教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/8 TBS系 世界遺産「6つの華麗な古城!ロワール渓谷」

古城の間を流れるフランスのロワール川

 南フランスのロワール川。フランスで最も長い川であるこの川の周辺には様々な風景が存在する。


『世界遺産』11/8(日) ロワール渓谷 〜 6つの華麗な古城!【TBS】

 最初に見えてくるのは古城であるシュリー・シュル・ロワール城。今から600年以上前に立てられた世界遺産の城で、要塞のような構造になっており、堀にはロワール川から水を引き込んでいる。

 また美しい庭で知られるヴィランドリー城。上から見ると色とりどりの鮮やかな姿であり、これは城が建てられた当時の姿をとどめているという。豊富な地下水を汲み上げて庭園に供給されている。一番上が水の庭園で地下水の温度を上げ、それを下の花の庭園に流して潤しているのだという。幾何学模様の庭園では実用を兼ねて野菜や果実も植えられているという。

 さらにロワールで最も美しい城と言われているのが川の上に橋のように建っているシュノンソー城。中は広い回廊が対岸まで続いているという。始めは水辺に建つ小さな城だったのが、対岸に橋が架けられ、それを覆うように建物が建てられたのだという。ここの庭園はカトリーヌの庭園など主の名がつけられているという。

 

ダ・ヴィンチゆかりの古城とフランスを救った古城

 さらにはダ・ヴィンチが設計したという奇抜な城が森の中にある。シャンボール城はロワール川流域で最大の城である。16世紀にフランス国王がイタリアの建築家や職人を呼び寄せて立てたのがこの城。大小100を越える塔が林立する奇抜なデザインとなっている。この城は狩りを楽しむための離宮だという。多くの部屋に暖炉があり、この塔はその煙突をまとめたものだという。この城の設計にはダ・ヴィンチが関与しており、中央の塔には二重の螺旋階段が存在する。この二重螺旋の階段は互いに出会わない構造になっている。

 もう一つのダ・ヴィンチゆかりの城はアンボワーズ城。16世紀初頭にフランス王がこの城にダ・ヴィンチを招いた。元々は要塞だったのを改築して王の居城としたものだという。王はここでダ・ヴィンチと毎晩のように語り合って多くを学んだという。ダ・ヴィンチは晩年の3年をロワールで過ごしており、ここにダ・ヴィンチの墓もあるという。自らが設計に加わったシャンボール城の完成を見ることもなくこの世を去っている。

 ロワール川の流域にはぶどう畑があるが、その向かうに見えるのがフランスの危機を救った城であるシノン城。15世紀にイングランド軍が攻め込んでロワール川に迫った時、ジャンヌ・ダルクが要塞であるこの城を訪れた。ジャンヌはここで後の国王に謁見してフランス軍に加わる。勝利を収めたフランスはその後の繁栄を迎える。

 様々な貴重な文化遺産を持つロワール流域は世界遺産に認定されたという。

 

忙しい方のための今回の要点

・フランスで最も長い川であるロワール川の流域には6つの古城がある。
・その中にはダ・ヴィンチが設計に加わったシャンポール城があるが、これは多くの塔を持つ奇抜なデザインで、それらの塔は暖炉の煙突を束めたものだという。また中央の塔にはダ・ヴィンチが設計した二重螺旋の階段がある。
・要塞だったシノン城は、イングランド軍が攻め込んできた時にジャンヌ・ダルクが後のフランス国王と謁見した城であり、この戦いで勝利したことが後のフランスの繁栄につながった。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・ジャンヌ・ダルクの話も出て来ましたが、結局は彼女はフランス国王に利用されて切り捨てられたような形になってるんですよね。まあやけに思い込みの強い少女でしたから、扱いにくいところもあったのかも知れませんが。そもそも神がかりというのは精神的には一種の病気ですから。
・それにしてもロワール川流域って、いかにもフランスらしい風景が続く場所ですね。こういうところを観光したいという気はありますが、まあ私は一生日本から出ることはないでしょう。

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