教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

11/29 TBS系 世界遺産「宙に浮く家々!スペインの空中都市」

断崖にそびえる空中都市・クエンカ

 今回の世界遺産はスペインのラ・マンチャ地方の断崖の都市クエンカ。両側をフカル川による渓谷に囲まれた細長い断崖上に高層建築が林立している。町の幅は一番狭いところでわずか70メートルしかないという。


『世界遺産』11/29(日) 要塞都市クエンカ 〜 宙に浮く家々! スペイン空中都市【TBS】

 目も眩むようなサンパブロ橋を渡って旧市街に入ると、市街の中心部に到達するにはかなり階段を登る必要がある。崖の上は平でなくて起伏が多くなっている。ここに高層建築が立ち並んでいるが、多くは500年前に建てられたものだという。

 この断崖は石灰岩の浸食によって出来たものだという。フカル川の上流には奇妙な形の岩がゴロゴロとあるが、石灰岩が水によって浸食されて出来たものだという。クエンカが乗る断崖も石灰岩に生じた縦の亀裂に雨水が入って浸食され、それがその後に水の流れで削られた結果であるという。

 

断崖の都市の独特の建物たち

 がけの縁から飛び出したような家もあり、宙づりの家と呼ばれている。この建物はかつては住宅として使われていたが、今は美術館となっていると言う。断崖から迫り出したバルコニーから下を見るとまさに目が眩む高さである。

 これらの高層ビルは町の外から見ると多くが10階立て以上なのだが、町の中から見ると6階立てである。その秘密は階下の石灰岩をくりぬいて部屋を作っているのだという。

 クエンカは8世紀にスペインを征服したイスラム教徒が要塞都市として築いた。その頃の城門の名残があるという。11世紀にキリスト教徒がこの都市を奪還すると中央に大聖堂を建設した。クエンカはキリスト教との拠点として繁栄し、16世紀には1万5千人が暮らす大都市となり、高層建築が林立することになったという。この都市を支えるための水は絶壁に削られた12キロもの水路によって運ばれていたという。

 クエンカは断崖上のユニークな町の姿が評価されて世界遺産となった。

 

忙しい方のための今回の要点

・スペインのクエンカは、二つの川がなす渓谷に挟まれた細長い台地上の都市である。
・ここには500年前に築かれた高層建築が林立している。
・この独特の地形は石灰岩が雨水や川の水で浸食されることによって生じた。
・そもそもクエンカは8世紀にスペインを支配したイスラム教徒が要塞都市として築いたものだが、11世紀にキリスト教徒が奪還すると、大聖堂が築かれてキリスト教との拠点として繁栄した。
・都市を潤す水はかつては絶壁を削って作った全長12キロの水路で運ばれていた。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・まさに天空都市です。ちょっと高所恐怖症にはめまいがするような都市ですね。
・しかし地震などが起こったら、崖ごと建物が崩れないかと心配になりますね。まあヨーロッパは日本よりは地震が少ないのかも知れませんが。

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