルを超え、その断崖は海中にも続いており、最大で2000メートルの落差がある。そこを巨大な滝が流れ落ちている。
・これらのフィヨルドを作ったのは氷河であり、今でも奥地に氷河が存在している。氷河が削ったシルトと呼ばれる細かい砂がフィヨルドに注ぐため、フィヨルドの海中は薄暗く、浅い水深にも深海生物が棲息している。
・ノルウェーの真珠とも言われるガイランゲルフィヨルドには、巨大な滝が存在する。
・昔はこのフィヨルドの中で生活する人もいたが、今はほとんどが町に移り住み、過疎化が進行している。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・ここ最近に非常に多い氷河シリーズの一環でした。しかしやはり氷河と言えばフィヨルドですよね。そしてフィヨルドと言えばやはり北欧。
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