全身不調につながる浅い呼吸
頭痛や肩こりなどの身体の不調。いわゆる不定愁訴というものであるが、これが「呼吸の浅さ」が原因になっている場合があるのだという。またマスクをすると息が苦しくなるなどというのもここに原因があるという。
そもそも呼吸の深さによって呼吸の回数に差が出るという。正常な呼吸は1分間当たり12~18回程度なのが、浅い呼吸だと20回以上になってしまう。この差が生じるのは吸い込む空気の量が根本的に違うから。正常な呼吸だと500ミリリットルの空気を吸い込むのに対し、浅い呼吸だと250ミリリットル程度しか吸い込んでいない。さらに150ミリリットル程度の空気は気道にとどまってしまうため、浅い空気だと肺にはわずかに100ミリリットルの空気しか取り込まれておらず、正常な呼吸の350ミリリットルと比べると圧倒的に少ないことになる。
チェック法と浅い呼吸の原因
では自分の呼吸が大丈夫かのチェック法だが、普段通りの呼吸をして鼻から静かに息を吐いた後に呼吸を止めるというもの。鼻から息を吐いた後に鼻をつまみ、息をしたくなるまでの時間を測定する。ただしこれはいつまで我慢できるかのテストではないので、少しでも呼吸をしたくなったらそこでタイムアップである。これが30秒以下なら呼吸が浅いとのこと・・・で、私が試したら10秒持つかどうかでした。自覚はあったんですが、やはりかなり呼吸が浅いようです。
呼吸が浅くなることで何が起こるかであるが、全身の細胞の酸欠に陥るのだという。取り込む酸素が減少することで全身の細胞に酸素が行き渡らないので、細胞が酸素を取り込む細胞呼吸が出来なくなり、頭痛、目の疲れ、不眠、肩こりなどの全身の不調につながるのだという。また今時だと気になることとして、免疫力の低下などにもつながるという。
呼吸が浅くなる原因であるが、それは横隔膜の能力が低下することにあるという。横隔膜が衰える原因としては猫背があるという。横隔膜が圧迫されることで柔軟性が低下、機能が低下することで肺が十分な空気を取り込めなくなるのだとか。さらにはストレスも原因となる。交感神経が優位になると横隔膜が緊張状態になり、柔軟性が失われることになる。さらには口呼吸も原因となる。狭い鼻と違って楽に息が吸えるために自然に呼吸が浅くなるのだという。朝起きた時に口が渇いていたり、口臭がしたり、歯周病や虫歯になりやすいなどは口呼吸のサインだという。
で、私の場合なんですが見事に全て当てはまります。また西尾氏が「アレルギー性鼻炎で鼻が詰まるので、どうしても口呼吸になる」と言ってましたが、まさに私がそれでかなりひどい鼻炎のせいで年中鼻づまりで、そもそも鼻呼吸が不可能な状態でした。番組の先生は「まず鼻炎を治すことが重要」と言ってましたが、これが簡単にいかないのが現状。ちなみに私がようやく鼻呼吸が可能になったのは、私の体質に非常に相性の良い抗ヒスタミン薬であるエバスチンを常用するようになってからです。これのおかげでようやく春の花粉症でも苦しまなくて済むようになった。しかし長年の習慣で完全に口呼吸がクセになってしまってます。おかげで朝は口がガビガビだし、虫歯だらけで奥歯は全ての歯が金属が入っているという状況です。
呼吸を改善する4・4・8呼吸法
改善方法であるが、まずはそれを実践したことで選手生命の危機から脱したという青山学園陸上部の元キャプテンの鈴木塁人氏が登場する。彼は胃腸炎を患って以降、常に体がダルくて練習を継続できないぐらいの身体の不調で、選手生命の危機に瀕したらしい。そんな時に「呼吸が浅い」と診断されたそうな。そして呼吸法を取り入れてから、劇的に体調が改善したという。
その方法であるが4・4・8呼吸法だという。それはまず準備として腹式呼吸を2~3回繰り返してから、お腹の上に手を置いて4秒かけて鼻から息を吸い、4秒息を止めてから8秒かけて鼻からゆっくりと息を吐くというもの。お腹に手を当てるのは腹式呼吸を意識するため。これを眠る前や仕事中など気づいた時に実践するのだとか。この呼吸法はリラックス効果もあるという。
以上、体調改善につながる呼吸法について。特にあれを飲めこれを買えという話でないので、すぐに実践できるのがポイントです。ただ問題は私自身に該当するんですが、なかなか実践が続かないんですよね。私は先に挙げた鼻炎の問題だけでなく、常に多大なストレスを抱えている状態(仕事面と家庭面の両方から)なので、常に神経が張りつめて浅い呼吸をハーハーしている状態の上に、心拍数も高めなのが分かります。まあこのままだと間違いなく早死に一直線ですが、どちらもすぐに改善する可能性はほぼないのでしんどいところです。
忙しい方のための今回の要点
・頭痛や肩こりなどの全身の不調(不定愁訴)の原因が呼吸の浅さにある場合が多い。
・呼吸が浅いと十分な空気を肺に取り込めないために全身の細胞が酸欠となって、それが不調につながる。
・呼吸が浅くなる原因は横隔膜の機能低下にあり、それを招くのが猫背、ストレス、口呼吸である。
・改善の方法は4・4・8呼吸法。4秒かけて鼻から息を吸い、4秒息を止めてから、8秒かけてゆっくりと吐き出す方法。腹式呼吸を意識すること。
忙しくない方のためのどうでもよい点
・とにかく気管系の疾患を抱えていたら、呼吸関係には致命的です。ゆっくりと腹式呼吸をしようにも、その間に咳などが出て呼吸が滅茶苦茶になってしまうので。
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