教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

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番組リスト

2/28 TBS系 世界遺産「不思議な動物がいっぱい!中米の火山地帯」

中米の生物の宝庫

 中米コスタリカのグアナカステ保全地域には、火山地帯に33万種以上のユニークな動物が棲息している。


『世界遺産』2/28(日) グアナカステ保全地域 〜 不思議な動物がいっぱい! 中米の火山地帯【TBS】

 太平洋岸の美しい海岸が続くコスタリカ。その奥地の火山地帯がグアナカステ保全地域である。最高峰は1916メートルの火山。火口湖からは湯気が上がってる。あちこちから湯気が上がって活発な火山活動が起こっている。かつて南北が分かれていたアメリカ大陸をこの火山がつないだのだという。だから南米と北米から様々な動物がやって来ている。

 南米から来たマントホエザルや北米から来たハナジロハナグマ、北米から来たオジロジカ、さらに南米から来たグリーンイグアナなど南北の動物が混在している。様々な生き物が果実を食べては森に種をばらまくことで森は豊かになっている。

 

豊かな海で暮らすウミガメと乾燥した森林

 また世界遺産になっている海には1万頭のウミガメがやって来る。ここの海は多くの魚が泳ぐ豊かな海である。山から吹き下ろした風が表層の海水を押しやり、その結果としてミネラルを豊富に含むシン海水が湧き上がってくるのでプランクトンが豊富なのだという。

 ここに暮らすヒメウミガメは長さ1キロのナンシテ海岸に大量に上陸する。夜になるとメスはここに産卵をする。1年に10日ほどしか見られない光景だという。一斉に上陸するウミガメの中にはここに現れるジャガーの餌食になるものもいるという。

 太平洋側の乾いた森にはユカタンビワハゴロモという奇妙な虫がいる。頭に見えるところは羽根であり、これで敵を誤魔化すらしい。また森に生える固有種のサボテンも存在する。この森が乾燥しているからサボテンが生えるのだという。半年も雨が降らないので葉が落ちている木もある。ここは熱帯乾燥林である。乾燥地帯のために幹で光合成する木まであるという。

 これらの独特の生態系からこの地は世界遺産に認定された。

 

忙しい方のための今回の要点

・中米コスタリカのグアナカステ保全地域は多くの生き物が棲息する火山地域である。
・ここの噴火がかつては分離していた南北アメリカ大陸を接続した。そのために両側からやって来た生物が棲息している。
・また海は豊富なプランクトンがいる豊かな海であり、ヒメウミガメの産卵地もある。
・太平洋側の乾いた森には独特の生物が棲息、また世界的にも珍しい熱帯乾燥林であり、サボテンが生えていたり、幹で光合成する木まで存在する。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・幹で光合成する木は初めて見た。光合成の効率は葉っぱの方が良いが、それよりも水分の蒸発を防ぐことを重視したということのようである。

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