教養ドキュメントファンクラブ

自称「教養番組評論家」、公称「謎のサラリーマン」の鷺がツッコミを混じえつつ教養番組の内容について解説。かつてのニフティでの伝説(?)のHPが10年の雌伏を経て新装開店。

このブログでの取り扱い番組のリストは以下です。

番組リスト

3/2 テレ東系 ガイアの夜明け「コロナで変わるホテル・旅館からその裏側を徹底取材~」

コロナ禍でも安心して業務拡大のアパ

 コロナで苦境に立つホテル業界の現状を紹介・・・ってことですが、よりによってアパの宣伝ですか。まあこの番組はそもそも経団連の宣伝番組ですから驚きはしませんが、よりによってアパとは・・・。

 で、前半の趣旨は要は各ホテルが苦境に陥って業務縮小や廃業をしている中でもアパは積極的に動いている。それは社長が今まで不況などで安くなったときに買い叩いた不動産を、相場が上昇したときに売ることで成長してきた企業であるからとのこと。で、相場が下がってきている今はむしろチャンスと虎視眈々とハイエナを狙ってますよという話。

 そりゃアパは安倍友利権で、いざとなったら公的資金投入させる気満々だからいくらでも積極的に商売できるわな。耐震偽装の時なんかも実は主導した立場だったクセに、安倍の影響力で有耶無耶にして姉歯にすべて責任を被せてしまったし。今回コロナで部屋を提供したのだって、まるで美談のように宣伝してるけど、実際はコロナで稼働率が落ちたホテルの部屋を言い値で自治体に貸し付けたというだけだから、実質的にはアパに対する公的資金投入みたいなものだった。

 というわけで、この国では政権にパイプがある者は、どんなときでも美味しい思いを出来るようなっていますよというだけの話です。

 

伊豆の旅館を買収した写真館経営者

 後半は伊豆で温泉旅館「桐のかほり咲楽」という小さな宿を経営していた老夫婦が、コロナの影響と後継者がいないことで廃業することになり、それを異業種から参入した人物が経営を引き継ぎましたという話。

 この旅館は和室4室だけのこじんまりした宿だが、櫻の風景が綺麗で各部屋に風呂が付いているという高級旅館である。この旅館に思い入れがあって何度も通っている常連さんも多いという。だから経営者夫婦が気にしていたことも、勝手に自分達の都合で廃業したら悲しむお客さんがいると言うこと。だからなるべくそのまま引き継いでくれる後継者を探していた。

 この宿の売却情報に答えたのが茨城県で写真館を経営する小野哲人氏。写真館と旅館と言えば直接に結びつかないような気がするが、実際は小野氏が経営する写真館は個人経営のものでなく、従業員160人で年商16億円という規模の企業である。小野写真館では5年単位でお客の子供の写真の成長の記録を撮影したアルバムを作成するというような事業を行っており、さらには近年はウェディングにまで乗り出していたという。写真をベースにして顧客のあらゆる思い出を残すという方向にシフトしており、ここであえて勝負に出たのだという。

 早速旅館の経営に支配人として送り込まれたのは写真館のエースカメラマンの一木正樹氏。旅館経営の経験なんて全くない一木氏は戸惑うところも多いが、それは経営者夫婦も積極的に協力してくれて全面指導。彼らもいくつかの購入の申し出の中で、小野氏の熱意に打たれて売却先を決めたという経緯があったからだという。

 一方の小野氏は旅館の庭で結婚式のロケーションを考えていた。彼は今まで採石場を舞台にしたインスタ映えのする結婚写真などの演出を様々に行っている。そこで今回は桜が綺麗なこの宿での結婚写真の構想を立てていたのだった。

 そしていよいよこの宿で結婚式を行う夫婦が。桜の中で美しい式を行う二人。写真は当然のようにエースカメラマンの一木氏が本領を発揮。素晴らしい写真を次々と撮影して、二人は幸せそうである。小野氏がイメージした新事業が動き始めた。

 

 えーっと、前半はどうでも良いです。私はアパには嫌悪感しかありませんので。アパがああいうハイエナをしやすいように、政府はわざとコロナ対策をしなかったのかという気さえしてきます。

 後半ですが、やはり単に廃業するのではなく、できる限り元々の旅館の理念を残しながらそこにさらに新しい付加価値を加えるという発想が素晴らしいです。経営者夫妻にしたら、是非とも成功して旅館に存続して欲しいという思いからの全面協力でしょう。前経営者と現経営者が非常に良い関係を築いているのが素晴らしいです。ハイエナ買収や敵対的乗っ取りだとこうはいきません。私としても事業の成功を祈りたい気持ちです。まあ私には全く縁のない超高級旅館ですが(笑)。

 

忙しい方のための今回の要点

・コロナ禍で経営危機に陥るホテルが出る中でアパは事業拡大に乗り出している。
・伊豆では老夫婦が理想の宿を目指して建設した小さな旅館がコロナ危機と後継者不在によって廃業を迎えようとしていた。その売却に応じたのは写真館を経営していた人物。
・彼は写真館経営からさらにはウェディングにまで事業を拡大しており、今回の旅館の買収も顧客に対しての美しい思い出を作るという考えでの事業だった。
・旅館の経営には写真館のエースカメラマンが送り込まれ、元経営者夫婦も彼の指導に全面協力。こうしてこの宿で結婚式を上げて、その風景をカメラマンが撮影するというビジネスが開始された。


忙しくない方のためのどうでもよい点

・まあどんな不況下でも、もしもの時は政治家との個人的なパイプで公的資金を流し込むなんて裏付けがあれば、どんな大勝負でもできますわ。結局はこの国は安倍につながる者だけが美味しい思いを出来る国になってると言うことです。

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